大変ご無沙汰しております。m(__)m
この日記は私自身の記録であり、また、猫の靭帯断裂は非常に珍しく、前例も極めて少ないことから、今後、靭帯断裂を経験された飼い主様の参考にしていただければと思います。
以下、長文になります。
メイの歩き方の異変に気がついたのは、2017年4月17日の月曜の朝のことでした。
15、16日の土日は娘の友達が数人、我が家に一泊で泊まりにきていて、私はお客さまを迎える用意や帰った後の後片付けに追われていました。
17日の朝、ホッとしながらいつものように台所で茶碗洗いをしていると、メイが二階からトコトコと降りてくる音がして、私に近寄ってきました。
その時の後ろ足の動きがおかしかったのです。
左足ばかりついて、右足をつかないようにした歩き方でした。
「メイ、足どうしたの?」
私の問いには答えず、メイは二階に左後ろ足だけでケンケンしながら階段を、上がっていきました。
どうやら右後ろ足を庇っているようでした。
メイは以前にも娘のベッドから落ちて前足を打ったことがありましたが、その時は二、三日で治ったので、ちょっと打っただけなのかなと、最初は様子を見ていましたが、治らないので翌日動物病院に連れて行きました。
けれどもそこで、獣医さんがメイの足を触診した直後、驚いて言われた言葉に、私は耳を疑ったのです。
「メイちゃん、靭帯切れてますよ!
相当痛かったと思いますよ。
何か思いあたることはありますか?」
私は咄嗟にメイが前日、キャットタワーに登っていたことを思い出しました。
メイは普段、二階の娘の部屋で暮らしているのですが、娘の友達が泊まりにきていたため、娘の部屋にいられなくなり、仕方なくキャットタワーのある一階に降りてきていて、普段、滅多に登らないタワーに登っていたのです。
まさか、タワーの登り降りで切ったのだろうか…。
先生の話は続きました。
「犬の靭帯断裂はよくあるんですよ。靭帯の代わりに、人工の糸で骨と骨をつなぐ手術もあります。
でも猫は.......
僕も初めでです!
猫は今まで、二例しかないんです。
(その二例が奈良県内でなのか、近畿圏内でなのか先生から説明はありませんでした)
そう言えば、誰かが猫は放っておけと言っていたな…。
僕も視野を広めてみます。
いろいろ、問い合わせてみます。
とりあえず、なるべく歩かさないように、サークルにいれてください。二段ケージ等、高さがあってよじ登る可能性があるものはダメです。
場合によっては、大学病院の先生を紹介しますよ。」
とのことでした。
猫の膝の骨は、上が大腿骨で下が下腿骨ですが、靭帯が切れてしまうと、足に体重がかった時に、下腿骨が前にずれるそうです。
そうなると、かなり高い確率で関節炎を引き起こすそうです。(獣医さんの説明ですが、聞き間違いがあったらすみません。)
この日、病院でメイの体重を計ったら5.7キロでした。ピーク時は6.1キロありましたが、5.7キロでも、まだまだ太りすぎなので、フードをダイエットフードに変えて、体重を軽くして足に負担をかけないようにと獣医さんに言われました。
それから、
手術をするしないに関わらず、靭帯が切れると関節炎が進むため、今後は、関節炎に対応したサプリメント二種類を、終生、毎日飲ませ続けていくようにと指導されました。
(以後、サプリメントは動物病院で定期的に購入して、ずっと飲ませています。)
サプリメント名
*コセクイン プロフェッショナル(コンドロイチン配合)
*アンチノール(鎮痛サプリメント)
