実家の周りは、わざわざ野良猫を避妊去勢したりする人もいなく、空き家も多いため、猫増え放題の環境。野良猫たちは、近所の猫飼いの家でごはんを食べたり、家に入り込んでどろぼう猫したりと、それぞれ野良生活を満喫していました。
むうたもその中の1匹だったのですが、他の野良と違い、むうたはご近所では有名な嫌われ者だったのです。
その理由は、
とにかくきたない。
そしてくさい。
よだれダラダラ。
よだれでガピガピになった体と強烈な悪臭(野生の獣のにおい)で、どの家でも受け入れてもらえていませんでした。
なんせ、むうたが通った後は獣臭がハンパなかったんですもの。
はた目にも健康な猫とは思えませんでした。

どこでもごはんをもらえないむうたは、やがてうちの周りをウロウロするように。
見かねて、外でごはんをあげることに。
その日からむうたは毎日夕方になると、庭先でごはんを待つように。
当時、母の膵臓癌が発覚したばかりで、車で2時間の街で独り暮らしをしていた私は、部屋を引き払って実家に帰ってきたばかり。
仕事に行くため、朝は6時前、家に帰るのは早くても夜7時半〜8時。
それでもむうたは夕方から来て、ごはんがもらえるまでずっと私の帰りを待つ子になっていました。
長い野良生活ですっかりやさぐれてたむうた。
私との距離も縮まりません。
ただ、待っていました。
ごはんがもらえるまで。
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