猫侍も弟が、仕事先で見つけた保護猫で段ボールに数匹入れられていたうちの一匹で、他の子猫は、次々と引き取られ連れて帰られたが、最後の最後まで残されたのが、猫侍だった。
その日は、雨が降っていて雨に濡れまいと必死に一人で木にしがみつく猫侍をかわいそうに思い手を差し延べた。
猫侍が来て数ヵ月がたったある日、弟は、仕事先でまた捨て猫に遭遇した。
それをみた会社の同僚は、弟に、
子猫小さいで。かわいいで。この前拾って飼ったんなら、飼いよ。一匹も二匹も一緒や。
と、弟に言ったが、弟は、
いや、ウチはもういい、猫二匹飼うなんて家の中荒らされて大変や。
と、言っていたら、そのうち子猫はどこかへいった。
私は、弟の同僚の云った一匹も二匹も、と云った言葉が好きではない。
自分が飼うとなって、そういうならまだわかるが、
飼育することになるのは、他人になる時にそういう言葉を言うのは、無責任ではないだろうか?
私には、云えない、掛けられない言葉だ。
と思う。


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