実家も嫁いだこの家も浄土真宗なので迎え火や送り火、なすやきゅうりを用意することもなく、何かしらお盆らしいことと言えば仏花と墓花にホウズキが入り、お墓には紅白の提灯を飾るくらいです。
お家によっては自宅または墓前で菩提寺のご住職にお経をあげてもらいます。
実家のお墓の掃除をし、お花を供え、今年新盆なので白い提灯をぶら下げて長女一家とお参りしてきました🙏
(嫁ぎ先のこちらは地蔵盆ですのでもう少し後になります)
父が亡くなって思い出すことがあります。
実家は30年程前に娘ら(私は3姉妹の長女、次女は生後1週間くらいからきなこ達をミルクで育てた人、三女はきなこ達&アドルの保護主)を嫁がせ父母、祖母の3人で暮らしていました。
そこに私が自分では飼えないのにブリーダー崩壊?の雄猫ペルシャの【けん】を引き取り、当時は野良猫?の世話をしていた実家で飼ってもらうことにしました。
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今、家の子達がお世話になっている動物病院が開院したばかり(それまでは農業高校の先生で家畜の診察をしていらした次女妹の恩師)の頃で去勢手術をしてもらいました。
田舎のことで当時は去勢・避妊手術も室内飼いも珍しいことだったと思います。
母は昔、注射針からのB型肝炎の感染で入退院を繰り返し24年前に【けん】は母を見送り、その2年後に認知症で老衰の祖母を見送りました。
それから10年近く父と【けん】の高齢者一人とイケメンおっさん猫一匹の男所帯でした。
父も大腸がんの発症、手術。【けん】は尿路結石の治療と予防食。
私は実家まで10分程なので時々駅まで主人を送ってから様子を見に行っていました。
【けん】が亡くなる半年くらい前、様子を見に行って「なんか猫トイレの掃除がおろそかになっている?」と感じることがあり父の認知症を疑いました。
週1の訪問を1日おきにして父と【けん】の世話を続けました。
記憶があいまいですがその頃【けん】は20歳、父は70代後半ぐらいだったと思います。
そして寒い冬の日、父が【けん】を脱走させてしまいました。
脱走しても数時間で自分から戻ってくるのに、この時は2日経っても5日経っても戻って来ませんでした。
1週間して「もう高齢だから死場所を求めて自ら出て行ったのだろう」と諦めかけた頃、なんと自ら戻ってきました。
すぐに私が動物病院へ連れて行き、怪我もないことを確認しました。
先生曰く「室外機のそばにいたのではないか?そこで動かず体力を温存していたのではないか?」とのことでした。
何はともあれ無事に戻って来てくれたことにホッとしたのもつかの間、1ヶ月後【けん】はお彼岸の日に父のお布団で一緒に眠り、父の腕枕で虹の橋を渡って行きました。享年21歳。
私達姉妹でペットの供養をしてくださるお寺様で葬儀をしていただき荼毘に付し、その後ペットの共同墓地にたくさんの仲間と眠っています。
その後、父はグループホームに入所、昨年天寿を全うしました。
毎年桜の花が満開になると共同墓地の周りの桜も満開になり【けん】に会いに行きたくなります。
「父ちゃん、【けん】に会えた?」
「先に逝った母ちゃん、ばあちゃん。ちょっとお待たせしたけれど、そちらで父ちゃんと母ちゃん、ばあちゃん、【けん】と家族だった時の思い出話に花を咲かせてね」
【けん】が父の認知症に気づかせてくれました。
きっとあなたは父の負担、私の負担を気遣って虹の橋を渡って行ったのかな。
あれから10年余り。私自身も年をとっていくので子猫を迎えることはないでしょう。
最近迎えた成猫アドルで最後。きちんと家猫達を看取る気構えをしています。
私が里親募集をする時、条件に高齢者のみの家族はNGにするのは実体験から来ています。
内科的病気で入院、何かあったらの何かに認知症になったらも加えていただきたいと思うのです。
父の新盆で【けん】との思い出が沸いて出てきました。
もし思い出話の日記にお付き合いくださった方がありましたら、長文失礼しましたm(__)m
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