お隣の家にはお年頃の女の子が3匹。
茶トラのさくらちゃん。
その子供のしろちゃん。
白黒ハチワレのちゃあちゃん。
どの子も避妊していません。
去勢したとはいえ、発情を何度か経験したむうたは、まだまだ現役のつもり。
むうたは考えます。
「ぼくとおともだちになってくださいっ!」
果敢にアタックします。
ですが、あえなく撃沈(´;ω;`)
うちにいるちまさんは年上。
またまたむうたは考えます。
「む、妖艶な熟女の魅力。ちまさ〜ん!」
もちろんちまは避妊済み。
「おまえなんかきらいにゃっ!あっちいけっ!ふんっ」
そりゃもうこっぴどく振られます。
「なんでかな?むう、モテないにゃ」
そんな時、お隣のしろちゃんが遊びに来るようになりました。
遊びに来たしろちゃん

「‼︎しろちゃん!」
むうたが近づいてもしろちゃんは嫌がりません。
その日からしろちゃんは毎日遊びに来るようになりました。
一緒にお庭を散歩します。
縁側で日向ぼっこします。
一緒に過ごすむうたとしろちゃん

むうたにはじめてお友達が出来たのです。
実はしろちゃんは、むうたがまだ野良だった頃、さくらちゃんとの間に出来たこども。
ですが、そんな事は知るよしもなく、むうたとしろちゃんはどんどん仲良くなっていきます。
まぁ、去勢してるので、おかしなことにはならないかな、と…
今まで、他の猫たちに距離を置かれて、たった一匹で過ごしてきたむうた。
やっと一緒に過ごしてくれる相手が見つかったのです。
しろちゃんがやって来ると、猫なで声で近寄っていくむうた。
しろちゃんもそれに応えます。
そんな2匹を見ていて、幸せな気分になります。
だんだんしろちゃんはうちで過ごす時間が長くなりました。
ごはんの時間も帰らないので、仕方なくしろちゃんにもごはんを。
念のため、しろちゃんの飼い主さんに状況を伝えておきます。
「そうなんだ。しろのことよろしく」
なんでや?
そんなある日、いつものように朝起きていくと、
むうたの部屋からしろちゃんが。
なんと、むうたはお母さんに隠れて女の子を部屋に連れ込む不良になってしまったのです。
お母さん、ショックΣ(゚д゚lll)
もう、2匹は同棲状態です。
しろちゃんは家には帰りません。
それでもお隣の人は何にも言ってきません。
なんで…?
うちの縁側で過ごすしろちゃん。
むうたに似てる。

とりあえず、しろちゃんはもううちの子になったのかな?
どうすればいいのかな?
でも、幸せそうな2匹。
このまま見守り続けるしかありません。
だって、むうたがこんなに幸せそうなんですもの。
よかったね、むうた。
しろちゃん、むうたと仲良くしてね。
ですが、幸せな時間は長くは続かないもの。
突然しろちゃんが姿を見せなくなったのです。
むうたはしろちゃんが入って来ていた猫ドアの前でしろちゃんが来るのを待っています。
しろちゃんの飼い主さんに
「しろちゃん、来なくなったんだけど」
と伝えると、
「ああ、しろ、よそにあげたんだよ」
なんですとっ?
しろちゃんを、あげた?∑(゚Д゚)
「ど、どこに…?」
「遠く」
むうたのはじめてのお友達はもういません。
それでも、むうたはいつもしろちゃんが来ていた猫ドアの前で待ち続けます。
じっと座って待ち続けます。
「むうた、しろちゃん、もういないんだよ。しろちゃん、もう来ないよ」
むうたは猫ドアの前から動きません。
何日も何日も待ち続けます。
「むうた、ごめんね。ママがいるから。ママが一緒にいてあげるから」
しろちゃんを待ち続けるむうたの後ろ姿を見ながら、胸が締め付けられる思いになりました。
しろちゃんのお母さん、さくらちゃん

しろちゃんのこども、くうちゃん。
むうたの孫です。
むうたに似てる。

むうた。
しろちゃんはいなくなっちゃったけど、むうたの血は途絶えてないよ。
むうたの家族はちゃんといるからね。
最近のコメント