昨日の日記と一部重複しますので、ご了承ください。
私は獣医師でも無く、わがままな性格の為、自身で納得の行くところまで調べて、個人的に判断を下している部分が多々ありますので、間違っても鵜呑みにされないようご注意願います。一部の参考例に留めてください。
せんちゃんの治療にあたって、治療の履歴をまとめた物になります。
かなりの長文になります。
保護直後 2015年 8月16日 午後 猛暑と言った天候でしたが多少雲あり
この時は、すでにフラフラで、まともに上体を起こす事もできない状況でした。
捕獲は手掴みで、道具は一切使用していません。捕獲後もぐったりしたままで、このまま死んでしまうと思えるくらいでした。
保護した足で、近くの公園で水道を借りて、飲ませる水と体を冷やす為の水を入手してから、最寄のペットショップに寄り、自宅に不足している用具や、猫ミルクを購入して帰宅。
身体をキレイにしてやる(最低限のノミの除去を含む)のを先決に感じ、シャンプーをしてやりました。
ノミの糞が凄く、真っ赤に染まった水を見て、怪我をしている箇所がないか?思わず確認してしまう状態でした。過去の経験から分かってはいるものの、やっぱりドキッ!としてしまいます。
動物病院の受診は翌日にしました。
保護当時(病院での受診)の状況
推定年齢 7歳以上(10歳前後では?) 体重2300g 極度の脱水症状
全身に疥癬による皮膚炎と脱毛 耳疥癬 歯周病による口内炎 極度の貧血
軽い結膜炎と鼻炎 姿勢を維持する体力無し ノミもあり
翌日の受診にて、マンソン列頭条虫の寄生確認。駆虫剤が強いので、体力回復後の治療に。
血液検査により腎臓機能の低下と貧血を表す数値の極端な状況を確認。
1回目 2015年 8月17日実施結果
血液検査での特筆すべき数値は(8/17→9/1→10/30)次の物です。
獣医師による説明と、自身で書籍やネットで調べた事を織り交ぜての内容ですので、参考見解として留めて頂ければと思います。
RBC 赤血球数 2.64→4.96→5.66M/μl 通常 6.54~12.20M/μl
HCT ヘマトリット値 11.2→21.6→21.8% 通常 30.3~52.3%
HGB ヘモグロビン濃度 3.8→7.5→7.9g/dl 通常 9.8~16.2g/dl
この3つの数値は貧血の度合いを見る数値ですが、平均よりはるかに低い状況です。
2回目の検査の時には、口腔内や肉球の血色が回復してきた状況を確認しています。
体力回復に伴い、数値が上昇しましたのが、2回目から3回目の数値の回復が少ないのが気になります。
原因を考えます。勿論、獣医師さんの診断が基本ですが、自身で理解したいのでいろいろ調べました。
溶血性貧血という病状があり、遺伝的な物や外傷による細菌感染や寄生虫の影響もあるそうです。
簡単にいうと、血が薄く、ずばり貧血を起こしている状況です。
歯周病により、常に口腔内で出血している状況があり、これが要因になっている部分が強く感じられます。
歯磨きや口周りのお手入れで、口臭も減ってはいますが、ちゃんとした歯周病の治療(歯石除去など)をする必要がありそうでした。10月30日に歯科治療しましたので、次の血液検査(次回ワクチン接種)の時に確認したいと思います。
RDW 赤血球容積粒度分布幅 38.4→34.3→27.1% 通常15~27%
この数値は、赤血球の粒の大きさのバラつきを見ています。
解り易く言うと、健康な粒と異常のある粒(破壊されて小さい物や回復の為の大きい網赤血球)との割合になります。
一般的な見解としては、外傷(皮膚炎や口内炎も含む)などの回復時に新しく生成される網赤血球が大きく、数値が上昇するそうです。
反面、破壊される赤血球が多くなっても同様に差が出ますので、他の数値や経過観察によって判断される事となります。
先に挙げた3つの数値と、疥癬や歯周病の状況から推察するとこちらは通常値ギリギリまで戻りましたので、血液そのものの病気である可能性は低くなったという事と思えます。
ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ 1000→36→37U/L 通常 12~130U/L
この数字は肝細胞に含まれる酵素で、肝細胞が破壊されると血液中の放出されるそうです。
1回目の検査で肝機能障害も考えられ、相当心配しましたが、2度目の検査以降通常値でしたので、外傷などの影響による一時的な状況だったのが確認できました。
BUN 尿素窒素 25→48→40mg/dl 16~36mg/dl
CREA クレアチニン 1.0→2.6→3.1mg/dl 0.8~2.4mg/dl
この2つは腎機能を判断する数値だそうです。
猫の場合は、人や犬とは少し違って、老廃物のろ過機能よりも、水分や栄養素の再吸収が重要なようです。
毒素が残っての悪影響も当然あるのでしょうが、再吸収できない水分不足(脱水症状)の方がダメージが大きいという事のようです。
一般的に、多飲多尿の症状が猫の腎機能障害の主症状だといわれるのはこの為のようです。尿検査と併用しての診断で、病状を判断する必要のある項目になるそうです。
尿素窒素(BUN)は、蛋白質の終末代謝の産物である尿素が肝臓で生成され、腎臓から排泄されるのですが、この尿素の量を表すのがこの数値だそうです。
この数値が上昇すると、腎臓のろ過部分に機能障害がり、ろ過排泄できなくなって数値が上昇していると判断されるようです。
個人的な見解ですが、ろ過部分が詰まってしまえば上昇し、逆にろ過機能が無くなってしまっただけなら漏れ出てしまい、数値が減るのでは?と思えてしまいます。人の腎不全はオシッコが少なくなりますが、猫は多くなりますので、正直、素人では理解できない判断材料でした。
せんちゃんの場合は、多飲多尿で、多い時はお水を1日で200ml以上飲んでましたので、再吸収できずの脱水症状から、皮下点滴での対処療法でした。
尿素が多くなれば、尿毒症という症状も出てきますので、腎不全の末期症状になるそうですが、その指標としては、このBUNが重要なのは間違いなさそうです。
クレアチニン(CREA)は筋肉より老廃物として代謝される物質だそうです。この数値には諸説あるようですが、食事の内容や運動量でも変化があるようですので、この数値だけでの腎臓機能の成否の判断はできないのが実情のようです。現に、せんちゃんに関しては上昇傾向にありますが、体力が低下して動けない状況ならば数値が低いのは当然でしょうし、動けるようになれば数値も上がるはずです。食事にクレアチン(クレアチニンの元になる酵素)の含有量は分かりませんので、環境による数値の変化も考慮する必要があるようです。
基本、腎臓を経由して排泄される物質なのは間違いないようで、腎機能の指標の一つになっているそうです。
病院に到着するまでに、オシッコをしてしまうせんちゃんなので、なかなか尿検査ができませんでしたが、4月30日に、ようやく尿検査ができました。
ph6.5 比重1.010 でしたので、オシッコは薄い状態です。多飲多尿は変わらずですので、やはり腎機能の低下は間違いありません。ただ、脱水症状は無いので、点滴を止める事ができている状況です。
食事の制限で対応できる状態であるので安心できましたが、油断はできません。
これから暑くなってきますので、普段の状況の観察は怠れませんね。
毎回200mlの皮下点滴 500ml2パックで5回ワンセット分
皮下点滴(5日間はほぼ毎日)の治療を開始。約半年間続きました。
3日に1回 8月22日より9月15日まで
2日に1度 9月15日より、状況の改善が見られない為に頻度を上げる 11月25日まで
3日に1度 11月25日より、脱水症状が緩和されたので変更 12月20日まで
5日に1回 12月20日より3月末まで
3月末より点滴不要になる。
