ポッキーはポッキーで

ポッキーが婿入りして一週間が経ちました。

あの子はビビりだし、ひとりぼっちで不安になってぎゃん泣きしてないかな？
ごはんはちゃんと食べてるかな？
トイレは失敗してないかな？
寒い思いしてないかな？
懐かなくて可愛くないって思われてないかな？

などと、不安な毎日を送っていたところ。

ポッキーの里親さんから連絡ありました。

あ〜。
撫でれないし、近寄って来ないから可愛くないよ〜。
これ、どうしたらいいの？

とか、言われちゃう？😰

なんて思ってたら。

「ポッキー、すごく面白いです！」

ん？
面白い？

そりゃ、ポッキーはある意味面白い子だけど…
通好みの面白さだし…

「あみじゃがさんが言ってた通りの動きをするんです。
ビビりで、でも私のことず〜〜っと見てて、すっごい面白いんです🤣」

へ、へえ…
そうなんですか…

「ポッキー、すごくお利口さんで、ごはんもちゃんと食べるし、トイレも教えてないのに、初日からキチンとできて！
この子、すごいですね‼️」

お？
ポッキー、すごい。

「最近はじゃれてくれるようになったし、しっぽさわっても怒らないんですよ！
ごはんやおやつも、手から食べてくれたりするんです。
ヒモで遊んで、しっかり両手で持って遊んで、無茶苦茶かわいいんですよ！
今日はボールとか、他のおもちゃ買いに行こうと思ってるんです」

え？
すごくない？
えらくない？ポッキー‼️

「あみじゃがさんが言ってた通り、あんまり人間に依存しない子なんですよね。
だから、向こうから近づいて来るの、気長に待ちます。
こっちからはムリに行かないようにしてますよ。
でも、この一週間で距離は確実に縮まってますよ😆
すんごい楽しいんです！」

それ楽しいのかな？
でも、里親さん的には楽しいんだ…

よかったよう、匙投げられなくて😅

「まだトライアル期間中なんですけど、もうすぐにでもこの子と家族になりたいです‼️」

ポッキー、すごいね！
良かったね！

「私、この子、ポッキーだと思いました。
ポッキーです。ビッケじゃなかったです。
ポッキーです‼️
ポッキーって呼ぶと、ちゃんとこっち向いてくれるんですよ😆😆😆」

そうなんだ。
ポッキーはポッキーのままなんだ。

やっぱり、ポッキーはポッキーだよね。

「もしもポッキーが一生懐いてくれなくても、一生抱っこできなくても、私はこの子と一緒にいたいです！
この子がいてくれて、私、幸せなんです‼️」

ポッキー…
ポッキー、良かったね。

さすがに一生懐かないなんてことはないだろうけど😅

いないと思ってた。

ポッキーは外見から
「ゴージャスだね」
「ふわふわでいいね」
「イケにゃんだね」
「大きくて落ち着いてるね」
なんて言われることが多かった。

だけど、内面は
とってもビビり。

遊びたいけど、怖くてなかなか手を出せないポッキー。
みんなと一緒にじゃれたりできなかったポッキー。
人間に依存せず、ひとりでいることが多かったポッキー。
だけど、やっぱりみんなと仲良くなりたいポッキー。
みんなみたいに甘えてみたいポッキー。
怖いけど、少しずつ距離を縮めようと頑張ってたポッキー。

そんなポッキーの内面を見てくれる人はいないのかもしれない。

そう思って諦めかけてた。

でも、ポッキーは諦めてなかった。

自分のこと、ちゃんと見てくれる人。
自分のペースに合わせてくれる人。
じっくり時間をかけて待ってくれる人。
ビビりな性格、きちんと理解してくれる人。
自分が心から信頼できる人。

そんな人が現れるのを、ポッキーは諦めず待ってた。

ポッキーが諦めてなかったのに、私が勝手に諦めかけてた。

ごめんねポッキー。
ママ恥ずかしいよ。

里親さんがポッキーのお見合いに来た前日、里親さんが15年間一緒に過ごした先住さんが亡くなった。

ポッキーによく似たハチワレの女の子。

里親さんは、先住さんを病院に連れて行った時、私が貼ったポッキーのチラシを見てくれてた。

ポッキーの写真を見た瞬間

「この子だ！」

そう里親さんは思ったと。

それは先住さんを失いそうだからじゃなく、先住さんの代わりとかではなく、何か直感のようなものだったらしい。

お見合いの日、前日に先住さんを亡くした里親さんは、気落ちした様子だった。

それでも、ポッキーを見て、目を輝かせた。

他の、人馴れした子たちには目もくれず、里親さんの目はただポッキーだけを見てた。

私はポッキーの性格、癖、好きなもの、長所、短所、たくさん話した。

あなたが思ってるようなスリゴロはすぐにはできないですよ。
ビビりなんで、すぐ隠れますよ。
抱っこできるまで、時間かかりますよ。
近寄りたくないときはフーシャー言いますよ。
迂闊に手を出すと、強烈な猫パンチ飛んできますよ。

