こびやん

千葉県 50代 女性 ブロック ミュート

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視点の違い
2017年8月8日(火) 508 / 10

里親になりたい人と里親募集をしている人、根本的な考え方の違いというか譲渡側の思う常識と里親側の思う常識に大きな差があるなぁと里親候補様とやりとりをして思いました。

愚痴になりますので、愚痴と長い文章が苦手な方は回避してください。

※この日記に書く譲渡までの流れ(実際は譲渡に至りませんでしたが)や考え方はあくまで私個人のやり方であり、他の保護主さまや募集主さまが同じようなやり方、考え方をしているわけではありません。




先日の里親候補の方は友人のお母様の同僚のご友人でした(分かりにくいですね💧)

子猫をほしがっている人がいるという話を聞いていたのですが、それからしばらく後に元同僚から「子猫を保護したんだけど里親になってくれそうな人はいないかな」という連絡があり、私が代理として子猫を預かりお相手の家庭環境や飼育経験を聞いたりお見合いの日程を組んだりすることになりました。

まず友人から聞いてもらったお相手の情報で少し迷いました。
・共働き(19時帰宅)
・猫の飼育経験なし(ご夫婦共に犬の飼育経験のみあり)
・お子さま4人(中3、小3、小1、保育園児)

保護した子猫は保護当時生後約2ヶ月。離乳はしていますがまだまだ手がかかる月齢です。
また、遊びたい盛りのこの時期に夜までひとりぼっちというのは酷です。
お子さんは夕方には帰宅しますが、脱走や外に連れだしてしまう危険性を考えると慣れるまでの間は大人の目の届かないところで子猫を幼いお子さんに任せるわけにはいきません。
子猫は昼間ほとんど寝ているとはいえ、起きている時間もあるのにケージでのお留守番はかわいそうにも思いました。

それでも知り合い繋がりであるということを考慮して、またお電話でお話しした時に脱走防止のためにリビング内のみでの飼育、ケージの使用、ドア開閉時の注意など熱心に取り組んでくださるようでしたので、お見合いまで進めることにしました。

お見合いにはご本人であるOさん、小3のお子さん、間に入ってくださったMさん、私の友人I子とI子のお母様であるKさんの5名がいらっしゃいました。
お子さんが多いのでご家族全員来ていただく必要はないのですが、ご主人が来ていないことに驚きました。
人数が多すぎると子猫が怯えてしまうのでできれば大人の方のみで、お子さんはひとりかふたりでお願いしていたのですが、大人というのを「ご自分と間に入った友人知人」と勘違いしたのかもしれないな、ととりあえず思うことにしました。

話を伺うと、ご自身は猫が好きでずっと猫を飼いたいと思っていたそうです。
しかし猫に関する知識は全くなく、本当にまっさらの初心者という感じでした。
(今の時代ネットでいくらでも事前知識を身に付けられるのになぁ、と思ったのは私の我儘です)

このとき、何気ない会話からお子さんがアトピーであることが分かりました。
私が席をはずしている時の会話だったのでこのことは後日 元同僚から聞いて知りました。
(アレルギーのことは事前に聞くのが常識なのですが、聞きそびれてしまっていたこちらの不備です)
しかし問題はその後でした。
Oさんもご友人のMさんも、私の友人I子の母であるKさんも猫の毛やフケがアトピーを悪化させる可能性が高いことを知らなかったのです。

後日、アトピーが悪化することの可能性をお話しして猫アレルギーが現在あるかどうかを調べていただきたいとお願いしました。
すると数日後にOさんから「小児科医はアトピーが悪化しない保証はない、アレルギー検査は意味がないといっていたので検査はしません。子どもたちには一度飼ったらどんな理由があっても手放すことはできないよ、と言ってあります」という回答が来ました。
「事前検査はしません。こびやんさんにはよくしていただきましたしマリちゃんはとても可愛いので本当に残念なのですが、検査が条件なら諦めます」

このメールを見て小心者の私にはなんだか検査をお願いしたこちらが悪いような気がしてしまい、アトピーの状態をお聞きして症状が非常に軽く食物アレルギーやハウスダスト、花粉など主なものにアレルギー反応を起こしたことがないことを確認し、他にお勧めできる子もいることを伝え、その後マリちゃんの保護主から承諾がとれたことを報告すると「可能であればマリちゃんでトライアルしたいです」と返答がきました。

このアレルギー検査をしてもらうことができなかった件は保護主もかなり引っかかっていたものの、他に特に不安要素がないのであればトライアル可能と渋々承諾した感じでした。
私も検査をお願いすることはやりすぎなのかどうかが判断できずに状況を聞いただけで保護主の承諾をとってしまったのですが、今でもこの行為を後悔しています。

トライアル開始時はご家族のみなさんが来られる日と時間帯で、とお願いしましたが来たのはご本人と小学生のお子さまふたりとご友人のMさんだけでした。
このときは直接やりとりして「ご家族で」と申し上げていたので、私の言い方が分かりにくかったのだろうかと思いつつまた少し不安を覚えました。
(ならここでやめとけよという話なのですが…)

