なにも、こんな日に行かなくても。

桜の舞い散る中、シッポが旅に出ました。
ちょうど、4年ほど生きたと思います。
最初はこちらにアップするつもりはなかったのですが、ブログを長期に渡り休んでおり、以前ブログでシッポの事を知り、ひそかに可愛がって下さっている方がもしいらっしゃるならば、一緒に見送ってあげて欲しいと思いました。

まこぶうは、外の猫さんたちの世話をさせてもらってます。
地域猫とはいっても、所詮はノラなんで、名前を付け、出来るだけ不自由の無いようにやってきたつもりでした。
しかし、餌を食べにくる子は常時20匹程います。
全ての子に、家猫と同じレベルのケアをしてあげられないのも、また事実です。
私の力不足です。
そんな中、シッポの異変に気付いてやる事さえ出来ませんでした。
旅立つ前の日。
餌を置く場所は2箇所で、最後に餌を置いて家に帰ろうとしたとき、シッポを見掛けました。
最初は日向ぼっこをしているのかと思いましたが、何か様子がおかしい。近付いてみると吐血しています。
あわてて家に戻り、キャリーを手にシッポを迎えに来ましたが、姿がありません。
近所のお宅にお願いして家の裏を見させてもらったり、中には「見掛けたら電話してあげる」と、まこぶうの連絡先を書きとどめてくださるお宅もありました。
そのあと、時間を置いて、シッポのいそうな場所を何度も捜してみましたが、見つける事は出来ませんでした。
その日。
朝方、少し雨が降りました。
いつものように公園で餌やり。
次は、餌を片手に、公園脇の土手へ。茂みに隠れている子の名前を呼びながら、歩きます。
普段は、それほど先までは行かないのですが、この日は自然と前へ前へと足が進みます。
ふと、茂みの底に目をやると、シッポが溝に突っ伏す形で横たわっていました。
身体は、飛び跳ねるようにびくんびくんと痙攣しています。
「シッポ!」そう呼ぶと、なぜだか痙攣が止まりました。
可愛い、やさしい香りのする子だったシッポの身体からは、異臭が漂ってきます。
こんな場所で、雨に打たれて一夜を明かしたのかと思うと涙が止まりませんでした。
持参していたバスタオルで身体を包み、抱きかかえて、家へ戻りました。
少しでも暖めようと、しっかりと包み、身体を密着させました(気道は確保しました)。
シッポを抱いたまま、病院へ連絡を取ろうとしました。
しかし、もうどう考えても助かりそうも無い。状態が状態でした。
ならば、最後はこの部屋で眠らせてやりたいと思いました。
シッポは、抱きかかえた瞬間からとても静かでした。
名前を呼ぶと、時折反応を示しました。
「シッポ、まこぶうのお家だよ」
そういうと、猫がはじめての部屋を探検するときのように、身を乗り出そうとしました。
これは、私の思い過ごしかもしれませんが。
「シッポ、やっとおうちに来られたねぇ」
「ねえ、シッポ。今はまこぶうと二人きりだから、まこぶうを独り占めしていいんだよ」
いつも、この子が一番!という接し方はしませんが、このときばかりはこう伝えました。
「シッポ。まこぶうは、シッポのことが一番、一番大好きだよ」
こんなにも長くこの子を抱いたのは初めてでした。
そして、絶命。
シッポのなきがらを抱え、公園へ戻りました。
彼女が良く遊んだ場所を、2人で巡りました。
出てきた子には、お別れを言いました。
ガブやモエちゃんなんかは、「まこぶう、抱っこ」とせがみますが、制するしかありません。
ガブ君なんかは、すねてしまいました。
最後に、シッポの顔と身体を綺麗に拭き、硬直を確認後埋葬しました。
桜の舞い散る中、シッポが旅に出ました。
なあ、シッポ。
まこぶうを許してな。
なあ、シッポ。
ほんの少ししか、お部屋に呼んであげられなくてごめんな。
なあ、シッポ。

※関係各位にご迷惑の掛からぬ埋葬の方法を取っております
※次のURLは自戒のための記録であり好ましくない画像を含んでおります
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