鬼怒川おふ会、朝、aria、心配ごとを抱える
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AM6:00、ariaは、まだ、いびきをたてている妻を起こさぬよう細心の注意を払いながら、神棚に祭ってある、lumi○を手にし、脱兎のごとく、駅への道をひた走っていた。
そうである、結局、lumi○28mmの広角の魔力にはかなわなかったのである。唯一の気がかりは、カメラの取り説をもってこなかった点である。いくら稀有なカメラの腕があろうと操作法を知らずに撮れるほど、カメラというものは甘くない。
しかし、この取り説は、不幸なことに、寝ている妻の脇の本棚にあった。せっかくのオフ会当日の朝に、わざわざ、寝ている妻を起こして「なに、やっぱり、デジいちダメじゃん」などと勝ち誇ったような顔をされては、たまらない。我が家のデジいち様にも申し訳がたたないというものだ。
行きの電車の中で、操作法がマスターできればよいのだが……。
しかし、衆人環視の中、おじさんがカメラを操作、実験している姿は、どうみてもアヤシすぎる。駅員に通報されては、鬼怒川はおろか、浅草までたどりつけない可能性すらある。この事態だけは避けなければならない。
ariaの頭の中は、カメラの操作法のことでいっぱいであった。
マニュアルモードになるのだろうか?
プラスとマイナス補正の仕方は……いやいや、広角28mmのカメラなのだ。多くを望むまい。
だが、大自然あふれる鬼怒川の地で、希少動物に出会わないとも限らないではないか。鬼怒川である。幻のつちのこに会える可能性すらあるではないか。
……いやいや、あらぬ妄想はやめよう。
今は、シャッタースピードと広角の実現、これだけで満足せねばならない。
あふれ出る妄想と不安とを極力おさえながら、浅草に到着するariaであった。
初lumi○、かみやバーを前景に浅草駅を写す。
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つづく……か?
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