昔話です。
実は、ももは2代目で、先代がいました。
その話をちょっと。
まだ私が高校生だった35年くらい前のこと、
部活の先輩に、
「ねぇ、あなたのウチ、猫いる?」
「いえ、いません」
「じゃあ、飼いなよ。ウチで仔猫生まれたから」
「えぇ????」
と、いつのまにか猫を飼うことになりました。
それは茶白のくつした猫ちゃん。
カワイイ女の子でした。
その仔猫を「ニャンちゃん」と名付けました。
(なんと安易な名づけ方!)
その頃はまだ「完全室内飼い」なんて概念は
ウチの周りにはありませんでした。
都会のマンションとかだったら、あったのかな?
まあ、半田舎くらいの新興住宅地だったので、
みんなどこも出入り自由な飼い方でしたね。
(実は今でも実家の隣の家は、猫を出入り自由で飼っています・・・。)
で、自然の摂理でニャンちゃんは妊娠し、
カワイイ2匹のコを生みました。
お母さんそっくりの茶白のコと茶トラのコ。
可愛くて可愛くて、毎日学校から帰ってきて、
成長をみるのが楽しみだったんです。
ところが、ある日、学校から帰ってくると、
仔猫もニャンちゃんもいない!!!!!
え????どこ????どこ行ったの?????
母に聞いたら、
「生まれた仔猫をいつもウチに来るクリーニング屋さんが欲しいっていうから
車に乗せて連れて行ったら、その車を追いかけてニャンちゃんもいなくなった」
え・・・・・・・・
なにそれ!?!?!?
探し回ったけど、みつけられなかった。
せめて仔猫を返して欲しいって母に迫ったけど、
受け入れてもらえなかった。
たぶん、あげたんじゃなくて
処分を頼んだんじゃないか、ってその時思った。
うっすらと。
あの母だったら、あり得る。
実はもっと小さい小学校低学年の頃、
町にできたスーパーマーケットの開店記念で
ひよこを配っていました。
今だったら考えられないけどね。
命が景品なんて。
でもその頃はありました。
で、ひよこを2匹もらって来たら、
どんどん大きくなり、もちろんメスではないので卵は産まず、
でも、父が庭に作ってくれた鶏小屋ですくすく育っていました。
でもね、いつの日か学校から帰ってきたら
鶏小屋はカラになっていて・・・。
母が「鶏肉屋に引き取ってもらった」と・・・。
ということがあったのです・・・。
ニャンちゃんと仔猫たちがいなくなった後は、
は悲しくて悲しくて、
寂しくて寂しくて、
守ってあげられなかったことが悔しくて悔しくて・・・・。
そんな毎日の中、
ある日、高校の校庭に1匹の仔猫が迷い込んできた。
それがね、ニャンちゃんにそっくりの茶白の
くつした猫の男の子!
生まれ変わったんだと思った。
ニャンちゃんか仔猫が私のところに戻ってきてくれたんだと思った。
ゼッタイゼッタイこのコを私が飼う!って思って、
でもまだ授業があったから、
授業中も机の上に乗せてた。
なぜか、先生も何も言わなかったし、
猫もおとなしく授業が終わるのを机の上で待っててくれた。
家に連れて帰ったら、母が
「こんなノミだらけの猫は家に入れちゃダメ!」って。
ペットショップなんて家の近所にそうそうない時代、
なんでも屋みたいな雑貨屋を何軒も回って、
やっとペット用のシャンプーをみつけて買って帰り、
ウチのコになったのが、初代「もも」でした。
ピンク色の鼻がすんごく可愛かったの。
なので桃色のもも。
その頃はまだ去勢とか避妊とか、ゼッタイっていう時代でもなく、
我が家も母が「女の子はしなくちゃいけないけど、
男の子はしなくても大丈夫」と言って
去勢を認めてくれなかった。
私自身もそんなに猫に対する知識があったわけでもなく、
「ねこのきもち」みたいな猫の飼い方を教えてくれる雑誌もなく、
インターネットもなく、そんなもんか、と思うしかなかった。
なので、サカリの時期になると、1~2日帰ってこなかったり、
傷だらけで帰ってきたりしたこともあったな。
無知でごめんね・・・。
スプレー行動でおしっこかけたりして、
怒ったこともあった。
ちゃんとしてあげなくて、ごめんね・・・。
でも、いつも一緒に寝たり、
こたつで暖まったり、
具合が悪くなると、隣町の動物病院まで連れて行ったり、
私なりに一生懸命育ててたつもり。
そのうちに、私が結婚妊娠、
ももは実家で母とともに、
私は舅姑、小姑たちと同居の隣町へ。
しょっちゅう帰ってましたけどね。
でも、お産で私が帰ったり子供が産まれると、
「赤ちゃんと猫はいっしょにいさせちゃいけない。
猫はミルクの匂いで赤ちゃんをひっかく。
爪がするどいから、傷が深くて残る。
女の子は特に顔なんかに傷つけたら困る」と、
ももは家に入れてもらえなくなったのです。
今だったら「そんなことない!」って言えたけど、
その時は、そうなのか・・・と思って母に逆らえなかった。
ごめんね。
家に入りたかったよね・・・。
ニャンちゃんも、ももも、
ゴハンはキャットフード+だしを取った後の煮干し。
母が社員食堂の仕事をしていたので、
大量の味噌汁をつくるので、
大量の煮干しがあったのです。
今、本を見ると、だしを取った後でも
そんなにたくさんの煮干しをあげちゃダメ、って書いてある・・・。
知らなかった・・・その頃。
ごめんね。
ももは、私がいないとき、庭の石の上で亡くなっていたらしい。
母と夫で家の前の川岸に埋めた、らしい。
見せてもらえなかった。
母なりの思いやりだったんだろう、と今なら思える。
ひとりで初めて飼った朔太郎。
まだまだ十分なことをしてあげられたとは思えないけど、
でも、もものことを思うと、
あの頃はなんて無知だったんだろう、って、
朔太郎のことで猫のことを知るたびに、
昔の自分を責めてた。
なので、朔太郎がいなくなった後、
もしまた猫を飼うんだったら、
そしてその猫の鼻が可愛いピンクだったら、
もう一度「もも」の名前をつけて、
今度こそ自分で最後まで可愛がってあげよう、って思ってた。
で、姓名判断をみると、
私の苗字+もも は、とてもいい運勢。
(朔太郎もスゴク良かったけどね)
だから、今回兄妹を引き受けるって思ったときに、
もうひとりはどうしようって、
色つながりや果物つながりでもう一つの名前を探した。
そうしたら、果物つながりで「ゆず」もすごくいい。
で、それに決めた。
ゆずはスケートの羽生クンみたいだから男の子、
なのでももは女のコに。
ふたりとも、
サクの分も、初代ももの分も、
ニャンちゃんの分も仔猫たちの分も、
全部全部合わせて長生きしてね。
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