難しい - ルーシー＠マシェリさんの猫日記

難しい

2016年12月1日(木) 339 / 7

時々、こんな夢もうやめようかなと思う。今もそうだ。

私は決してお金持ちのご令嬢でもなければ、セレブでもない。少しでも節約をして、安心してくらしていけるように環境をととのえてあげるのがやっとだ。
　
周りはもちろん、お金持ちしかいない。獣医ドリトルみたいなやつなんて誰もいない。親が獣医師・会社の役員・大学教授・・・。
そんな人たちは当たり前のように飲みサーで親のお金使って、血統書つきの猫・犬を親に与えられたマンションで飼う。

別にそれが悪いとは思わないし、恵まれた子なんだなとしか感じない。
でも、こんな人間ばかりしかいないと、どこか自分の感覚がおかしくなってしまうのではないかと怖くなる。

よく「好きならならないほうがいい」という言葉を聴くけれど、本当にそのとおりだ。愛護のためにこの道を選んだけれど、助けるためにはお金がほしい。だってお金がなきゃ保護したって救うことすらままならない。幸せになんかしてあげられない。

しかもそのために使う資金を準備するためにはまず奨学金を返済しなくてはならない。そのためには？動物病院・大学病院で修行しなくちゃいけない。1200万なんて大金、若手獣医師の腕じゃ返すのに20年はかかる。そのころ私は40を過ぎている。
そしてそこからさらにもっと莫大な借金をして開業すれば、診療を始めてしまえば余計その子のために使える時間は減っていく。

20年の年月で救える命と、私が20年で作れる資金。どちらが重いかと問われれば、きっと私は前者しか選べない。

みんなは私の話を聞いて「40からだって遅くないよ」とか、「国家資格を棒に振るの？」なんて返してくる。
でも私は20年の間に小さな、けれど愛すべき命を見過ごすくらいなら、肩書きなんてどうでもいいからその命を救う道を選ぶべきだと思う。本当に「愛護」の名の下に獣医師を目指したのであるなら。

動物医療はすばらしい。自らの手でより確実に命を助けることができるかもしれないから。でも、その過程に少しでも犠牲が出てしまうのであれば、私はやっぱりこの道をやめるべきなんだろうか。

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