等の説明を受けて、次回は二週間後に診察を受けるように言われ、鎮痛剤や消炎剤の飲み薬もいただいて、この日は帰宅しました。
私は大ショックを受けながらも、
帰宅するとすぐに、近くのホームセンターにサークルを買いに行きました。
メイは初めてのサークル暮らしに抵抗して、サークル内のトイレの砂を巻き散らかしましたが、割りと早く諦めて、サークル暮らしを受け入れてくれました。
サークルの掃除をするときに入ってもらおうと、中型犬用の携帯用ケージも後で買い足しました。
私は、落ち込むだけ落ち込みました。
手術で足にメスをいれるなんて、怖い…。
避妊手術はしてるけど、足の手術なんて…。
それに、
もし遠くの病院で手術するなら、車の運転が苦手な私が、メイを連れていける自信はありませんでした。
保存療法でなんとかならないのだろうか…。
ネットで調べると、
猫の靭帯は一度切れてしまうと再生しないとのこと。
猫の靭帯断裂の手術費用は20万を越えると書いてあり、卒倒しそうになりました。(^^;
それから数日後、動物病院の先生と電話で話す機会があり、先生が二人の整形外科医に問合せたところ、猫の手術は可能ですと解答をもらったとのことでした。
けれども、高額の医療費のこともあり、命に関わることではないので、手術をしない選択をする飼い主さんもいるので考えて決めてくださいとのこと。
先生のお話では、
靭帯が切れても、骨の回りの繊維質がぴったりとくっつけば、以前と同じ様に歩けるそうです。
保存療法という選択もできるが、保存療法でも、包帯等で足を固定し、手術した時と同様、エリザベスカラーをつけなくてはならないとのこと。
メイの場合は、部分断裂ではなく、完全に断裂しており、保存療法をとっても、必ず以前のように歩けるかどうかはわからない。保存療法で骨の回りに癒着や空洞ができた場合、歩き方がおかしくなる可能性があること。
右足の歩き方がおかしくなると、今度は左足に負担がかかってくるそうです。
メイは靭帯が切れてからというもの、よく右後ろ足を投げ出すポーズをとるようになりました。
私はそれを見る度に胸が痛みました。
私がもっと体重管理をしていれば、こんなことにならなかったのでは…と自分を責めて落ち込みました。
家事の合間に、私は「猫の靭帯断裂」という項目で検索しまくりましたが、出てきたのは手術を行った動物病院のブログが2、3件しかありませんでした。
私はとにかく、これを経験された飼い主様の声が聞きたかったのです。
すると、あるお一人の飼い主様のブログを見つけました。
偶然にもその方も同じメインクーンの飼い主様でした。
そのブログは、靭帯断裂を経験された飼い主様ご自身も辛い状況であるにも関わらず、今後、同じ経験をされた飼い主様の参考になればと、手術を受けた猫ちゃんの状態や、ご自身の心情、医療費に至るまで、実に細かく丁寧に書かれており、私は拝見していて涙が止まらなくなりました。
なんて、愛が深く、優しい方なんだろう…。
なんて人として、器の大きい方なんだろう…。
この方のおっしゃる通り、メイのこれからの人生(猫生)はまだまだ長い…。
元のように歩けるようにしてやりたい。
私が手術を決心することができたのは、その飼い主様のブログを拝見することができたからだと思っています。
私はその方を心から尊敬し、感謝しています。
子供たちに、
「先生から、メイの手術はできるって連絡いただいたんだけど」
と話すと、社会人になったばかりの娘が
「元のように歩けるようになるんなら、メイに手術してあげて!
