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あとら君の点滴治療が始まった頃、
勤めていた会社が倒産。
もう私も40代後半。再就職はほぼ無理。
リストラされたときに40過ぎてからの再就職するのにどれだけ苦労したか。
身をもって知っている。
それでも残務処理とハローワーク。
雇用保険でまた日々を繋ぐ。
私は食べなくてもあとら君だけは守らなければ。
心が折れた私を支えていたのはこれだけだった。
結果、残った社員はそのまま別会社に移籍という形になったが、
元会社の借金はそのまま…
よって給料も出たり出なかったり…
そんな日が一年ほど続いたある日、父から電話が。
「おかあさん、入院した」
と連絡が。
母は具合悪くて病院に行ったが、受付で倒れたらしい。
そのまま入院。
急いで病院に向かった。
私が行ったときには、意識はあったものの、
検査しても原因が分からず、ただ分かっていたのは極度の貧血で輸血をしていた。
ふくふくしていた母の姿が痩せてしまって血色も悪く力なく横たわっていた。
そして父の様子もおかしい…
病院の手続きも父がしたらしいが、改めて看護師さんから私に依頼された。
どうも父に説明しても話が通じないらしい。
最初は母がこんな事になって動揺していたせいとも思っていたが、
私と話をしてもトンチンカン。
まさか…。
そう、父は少し呆けてしまったようだった。
一人で帰すこともできず、病院から実家に戻ったが
時々正気に戻るので、兄に電話して帰り寄るように言って私は自宅に帰った。
次の日から
会社に行き仕事をざっと終わらせる→母の病院→実家に行き父の夕食の世話
→母の身の回りのものをもって病院→会社に戻り残務処理→夜中に帰宅しあとらの点滴。
3日持ちませんでした。身体ボロボロです。
土曜日で会社も休み、調子悪くて声が出ないので病院に寄ってから実家に行くつもりでした。
検査した結果、まさかの「即、入院」でした。
病院の先生にきつめに叱られました。
「もっと自分を大事にしなさい!このままだとあなた死ぬよ!」と。
その場から指定の救急病院までタクシーで行きなさいと言われたが、
私はそんなになってもあとら君がいるので、病院いくフリして自宅に戻り、
あとら君の行きつけのクリニックに連絡してから向かい、
暫く預かり入院させてもらいました。
その場から救急病院へ。もうその時点でへとへと。
入院しててもあとら君が心配で心配で(あ、父・母も心配だったよ)、
毎日クリニックに電話して様子をうかがいました。
今思うと先生もうざかっただろうな〜。
収入もほぼない状態で、母・私・あとらの入院費を考えなくてはいけなく、
唯一私は生命保険入っててよかったけど、定期は解約しましたよ。
それから退院した後、実家の近くに引っ越しを決意しました。
母が入院してから父は明らかにぼけている。病院に連れて行こうとしても
でも「俺は大丈夫だ。病院は必要ない」の一点張り。
兄に相談しても、父がぼけた事を認めたくないらしく、「気のせい」としか言いません。
これには参りました。
誰に相談すればいいのか分からず、会社のお得意様の年配の人に話をしたら、
親身になってくれて、役所で相談にのってくれるからと教えてくれました。
いやいや、当時を思い出すとまた疲れるなぁ。
そんな心身ともに疲れ切った私を癒やしてくれたのはあとら君。
あの子がいなかったら乗り越えられなかったよ。
いや、これ本当に。
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