デメリットばっかりや〜〜ん💦

いやいや、いい所もたくさん伝えましたよ💦

じっくり3時間かけて、ポッキーについて話し合った。

亡くなった先住さんの話もした。

先住さんのことを想い、里親さんの目には涙が滲んでた。

そして里親さんから出た言葉は
「お願いします。私をポッキーの家族にしてください！」

私をポッキーの家族に。

「ポッキーを私の家族に」じゃなく、「私をポッキーの家族に…」

私はその一言で確信した。

ああ。

この人だ。

ポッキーが待ってたのはこの人なんだ。

私以外、誰も触れたことがないポッキーに初めて会った里親さんが触れたのは、ポッキーも何か感じたからなんだ。

もしかしたら、先住さんからポッキーは頼まれてたのかもしれない。

「私はもうお母さんの側にはいられないけど、私の代わりにお母さんをよろしくね」
と…

そしてポッキーもそれを受け止めたのかもしれない。

ポッキー。
やっと見つけたね。
やっと出会えたね。

ポッキーのお母さん、ポッキーをちゃんと探し当ててくれたよ。
ポッキーが諦めずに待ってたから、ちゃんとポッキーのこと、見つけてくれたよ。
ポッキーが待ってた人はこの人なんだよね？

嬉しかった。
私と同じ位置からポッキーを見てくれる人。
私と同じように、本当のポッキーを見てくれる人。

そして今、里親さんはしっかりとポッキーの内面を見てくれてる。
外見じゃなく、ポッキーの本当の良さを見てくれてる。
里親さんなりに、ポッキーのこと理解しようとしてくれてる。

その上で、時間をかけてポッキーの心の氷が溶けるのを待ってくれてる。

「あみじゃがさん。
ポッキーに出会わせてくれてありがとうございます。
この子と本当の家族になれるよう、時間がかかってもいいから、一生かかってもいいから、焦らず頑張ります。
本当にありがとうございます！
私、この子がいてくれるだけで、本当に毎日幸せなんです！」

思わず私も

「ありがとうございます。
そんな風に言ってもらえて、ポッキーは幸せものです。
どうかポッキーをよろしくお願いします」

と返した。

返しながら、涙が出てきた。

胸の中に何かが込み上げてきて、涙が止まらなくなった。

電話を切った後、里親さんの様子を伺いながら、じりじりと距離を縮めていってるポッキーを想像して、おかしいやら、嬉しいやら。

そして何より、お互い家族になろうと頑張ってるポッキーの健気さと里親さんの懐の深さを思って、また涙が出た。

よかったね、ポッキー。
今はまだ幸せじゃないかもしれない。
でも、ポッキーは必ず幸せになるよ。

ポッキーは毎日少しずつ行動範囲を広げてるそう。
見るもの全て、新しいものばかり。
毎日、たくさん新しい発見をしてるポッキー。

そんなポッキーを暖かく見守ってくれてる里親さん。

里親さん。
ポッキーはこれから20年以上、あなたと一緒にいてくれるはずですよ。
病める時も、健やかなる時も、ポッキーはあなたの側にいてくれるはずです。
あなたならきっと、どんなポッキーでも受け止めてくれるでしょう。
そう信じてポッキーを託しますね。

最後に、里親さんが送ってくれたポッキー。

超ピンボケや〜〜ん∑(ﾟДﾟ)

仕方ないか…

実は里親さんは、とってもパワフルで楽しい60歳のおばあちゃま(^_^;)

平屋の一軒家にお一人で住んでるんですが、同じ敷地内に猫好きの息子さんご家族が住んでるので、安心してお願いしました。

60歳のおばあちゃまが、ポッキーの元気な姿を私に見てもらおうと、ガラケーで慣れない写真を一生懸命撮って、さらに慣れないメールに添付してくれたと思うと、またまた胸が熱くなった。

ポッキー。
ステキなお母さんだね。
ママ、安心したよ。

幸せにね、ポッキー。