冒頭の挨拶がいつもうざい
コイン坊っちゃまの
召使いでございます...
いやはや...毎回毎回
すみません...
読んでいただいている限りは
なんとか我慢していただくか...
「うざいものは視界に入れない」
というのも
選択肢の1つであることを
お忘れなく...
そうそう..
「うざい」で思い出しました...
以前の職場で
「人間関係が全くうまくいかない」
という20代後半の後輩女性がいた...
後々、発覚したことだったが
彼女は「アスペルガー症候群」
だと言われていた...
本人に確認もしていないし
証拠も無かったが
職場の人間はみんな
そう判断していた...
正直、私も今思えば
彼女はそうだったのかなと
認めざるを得ないことが
多々あった...
本人は全く悪気がないのに
カチンとくる発言をし
職場の人間を何人も怒らせていた...
可愛がられる術(すべ)を知らず
なんとなくいつも一人ぼっちだった...
しかし別に
仕事ができないわけでもなく
大変真面目だった...
ただ...
小学校の男の子かと思うほど
字が汚かったり
体が小柄すぎて
普通の女性が持てるものを
持てなかったり
何百枚もある書類を
パンチで2つ穴を
あけなければならない作業に
半分に折って
真ん中を決めることなく
すべて目分量でパンチをあて
全部バラバラの位置に
穴をあけた経緯があり
その時は
5年に1度くらいしか怒らない
さすがの私も
本気で怒ってしまった...
それでも
他の人々よりも
かなり面倒を見ていたため
彼女なりに私に相談を
持ちかけてきた...
「なぜみんなは私に対してだけ
対応がキツイのか」
「明らかに同じことをしても
他の人は怒られないのに
私だけが怒られる」など...
容姿も地味で
顔の表情が感じられないため
彼女がどんな本心なのか
把握できなかった...
職場では
そんな状態だったため
1人ぼっちだったが
1人では何も解決できないため
常に私に頼っている状態が
周囲をさらにイラつかせている
要因となっていた...
周りからは
「結局、あいつは
沙世さんに頼っているようで
自分では何1つ解決できないから
沙世さんなら何とかしてくれるだろうと思って
丸投げしてるだけだよ
要するにあんたはナメられているんだ」
と
解決を手伝う私まで
イラつかれていたような記憶がある...
ナメられるのは
子供からも
動物からも慣れているので
別に何を言われようが
どうでも良かった...
ある日
彼女と昼食を一緒に食べることになり
めずらしく彼女が
仕事以外のことを話し始めた...
自分は水にこだわりがあり
軟水やら硬水やらの
ウンチクだったり...
中国人や黒人との
SNSにハマっていたり...
海鮮系がすべて食べれないことや
ラーメンもご飯も嫌いだから
パスタかハンバーガーがいい...
今度、あの行事に参加する際
1人になってしまうので
車に一緒に乗せてってほしい...
など
少し普通の感覚とはズレていたり
「あれはやだ、これはやだ」と
やたらと許容範囲が狭かったり
先輩や上司に気を使うことなく
これが嫌だからこうしてくれ
と要求がやたらと大きかったり...
あげくの果ては
「あれはうざい、これもうざい」...
普段職場の人間と
ろくに会話もしない
彼女だっただけに
まるでうっぷんを
晴らすかのようだった...
「うざいのはむしろ
こっちですが...」
と思ったが
今この瞬間こそ
彼女は押し殺していたものを
発散してくれているのだろうと思い
うなずいて聞いていた...
そこで思ったのだ...
誰一人
彼女に対してしつこくしたりなどの
うざい行為などしていない...
彼女は押し殺してきたと同時に
自分の気持ちを発散する場所もなく
自分のことしか話さないし
他人に興味をいだかない...
それが本当に
アスペルガーの症状だとしたら
自分の何が問題なのかを
考えることもなく
うまくいかない人間関係を
「うざい」でごまかすしか
なかったのかもしれない...
「うざいうざい」って...
使い方まちがってるよな...
職場の誰一人とも
必要最低限の接点しか
持っていなかっただろうに...
何がうざいのか...
誰からも好かれなかったり
誰からも認められなかったり
満たされない思いや
気に入らない気持ちを「うざい」に
変換して片付けてしまうのは
たやすい...
そんなこんなで
私が会社を去った1ヶ月後
1通の手紙が届いた...
メールで送ってくれればいいものを
小学校低学年の男の子のような
下手な手書き文字で
便せん3枚にわたり長々と...
私への感謝の気持ちや
今は誰も話を
聞いてくれる人がいないこと...
どれだけ人に迷惑をかけ
どれだけ空気が読めないのか...
人とうまくやっていけない自分を
考えても
やっぱりよくわからないでいること...
あんな...
顔に表情のなかった彼女の
汚い文字から
今までの辛さや私への感謝の念
私がいなくなったことへの
寂しさ....
そんな感情が伝わってきた...
私は彼女が
心の病気なのか
アスペルガーなのかは
正直どうでもいいのだ...
きっといつか
本当に好きな人でもできて
苦しいくらいの恋をしたり
この人のために、と
尽くしたり
少しでも他人というものに
関心をいだくことができたら
自分を理解してくれる人も
現れるだろうし
すべては解決すると思っている...
そして最後に私からは
彼女にメールを送った...
あの時...
書類の穴あけの件は
本当にあっけにとられて
頭に血がのぼって
本気で怒ってしまった...
ごめんね...
と...
恐らく
人から謝られたことなんて
なかったであろう彼女の
これからの道は
厳しいかもしれないけど
「生きる死ぬ」を考えるのなら
そんなことはきっと
ちっぽけなことなのだろう...
これもまた
いつか逢えたらいいなと思うが...
逢うことはないだろう...
またボクの出番にゃい
...の図
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