永眠

2016年5月30日(月) 2016-05-30T16:18:35+09:00 1039 / 4

やっと日記に書く気持ちになりました。

5月6日（金）
本当に突然でした。
いつも通りの朝、いつも通りの食事、いつも通りの元気なウンチ。
つい30分前まで元気に動き回っていたのに、何の予兆も無く
家族の誰もが気づかぬうちに彼は逝ってしまいました。

階段を登きった廊下にいました。
手足をのばしきり、横たわっていました。
吐いた様子も無い、苦しんだ様子も無い、出血もない。
ただ静かに横たわっていました。

この姿、私は過去にも見たことがあります。

年老いたノラ君が我が家の軒下を最期の場所に選んで
寒いはずなのに丸まることもなく手足をのばしきって横たわっていました。

飼っていたハムスター達も
最期にはそういった無防備な姿で小さくなってゆきました。


まぜだろう？どうしてだろう？病気だったの？事故だったの？
子供達は疑問をなげかけました。
でも何も答えは見つかりません。
いえ、見つけなくていい、と思いました。

答えがあれば、あの時ああしたらよかったのかも、こうしたらよかったのかも。
優しい子供達なので、そんな答えの出ない後悔、
自問自答して自分を責めて欲しくなかったのです。

「小さい体だからね、生れつき小さかったからね、こういうこともあるんだよ」
「親猫とはぐれて、本当なら寒かったあの日までの命だったものを、みんながこんなに長生きさせてあげたんだよ」
「最期まで幸せだったと思うよ」

すぐに泣いたのは娘達。
最初に見つけた長女は18才、こらえながらホロホロと泣いていました。
末っ子8才は1時間くらい私にしがみついて泣いていました。
次女15才はずっとこらえていたようだけど、おわかれの時にボロボロと涙をこぼしました。

でも、一番泣いたのは長男でした。
6日の日には一粒も涙を見せなかったけど
その日の夜は一睡もできず、朝方に私の元に来て「我慢してたけどムリ」と
20才の息子が声を押し殺しながらオイオイと泣き続けました。

私はまだ、家の中のどこかにいるような、姿は見えないけど
いつものようにお決まりの場所でくつろいでいるいようで
なぜか悲しみがわいてこないのです。

内職で仕事をしているすぐ後ろから「んふう〜〜」という鼻息が聞こえたり
カーテンの中で外を眺めながら伸びをした時のかすかな衣摺れのような音が聞こえたり
子供達の帰りを迎えに玄関にトトトッと走って行く足音が聞こえたり
まだその存在が身近に感じられるのです。

猫トイレも、ご飯の皿も、お水の皿も、お昼寝用のカゴも、今まだそのまま。
きっとまだ黒亮は家にいる、そんな風にすごしています。