少し自宅療養を行い、ほぼ20日ぶりに出勤した。
ほどなくセンパイがやってきて、
いつも通りの日常が繰り返される。
センパイは毎朝、それから、
私が外出して帰ってくると、玄関前の道路にいることが多い。
私の車やバイクの音を覚えているのだ。

先日、出勤すると事務所前で隣の家のYさんと
センパイがいた。
Yさんは私の退院を喜んでくれる。
そして、
「ルル(センパイのYさん家での名前)は毎朝、
玄関前に座って、君の帰ってくるのをずっと待ってたぞ」
と言った。
彼女は、
毎日何度も、私が事務所にいるとやって来て、
やれゴハンが欲しいだの、相手しろだの、
Yさん家の扉が閉まってるから開けろだのと、
まるで奴隷のように私をこき使う(笑)。
だから、
Yさんのその言葉は、大げさなものでもないのかもしれない。
私は、気難しい性格で、
臆病であまり他人を信用しないから、
ほとんど友達がいない。
それを寂しいなんて思ったこともない。
そんな私にも、こんな風な友達ができるものだ。
センパイはなぜか私を気に入ってくれている。
その偽りのない気持ちと態度が、気恥ずかしいほど嬉しい。
40歳を超えて、こんな風な気持ちになるとは思わなかった。

本日も夕方、何をするでもなくセンパイは、
事務所でゴロゴロ。
「そろそろ帰りますよ」
そう言うと、面倒臭そうに立ち上がって、一緒に退社する。
慣れて、今じゃ普通に感じてしまうけれど、
やっぱり妙な関係性。
気ままな私たちは、きっとどこかでウマが合ってるんだろう。
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