子猫の扱い方、目薬の点し方、ケージ内の配置、注意するべきこと、子猫の猫風邪は今後また何かの拍子で出てくることをお話しし、トライアル最終日に私がご自宅にお伺いして状況を確認させていただくこと、トライアル期間は保護主に所有権があること、どんなに望んでも保護主が同意しなければ正式譲渡まで至らない可能性もあること、今回の保護主は神経質であることをご理解していただきました。
このときもとても熱心に聞いてくださり、私が過剰に心配しすぎていただけだと思えてきて、そのままトライアルを開始することになりました。

トライアル開始してすぐに保護主が気にしていたのは報告に関してです。
初日と2日目は保護主から「どうですか?元気にしていますか?」と催促をしてからでないと報告が来ませんでした。
その後もこちらからのアクションがないときは朝に1回簡潔な文章のみでの報告でした。
写真を添えてご報告をという約束でしたが、写真は殆ど送られてきませんでした。
快食快便です、点眼しました、子どもたちと遊びました、動くものが好きですね。
こうしたことが簡単に書いてあるだけなので、Oさんのご家庭でのマリちゃんの様子を思い描けるような内容は殆どありませんでした。
うちではこうだったからOさんのお宅ではこんな感じかな…と勝手に想像するくらいでした。

長文を書いてほしいとはいいませんが、マリちゃんがどんな様子なのか、目の状態やクシャミのこと、どの程度慣れてきているのか、どのような環境ですごしているのか、ご主人やお子さんとはどのように遊んでいるのか自分から膝に乗ってくるのか、ケージにいる時間はどれほどなのか、夜はどこで眠っているのかというのが分かる、生活の様子が想像できる文章であってほしかったと今でも思います。

また最初のやり取りで知ったのですが、Oさんはお子さんがいるときはスマホをチェックしません。
朝の通勤時の暇な時間帯にのみ連絡をくださいます。
ここが里親候補様との大きなズレを感じるところでした。

私や保護主は大事な命を知らない方に預けている状態です。
その命を生涯お任せすることができるかどうかの判断基準のためにトライアル中のやりとりがあると考えているのです。
お友達同士なら返信が遅れてもスマホのチェックをしなくても構いませんが、命を扱っているのですから大事な取引先とやりとりをしているというくらいの感覚でいてくださらないと困るのです。

「そんなに報告が大事なら1日に何回とか内容を細かくとかいってくださればいいのに」
これは実際に言われた言葉です。

言われたことができるのは当たり前です。
トライアルでのやりとりがどれだけ重要なのか譲渡側が何を知りたいのかをきちんと考えているのであれば、答えは自ずと出てくるはずです。
それをしないということは保護主への返信や連絡が来ていないかのチェック(夕方にメッセージを送っても翌朝の通勤時間帯にならないと既読はつきませんでした)、報告内容について「この程度で丁度良い」と考えているという事です。

ただでさえ初めての保護と譲渡に神経質になっている保護主、そういった保護主の状態も説明してあって返事が遅かったり内容の薄い報告であったりすれば保護主も不安になってきます。
「マリはどうしてるのかな。不安になってないかな」
何度もこの言葉を聞きました。
ほぼ毎日、マリはどうしていますか?地震があったけど大丈夫でしたか?と、何かと聞いてくる保護主に対してOさんがあまり良い印象を持たなくなってきていたというのを後日聞きました。

「口出しをしてほしくない、近況を催促してほしくない」
そう思うのも分かります。
しかしトライアルの時点ではまだ保護主が飼い主なのです。書類にも正式譲渡までは所有権を放棄しないと書いてあり、説明もしてあります。

家族構成やアトピーのこと、検査を拒まれたこと。
これらのことを言うと周囲の人間は「子猫を飼うのには向いてないんじゃないか」「検査のことを妥協する必要はないんじゃないか」と言います。
それでも実際に合ってお話をして、お人柄を見てトライアルすることを決めました。
そこに別の問題が発生すれば「譲渡不可」という言葉がどうしても頭に浮かんめしまいます。
妥協してお人柄を信じてトライアルしたけれど、そこから更に不安要素が出てきてしまったのですから。

そしてこの子猫は保護時 猫風邪(猫ヘルペス)に感染していて一旦良くなったのですが、結膜炎が再発し点眼点鼻を続けていた子です。
夏は猫も体調を崩しやすい時期ですし、ヘルペスウィルスがいつ顔を出すか分かりません。
猫を飼育したことのないご家庭で幼いお子さんが3人もいて、ひとりはアトピーを持っていて、子猫の便が健康的な硬さなのかゆるいのかも判別がつかない(キャットフードの着色料の影響で便の色が赤かったのですが、便の色が茶色くないことも気付いていませんでした)、そんな方が猫風邪を初期症状で気付けるのだろうか。
結膜炎が悪化して初めて気付くのではないか。
当然そんな不安も出てきます。

