
冬の起床時間はだいたい7時。
田舎なので、7時に町内放送でチャイムが鳴る。
その音に釣られて、ナミが雄叫びを上げる。
それが我が家のはじまりだ。
そしてレプン姐さんが寝室に現れる。
彼女は何も言わず、私の枕元へ。

ゴハンやおやつを前にしないと、ほとんど何も言わない彼女。
それでもいつの間にか長いつきあいになっていて、
アイコンタクトだけで、彼女の言いたいことが、
今はほとんど分かってしまう。
勘と経験と思い込み。
いわゆるKKOかもしれないけれど、
あながち彼女の期待に沿えないことがないことを考えれば、
これが以心伝心ってやつなんだろう。

ときどき散歩させてる庭で、少し気にかかることがあると、
彼女はそそくさと私の背中に逃げてくる。
「大丈夫だよ姐さん」
覚えず微笑む私は、そんな彼女の信頼が嬉しい。

もしも彼女がニンゲンなら、
きっと色んなことが話せるんだろう。
けれども、彼女が猫族だから、
お互いに素直になれるのかもね。

朝、私の顔を覗き込むレプン姐さん。
私はその鼻に指を突き当て、おはようの挨拶。
彼女は眼を細めて、その指を押し返す。
言葉以上に伝わるもんだ。
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