白ネコさんの深い愛情

2018年3月28日(水) 276 / 2

三匹の猫と白ネコさんの続きですが…

白ネコさんは家族猫とは一緒にはおらず、三棟と四棟の間の駐車場の車の下などで他の猫ちゃん達と一緒にいた。
色んな車の下に10匹位はいる。
でも家族猫はいない。。。チビ黒さんと合流できて寮から出て行った？白ネコさん…君は誰？
お父さん猫じゃなかったのかい？
よく考えたら白から黒は産まれないか…？でも、お母さんはグレーだったしなぁ…
まぁいいか、じゃあ君と君の仲間達に家族猫にあげてた余ったご飯をあげよう！
そして白ネコさんに毎日ご飯をあげるようになりましたが、僕の住んでる一棟から三棟と四棟の間までおよそ100メートルくらい？
毎日そこまで行って、数ある車から白ネコさんを探すのはなかなか面倒だった。
そうだ！白ネコさんを一棟に連れてこよう！
…これが大きな悲劇を生んだ、大きな間違いだった。

白ネコさんは僕の思惑通り、一棟と二棟の間で過ごすようになった。主に二棟の一階のベランダにいた。
僕と白ネコさんは他の寮生なんておかまいなしに一棟の僕が住んでいる一階の階段や一階の端で遊んだ。
時間にして1時間〜2時間くらい。抱っこしたりしていた。僕は猫初心者だったので、抱っこした時にグルルルルって大きく喉を鳴らしてる理由がわからなくて怖くてすぐ離したりした。
それが喜びの表現だったなんて知らなかった。
明日も早いし帰ろうって帰る素振りをすると、先回りして通せんぼして帰らないでアピールをしてくる。
すごく可愛い。。。でも明日も早いからゴメンねと言って帰ると、自分は5階に住んでいたのですが、3階くらいまでは追いかけてきていた。白ネコさんが諦めて帰る姿を見るまで5階の階段からずっと見ていて、寂しそうにトボトボ歩いて帰る白ネコさんを見てから部屋に入るのが日常になっていた。
9月の1ヶ月間はそんな感じだった。

10月になって変化がおきた。
自分と同期入社した人で、僕の一階下に住んでいる人が寮務員と仲が良い。
ある日、白ネコさんと遊んでいたら、あのーヤバイっすよ。寮務員が最近、白いネコにエサをあげてる寮生がいるって噂になってますよ。
…ヤバイ…何も考えていなかったけど、寮内での餌やりの現行犯は仕事をクビになる。。。
それは家族にも迷惑をかける…どうしよう…。

まず白ネコさんと会う時間を2時間ズラした。
20時頃、仕事が終わって会社のバスに乗って帰ってくる。白ネコさんはそれを見越して寮生が帰ってきてるエントランスから伸びる廊下の所で、ニャーニャー！（ヒロシ！お帰り！僕はココだよ！！）と行った感じで鳴いている。そして、僕が通ると足元についてきて一緒に遊ぶと言うのが日課だった。

ただ、そこで顔を見ると必ずついてきて部屋から出てくるまでずっと鳴きっぱなしなので、僕はそのルートを通らずに白ネコさんのお出迎えを無視するような形で部屋に帰るようにした。

…（お出迎えしているのにヒロシはいない…）
ニャーゴ！ニャーゴ！と今度はいつもいるベランダで、（ヒロシ！僕はいつもの所にいるよ！）って1時間位はずっと鳴きっぱなしだった。
…すごい胸が痛い…
20時頃会っていたのを22時頃に変更した。
僕が部屋から出て、5階から白ネコさんって呼ぶと向かいの一階のベランダからニャーニャー！って走ってくる。
いつも階段のエントランスで遊んでいたのを、隣の店じまいしているガソリンスタンドや、道路を挟んだ向かいのマンションの駐車場まで連れ出して0時頃まで遊ぶようになった。

…これも、大きな悲劇を生む大きな間違いだった。

何日か後の夜勤明けに、お風呂から上がったら廊下に白ネコさんがいた。珍しかった。
白ネコさんと会うのは夜がほとんどで昼間や朝はほとんど見かけないから。
つまり夜勤の週は、仕事が始まる前にご飯だけあげるような感じだった。

そこへ寮長が来て僕に、エサあげてないよね？と言った。その時は白ネコさんと昼間に会うとは思ってなくて、まさか…ないない。と言った。
コイツは結構長いことこの寮に居ついているんだわ。どれくらい？って聞いたら、んーわからんけどかなり長いこといるわって言った。

大体、目の前の道路で轢かれて死んだり、可哀想な事はしないけど、俺らも追っ払わないといけないから、追いかけ回して敷地から出ていくように仕向けるんだけど、エサやると戻ってくるじゃん？
寮生の中には猫が嫌いな奴もいるし、アレルギーがひどくて仕事に支障をきたす奴もいるんだわ。
だから居つかれると困るんだわと言った。

そこで白ネコさんは寮長に追い払われた。
…何もできなかった…
…よし。この子を大阪に連れて帰ろう。
そう決心した。
ただ、ウチにはおじいちゃんワンコが2匹いる。
白ネコさんの話は家族にずっとしていたけど、納得してくれるのか…
結果は大反対。ただ、ウチの近所に嫁さんの母親と100歳になるお婆ちゃんが住んでいる。
そこにとりあえず住まして、一つ使っていない部屋をリフォームして、その部屋へ移動させても良いって事になった。
つまり、すぐは無理だけど使ってない倉庫みたいになってるボロボロの部屋を直せば良いって事になった。
よっし、年末帰ってリフォームして、ソッコーで住ましてやる！るって決心した。続く。