産まれた時から動物と一緒だった。
大人になり、家を建てたとき、猫と縁があれば飼いたいと思っていた。
数年経ち、1匹の黒い野良猫が庭にやってきた。大人で、目つきの鋭いメスだった。名前をクーちゃんにした。
主人も猫が好きだったので、2人ともクーちゃんが来てくれたことは、嬉かった。
私は、クーちゃんにご飯をあげるようになり、クーちゃんも徐々に私たち家族に慣れていった。
そのうち、家で飼おうと思い、徐々に家の中へ。ただ、どうしてもトイレが覚えられなかった。
トイレの時は、外に出してと言うので、出すと庭でする。
そんな生活をしばらく続けて、私はクーちゃんを避妊手術した。
飼い猫でも野良猫でも手術した方がいいと思ったし、実家でも手術は当たり前だった。手術をすると、怖くなって来なくなるかも知れないと思ったけれど、クーちゃんを信じて手術した。
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クーちゃんは、いつもどうり来てくれた。腹帯も破らず、抜糸もいけた。
その頃には、家の中でほとんど過ごしていたが、やはりトイレはダメだった。
ある日、急にパッタリとクーちゃんは、来なくなった。
何日経っても、帰ってこない。
私は、新聞にチラシを入れたり、愛護センターや警察に電話、近くの動物病院に問い合わせもしたが、成果はなかった。
今思うと、帰れない事情があったのだと思う。事故にあったのかも知れない。
あのときの自分に、いまぐらい猫について知識があったら、少しはうまく室内の生活に切り替えれたかも知れない。
もう20年近く経つのに、いなくなった11月28日が忘れられない。
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