自宅点滴では、コツを掴むまで大変でしたが、我慢させているせんちゃんの辛さを思うと、上達するしかありませんでした。2ヶ月くらい(20回くらい)でなんとかおとなしく受けてくれるようになりました。
点滴が必要な時は、前日と翌日を比較すると、皮膚のハリや表情の違いがハッキリ分かりました。脱水症状の影響の凄さを思い知らされます。
腎臓の組織は破壊されてしまうと、修復再生はしないそうです。今回の点滴処置では、残っている部分に掛かる負担を減らしてやることで、疲れた組織が回復してくれた状況のようです。
腎不全で点滴が必要になると、もう止められないと思っていましたが、点滴が止められる状態になってくれたので、本当に良かったと思います。これもせんちゃんの生命力の強さなのでしょうね。
疥癬の治療は注射(2回)のみ。治療完了まで他の猫とは完全隔離。自宅での補助治療として人間用のフェイスブラシを使用して、瘡蓋や垢を取り除いてやりました。1日2回のブラッシングと日光浴で、約1ヶ月半(9月末)で外見上は普通になった状況です。回復の早さは、換毛期と重なった事もあったと思われます。
8月22日には、私の不注意で痛んだ餌を食べさせてしまい、食中りにさせてしまいました。体重が2140gまで落ちてしまい、医療事故になってしまう一大事です。
このまま死んでしまったらどうしよう(ToT) とオロオロしてしてしまいました。
缶のご飯の残りを片付け忘れた為、鼻の調子の悪かったせんは食べてしまいます。翌日の23日の朝から便が緩くなってしまい、夕方の3回目の排便では煮こごり状態になってしまいました。それ以降26日まで排便無しの状態が続き、勿論食欲不振で胃が空だったせいもあると思いますが、23日の晩と24日の朝の投薬も吐き戻してしまいました。
幸いにも薬が効いてくれて、その後は完治しています。体力が落ちている時の食中りは致命的ですので、本当に注意していなければいけません。深く反省する材料となりました。
10月30日には、歯周病の治療と歯石除去を行っています。
最初は可能ならば避妊手術と平行で施術される予定でしたが、開腹してみたところ、避妊処置済みだったとの事で、そのまま閉腹して歯科処置に移行してもらっています。
全身麻酔の負担を考慮しながら治療して頂きました。全身麻酔に対するリスクは、体力と腎臓にかかってくるそうですので、獣医師の判断に委ねることになりました。素人では分かりませんし、現場を見れる訳ではないので当然ですね。ただ、行きつけの獣医さんでは画像のような資料を作って頂けるので信頼しています。
口の中が良くなってから食欲も上がっています。口臭もかなり少なくなりました。
ですが、食事が上手な方ではないので、食後の口の周りは食べかすだらけになります(T_T)
1日2回を目安に、お口のケア(歯磨きジェルと口周りの掃除)の必要がある状況です。
目ヤニも溜まり易いので、ブラッシングも含めたケア時間は1回につき20分くらいですね。
通院治療などの履歴 2015年 8月17日~2016年 6月 6日
8月16日 保護 シャンプーで清潔にし、給餌してやる。
8月17日 通院 体重2300g点滴200ml 他治療
鼻炎と結膜炎の治療として、ビブラマイシン(抗生剤)投与開始
目薬 エコリシンも点眼
8月18日 通院 体重2600g点滴200ml 他治療
貧血の処方として、フィログラデュメット(造血剤)投与開始
8月19日 通院 体重2680g点滴200ml
8月20日 病院定休の為通院無し
8月21日 通院 体重2540g点滴200ml 少し脱水気味
8月22日 通院 体重2580g 診察のみ 点滴は3日に1度に投与
8月23日 自己都合で通院せず。
8月24日 通院 食中りさせてしまう。食欲不振と酷い下痢
体重2140g点滴200ml ディアバスター錠投与 薬の吐き戻し
療養食として、f-i/dを与えるが当日は食べられなかった。
8月25日 通院 体重2260g点滴200ml 疥癬治療の2度目の注射。