うち(私)の初任給は全部使っていいから!」
と言ってくれました。
息子も、「僕の貯金を下ろすから、メイに手術してあげて。それでメイが歩けるようになるのなら、お金は惜しくないから。」
と言ってくれました。
子供たちの気持ちが、嬉しかったです。
初診から二週間後の5月2日、再び動物病院に行き、手術することが一番メイにとっていい方法なら、手術してほしいと先生に伝えました。
手術はかかりつけの動物病院でやってくれることになりました。
その際、
猫の手術自体は問題はないが、術後は犬よりもかなり注意した生活を送るようにと先生から説明を受けました。
高いところに飛び乗ったり、手術した足で強く猫キックすると、丈夫な糸を使っているが切れる可能性があるそうです。
この日は、手術前検査も受けました。
心電図やレントゲン、血液検査等やりましたが、メイは血液検査でひっかかってしまいました。
先生が「12因子の欠損」という言葉を使って説明してくれたのですが、血液が固まらない、血栓ができる、異常な数値と言われ、日を改めて再検査を受けることになりました。
再検査は前日夜10時から絶食し、かかりつけの動物病院で血液を採取後、大学病院に血液を速達で郵送する外注検査でしたが、この検査が通るまで日数がかかったのと、病院の手術の予約がいっぱいだったこともあり、メイの手術は結局、6月2日に行われました。
手術は靭帯に代わる人工の糸を大腿骨に引っかけて下腿骨に穴をあけて糸を通してつなげるもので、これを数ヵ所やり、
糸をつなげることで下腿骨が前にずれることを防ぐそうです。
この糸は永久的なものではなく、溶けてなくなるそうで、骨の回りの繊維質がつくまでの補助となるそうです。
メイは一泊入院して点滴をしてもらい、6月3日の午後一時に迎えに行きました。
その際、痛みで、今までにない辛そうな顔をして、かわいそうでした。
病院で術部に包帯を巻いてくれたらしいのですが、オシッコをもらして包帯を濡らしてしまい、取ったと説明を受けました。
オシッコの匂いは数日とれませんでしたが、その日以来、二週間、エリザベスカラーをつけて取り外しせずに生活しました。
6月1日の夜から絶食していたので、すごくお腹をすかせていて、ガツガツと手からご飯を食べて水を飲んでいました。
↑
上が6月3日、下が6月10日に撮影した写真です。術後一週間でかなり腫れが引きました。
お腹がちょっと恥ずかしいですね(^^;
術部は足でしたが、お腹の毛玉が結構あったので、病院で広範囲に毛を剃ってくれました。
↑病院の指示で、エリザベスカラーはボタンの他にガムテープで外れないように固定しました。娘が抱っこしています。
↑6月3日に病院から帰宅した時に、サークルでのエリザベスカラー生活があまりにも窮屈でかわいそうだったので、同じサークルをもうひとつ買ってきて、入口の扉をとって合体させて使うことにしました。
現在は毛もかなり生えてきて、最初は歩きにくそうでしたが、歩き方もしっかりしてきました。
手術から、約一週間後の6月10日、抜糸しました。
この時、体重は100グラム減って5.6キロになっていました。
術後、二週間はサークルから出さないようにとのこと。
二週間を過ぎたら、段差のない平面での歩行は可能。
平面での運動を徐々に増やし、術後二ヶ月から階段の昇り降り、高いところに飛び乗る上下運動はOK だそうです。
けれども、先生のお話によると、猫は前例が少ないからなんともいえないが、犬の場合は右足の靭帯が切れたら左足も切れるケースが多いそうです。
今回、私はキャットタワーで切れたと思っていたのですが、それが原因とも言い切れないと先生に言われました。
普通に歩いていても切れることもあるそうです。
脆くなっていたり、体重のこともありますが、様々な要因が重なって切れることが多いそうです。
最後に、今回かかった医療費についてですが、
初診4月19日
触診、診察料 1200円
薬代 1800円 税込3240円
5月2日
診察料 500円
血液、生化学検査 7300円
血液、生化学検査 3000円
レントゲン検査 4500円 計15300円
税込16524円
5月9日
大学病院による外注検査(血液の再検査)
25500円 税込27540円
6月3日
静脈留置処置 1000円
全身麻酔 8000円
手術料 41000円
注射料 4000円
内用薬 1750円
入院預かり料 2000円
エリザベスカラー代1000円
小計57750円 税込62370円
6月10日
抜糸処置料 500円
内用薬 1400円
小計1900円 税込2052円
全部で 111726円でした。
病院が良心的な値段でやってくれるところなので助かりました。
メイは私の言い聞かせた言葉を理解してくれて、サークル暮らしも受け入れてくれて、本当にいい子でした。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m
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