我が家で預かった3週間の間、猫風邪が一度治りその後すぐにまた結膜炎になりました。
それを考えると余計このまま譲渡するわけにはいかず、お断りすることとなりました。

そして本当のトラブルはその後に起こりました。

間に入っていた友人I子に「明日お伺いした時にお断りする予定」と伝えると「子どもたちが当日知ったらすごく傷つくからダメなのが確定してるなら今教えてあげて」と頼まれたのです。

トライアルの途中でほぼ破断と答えが出ていても無用なトラブルを避けるために当日結果をお知らせする(トライアル中止の場合はすぐに伝えます)のが私のスタンスです。
破談になる可能性を事前にお伝えしているので、前日になって「譲渡不可なので明日迎えに行きます」という必要はないと考えています。
そこでごねられてしまったら猫の返却を拒み居留守を使われてしまう可能性も出てきてしまうからです。

しかし友人であるI子の気持ちを汲み、すぐにお知らせをしました。

その日は土曜で午後はお子さんのスイミングスクールに同行しています。
当然すぐには見ないでしょうし、いつものOさんであれば翌日にならないと既読がつきません。
しかしその時はすぐに既読がつきました。
それを見て、「ああ、この人は今までも通知で内容見てたけど既読にしてなかったんだな」と思いました。

私はなるべく穏便に済ませたかったので、理由を「猫風邪について調べたところ、免疫力が下がるとすぐにでてくるようで、対処が遅くなると結膜炎でまぶたが癒着してしまう可能性があります。お子さまたちもまだまだ手がかかる年齢ですし、猫の飼育経験のないご家庭でまだ体調が安定していないこの時期に譲渡は難しいと考えました。私どもの猫風邪に対する知識が浅くまた結膜炎を軽く考えていたことが原因です」というような内容にしました。

すると「子どものことも猫風邪はぶり返すことも承知のうえでトライアルにはいったはずなのに、そんな理由では納得できない」とお怒りのメールが来ました。
何を言っても聞く耳を持たないようで、最終的に「心の整理がついたらご連絡します」と言われてメールがこなくなりました(正確には保護主と私とOさんのグループLINEですが)

すると今度は友人I子から「母(Kさん)が保護主さんと直接話したいと言っている」という連絡が来て、保護主に確認をして連絡先を教えると保護主にKさんからお怒りの電話が来ました。
「一方的に怒っていて怖い…」と保護主から電話があり、何があったのか話を聞いて電話を終えたすぐその後に今度はKさんから私に電話が来ました。

内容はこんな感じです。
・猫風邪のことは分かってたのにそれが理由なのはおかしい
(子猫の時期は健康的に不安定だということと結膜炎が再発する頻度が高いかもしれないことを見落としていましたと答えましたが、それは理由にならないと突っぱねられました)
・アトピーだと猫を飼育できないなんて聞いたことがない
・お医者様が必要ないと言っているのにアレルギー検査をさせるなんてあり得ない
(そのお医者様にアトピーが悪化しない保証はないと言われたようですが…とは言いませんでした)
・報告が少ないなら1日何回とか決めればいい
・子どもの年齢もアトピーも猫風邪も全てクリアしたからトライアルになったはず
・断るのなら検査が条件だったら諦めると言ったときに断るべきだった

Kさんのお言葉を借りて要約すると「トライアルで審査するなんてずいぶん上から目線で思いやりがないんですね。子どもたちの気持ちを少しは考えたらどうですか」ということでした。

相手の気持ちを考えるということと適性を見極めるというのは別の事です。
相手の気持ちを考えて、お人柄を信じて不安要素があったけれどトライアルに踏み切りました。
しかしそれ以上の不安要素が増えていってしまうと、お断りすることも考えなければなりません。
相手の気持ちを考えるということは、判断基準を甘くすることではないのです。
トライアル中にLNEを無視したことや報告内容が簡素すぎることなどをダメ出しすればクリアしたかもしれません。
でもそれではOさん自身が適性を持っているかどうかの判断ができないんです。

Oさんは最初にお会いした時「猫を飼いたいけど猫カフェや譲渡会では幼い子たちがいることで条件をクリアできなかった」と仰っていました。
保護猫を譲渡してもらうことがどれだけ難しいか知っていたはずです。
団体ではなく個人的な繋がりからなら簡単にもらえるだろうと思っていたのなら、それは間違いです。

譲渡側が何よりも大切にしているのは自分が助けた小さな命です。
この人なら人として信用できる。責任感があってしっかりしている。
この子を一生涯可愛がってもらえる。
そう思えなければ譲渡はできません。

妥協して譲渡をした結果、後悔することになった。
そんな経験もしているので尚更です。

里親になりたい方の思いを否定したいのではありません。
今回実際にトラブルになって、それぞれ重視している点が違うことを感じました。
「相手の立場になって考える」という、その考える視点がお互いずれていることが分かりました。

時にはびっくりするくらいスムーズになんのトラブルもなく譲渡できることもあります。
結局はお互いが望むことであったり、相性だったり、そういったところで引っかかってしまうんだろうなぁと感じました。


これを読んで不快になってしまった方がいらっしゃったら申し訳ありません。
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