
ポチの墓を作ったと父が言ったので、実家に寄ったついでに参見てきた。
庭の隅っこの、木の葉が光と影のまだら模様を作っている地面の上に、四角くカットされた御影石のプレートが二つ並んでいて、左の石に「ネロ 1998-2007.7.16」、右の石に「ポチ 2002(入居)-2008.5.3」と父の字で記されていた。
その、真新しいポチの墓石の上に土が乗っていて、「ポチ」のポの字が見えにくくなっていたので、もしや、と思ったら、果たして墓石の向こうにそれがあった。ぷーんと臭ってきて、父が「ちゃぷりのやつだな…」と苦笑した。
土を被せたばかりの地面がまだ柔らかかったので、ちょうどいいやとやってしまったのだろうが、ちゃぷりといえば、ポチが家に来たおかげで初めて友達ができ、よく一緒に日向ぼっこをしたり、寒い日にはひとつの箱の中で二匹丸くなって眠ったりしていた仲である。
まったく猫ってやつは。なんだかおかしな墓参りであった。
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