これは、ヒカル君やしずくさんを作っていた時にも思ったことですが、作れば作るほど、いろいろな壁にぶち当たります。
たくさんの子を作らせてもらったことで、いろいろな気づきがあり、それはとてもありがたいことでした。
でも、一つだけ克服できてない問題がありました。
私の手の癖なのか、作っているうちにどうしても顔の造形が歪むというか、偏るというか、綺麗に作れない……これはまあ自分の中でのこだわりとの戦いなんで、自分にしか解決ができないことなんですが。
講習会の時に先生に言われた言葉が私の心の中でずっと引っかかっています。
「美しく造形するにはバランスが全て。美しさの肝は左右対称です」と。
そこで型紙の重要性に気づき、適当な型紙ではなく、きちんとした型紙を作ることにしたのですが……。

そう。
型紙に従ったにもかかわらず、作っているうちになんとなくゆがんでくる。
虎太郎くんの顔を先に作った時に、どうして顔の中心が歪んでしまったのか。
それをずっと考えていました。
それはちゃんとバランスのことを考えて作ってないからでは?
そう結論が出ました。
ロビン君は型紙を少し変えてみました。
正面アップの写真を参考に、どの部分にどういう高さで肉が付いているのかを観察しながら作ることにしました。
眼孔のカーブの角度は?
頬骨の高さは?
顎の膨らみ具合は?
マズルと頰の高さの差は?
作りながら何枚も写真を撮って、確認することにしました。

上から見た感じ。

横から見た感じ。

下からの角度。
写真では三次元の感覚はわからないので、そこは美雨様を引っ捕まえて顔の感じを確認(いい迷惑だw)
そして正面。

確かに、先生が言っていた通り、左右対称だとしっくりくる。
そしてモデルの写真もよくみるとそうなっている。
猫の顔って綺麗に左右対称になってるんですよね……。
猫の顔が可愛いのは、そのバランスが造形的にとても素敵なバランスだからなんですね。
たかが手芸、されど手芸。
私のものづくりのスタンスは、正確にリアルに作ることを目標にしています。
こんなの、ただの私のこだわりでしかないんだけど、せっかく作るのならモデルさんに少しでも近づけたいですからね……。
腕の未熟さは棚にあげてますがw
やってみてわかったことがあります。
骨格を理解し、細かな部分を正確に再現するようにしていけば本物により近くなる。
先生が言っていたのはこのことだったのかと思い知った気がしました。
なんだかブレイクスルーした気がする。
心の底に引っかかっていたものが壊れてすっきりした気がします。
というわけで、せっかく植毛までしたんですが、先に作った虎太郎君はお蔵入りさせることにしました。
中途半端な状態の作品を、ましてやサトミさんが大切にしていた虎太郎くんを、不完全な状態でお渡しすることはできません。
型紙を作り直し、ロビン君と同じようにちゃんとバランスを大事にして作ることにします。
顔も歪んでるし、耳もちょっと小さめだし、きちんと作り直します。
ロビン君の方はこの造形で大丈夫なので、先に進めることにします。
仕上がりがまた遅くなるけど……納得のいく良いものにしたいので。
本当……ごめんなさい(´・ω・`)
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