
記憶にある限りで初めて年賀状を出したのは、確か小学校に入った頃の、いまからふた回り前の亥の年で、母に干支の絵を描くのだというようなことを教えられ、ボールペンで、紋付袴を着たイノシシがにこにこ顔で凧揚げをしている絵を描いて、仲のよかった友達や田舎のおばあちゃんなど、数枚の年賀状を送ったと思う。
たぶんその頃は、余裕を持って年賀状を書いていたと思うけれど、それがいつのまにか、毎年、年賀状を準備するのは年の瀬が迫った29日とか30日とかになっていて、いつも間に合うかしらと気をもみながら作るから(間に合わないことも多いし)、来年こそは早く書こうと思うのだけれど、それが出来ずに去年まで来た。それが今年は、七福猫の図案を早くに作ったためか、信じられないことに、すでに全部書き終わってしまっていて(枚数が少ないということもあるけれど)、年賀状の受付はまだかしらなどと思うほどの余裕ぶりである。
昔は、干支の動物を意識した図案を考えていたけれど、最近は猫ばかりである。干支の逸話によれば、猫はねずみにだまされて、新年の二日の朝に神さまのところに行けばいいものだと思い込んでいたため出遅れて、結果干支の動物になれず、それをうらんでねずみを追いかけるのだそうだが、猫年がないおかげで、十二年待たずに毎年猫の絵を描き送っても問題ないから、それで結構である。
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