今年は寒くなるのが少し遅めだったけど、ようやくこの季節らしい寒さになってきた。
そして、そんな時に思い出すのは、長吉の変わったくせの思い出。
長吉はうちの子になってから5歳ぐらいになるまでは膝にも乗らなかったし、布団で一緒に寝ることもしない子で、猫ベッドを用意しても使わず、リビングにおいたフェイクファーのついた座布団が敷いてある椅子の上で寝る子だった。
何度か、寝室に入れてみたこともあるがすぐに逃げてしまう。
あー。この子は人と一緒に寝るような性格の子じゃないのかな……。
そう思って諦めてました。
でも、いつか自発的に来てくれるかもと思って、寝室のドアは完全には閉めずに、いつもほんの少しだけ開けてありました。
そして長吉5歳の冬のある日の夜。
夜中の2時ぐらいだったかな……なかなか眠れなくて、布団の中で本を読んでた時。
いつものように少しだけ開けておいた寝室のドアがギーって音を立てて、ゆっくり開いた。
ベッドの側面を爪でガリガリひっかく音。
そしていきなり枕元にぽん!と長吉が乗ってきた。
本当に突然だった。
私の枕元に伏せてゴーロゴロ言い始めたかと思ったらそのままうとうと寝てしまった。
これが5年目にして初めて長吉と一緒に寝た時の思い出。
それからも長吉は毎日、私たちが寝静まる頃に寝室のドアをそーっと開けて、ベッドの側面をガリガリやって、そして突然乗ってきて、私の肩にお尻を乗せてゴロゴロ言いながら眠る。
このくせはそれから長吉が亡くなるまで毎日ずっと続いた。
冬も、夏も。
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長吉が亡くなった日の夜。
つい、くせで寝室のドアを少しだけ開けておいた。
夜中にドアが静かに開くんじゃないか、ベッドの側面をひっかく音がするんじゃないかって。
それまで一緒に寝ようとしなかったあの子にどんな心境の変化があったのかは今はもうわからない。
だけど我が家は今でも寝る時に寝室のドアを完全には閉めない。
完全に閉めると、長吉が寂しいんじゃないかって思って。
ベッドの側面は長年の長吉の爪とぎ跡の引っかき傷がまだ残っている。
見た目がかなりみっともないけど、補修する気にはどうしてもなれない。
今でも、ごく稀にだけど、夜中に寝室のドアが開いたような気がしてふと目がさめることがある。
なんだか、うっすらドアが動いているように見える時がある。
夢うつつで小さな重みを体に感じることもごくたまにある。
その重みは、美雨のものかもしれないけれど、敢えて私は目は開けないでそのまま眠る。
あー……きっと来てるんだろうなあ……って思いながら眠るとよく眠れるから。
ちなみに。
美雨様は長吉とは逆で、私たちが寝室に行くと、もうすでに布団の上で待っている。
長吉の時以来、今でも寝室のドアはいつも、少し開けたままだけれど。
美雨様が後からドアを開けて入ってきたことはまだ一度もない。
ちなみに、美雨様こんな感じで私や主人の体に直接乗っかって眠る。(乗っかられてるところを写真に撮った。かなり重くてつらい……)
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美雨様、なんでいつも先回りなの?
美雨「あたしはね、ちょーきちおにいちゃんよりさきにおふとんでまっていることにしたの」
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