8月26日 迷い猫マイケルの捕獲準備の為通院無し。 ビブラマイシン投与終了。
8月27日 病院定休の為通院無し。 フィログラデュメット投与終了。
食中りの療養食f-i/d缶を3缶完食。食欲も回復してきている。
8月28日 通院 体重2340g 点滴 200ml
体力も回復してきたので、マンソン列頭条虫の駆虫剤を注射。
8月29日 通院無し
8月30日 通院 点滴200ml 状態は安定
8月31日 通院無し 状態は安定
9月 1日 通院 点滴200ml 自宅でできるように、自身で点滴針を刺した。
2度目の血液検査 数値は思わしく無いが、多少の回復は見られる。
貧血は多少マシに、肝機能も回復傾向だが、腎機能に障害がありそうである。
食事もカナンの腎臓サポート食(ドライ)にブレンドしたものに変更した。
9月 4日 このより、自宅での皮下点滴を開始。
9月15日 7種混合ワクチンの接種 アレルギー反応無し 体重2440g
目ヤニが改善されないので、こちらからの要望で点眼液を処方してもらう。
ジクロード(非ステロイド系抗生剤)を点眼。
9月25日 体重2600g
10月5・14・24日 通院 点滴用具一式の定期購入と経過確認健診
10月30日 避妊手術で開腹するも避妊処置済みだったので、そのまま歯石の除去処置をしてもらう。
下あご門歯抜歯。体重2900g
3度目の血液検査にて腎臓機能も通常生活ができる範囲内なのを確認。貧血は少し改善。
目ヤニが酷かったがこの時に処方された化膿止め(ペニシリン系)の錠剤で一時期改善。
11月 4日 通院 点滴用具一式の定期購入
11月15日 この日より、点眼薬ヒアレイン(ヒアルロンサン系)を処方してもらう。
目ヤニと鼻炎気味の状態が良くならない為、獣医さんの見解を押し切っての処方希望。
療養食としてヒルズの腎臓サポート食を与えはじめる。
11月25日 獣医さんの勧めで、点滴を中止してみるが、1週間経過頃に嘔吐をして食欲不振になる。
軽い脱水症状も見られた為、5日に1度の皮下点滴を続行する。
制吐剤のセレニア錠の処方あり。
12月 6日 通院 点滴用具一式の定期購入と経過確認健診 体重3100g
12月20日 通院 目薬(抗生剤タイプトブラシン)を処方してもらう。年始分の点滴購入。
翌年2月1・26日 通院 点滴用具一式の定期購入と経過確認健診
3月27日 通院 再度点眼薬トブラシンを処方してもらう。点滴中断以後不要。
4月30日 尿検査 尿比重は低めで、1.010 。点滴中断に問題無し。療養食の継続は必要。
5月 7日 通院 目ヤニの治療で、ペニシリン系のアモキクリア錠剤を処方してもらう。
2週間の投与で、鼻炎と目ヤニが完治する。点眼薬もトブラシンを併用した。
6月 6日 通院 経過に問題無し、通院の必要から解放される。体重3400g 平均体重になる。
という経過を辿っています。一部詳細は、過去の日記を辿って頂ければ見られますので、興味のある方はご覧ください。
約9ヶ月の治療期間でしたが、初めての経験でもあり、自身の体調不良も重なり、大変な状況でした。
やはり、食事などを含め、予防を考慮した生活が重要なのは、人も猫も同じですね。
野良の生活を強いられる猫達の寿命が短くなってしまうのも必然なのでしょう。
せんちゃんは幸いにも、ウイルスなどの感染症が無かったので、幸運な保護猫だったのだと思います。
私の感覚では時期早くして老猫の介護が経験できるのはありがたく思いますね。自身の年齢を考えると、チビが20年生きたら、私は66歳ですので、体力的にギリギリラインかと思います(ToT)ので、コツが分かれば負担も軽くなると思っています。
あっては困ってしまいますが、次にこんな仔を保護する事になってしまったら、この経験がまた活かされるように、記録として残しておきたいと思い、日記にまとめてみました。
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