私の母は、あと数年で齡80に手が届く所謂「後期高齢者」だ。
若かりし頃はデザイン系業界でバリバリ働き、家庭の匂いなど一切しない人。
家事は基本苦手。
家事全般を義務としてやってる感がありすぎて、そんな母に対して反抗的になった時期もあったが今は個性として受け止めている。
仕事が好き。
歩くのが好き。
動物全般大好き。
そんな母は現役を退いた今、Macを駆使しながらネットで商売し、山手線2駅程度ならスタコラサッサと歩いちゃう元気ジルシな婆さまなのだ。
その母から相談があったのは、昨秋のこと。
身近なご家庭で生まれてしまった犬猫の子たち。
世話しきれないのならと、母は伝手から受け入れ先の世話をしていたそうだ。
そんな中で悩みのタネになったのが、「うっかりぽっかりまた出産」を繰り返す飼い主。
流石に母も疑問に思ったそうだ。
私と母、ついでに妹も巻き込み無い知恵を出し合い迷走したところで、はたと気付いた。
近所の動物病院を同級生が継いだことを思い出し、早速知恵をつけて貰った。
その結果、
離乳まで母親の元で暮らし、離乳と共に母子共に避妊去勢手術を完了したところで子を受け入れ先へ引き渡す。
避妊去勢手術費用とヘルスチェック、ワクチンは飼い主負担。
これ絶対。
納得しないなら説明するから連れて来なよ、と同級生が請け負ってくれたのが有り難かった。
納得してくれたひと、
そうでないひと
時に困惑することもあったが、学ぶ機会を得た母は過去に世話した受け入れ先にも避妊去勢手術の必要性を説いて回っているそうだ。
大々的な保護活動とは全く別物の、個人の狭い狭いコミュニティの中でのやり取り。
出来ることをほんの少しだけ。
小さな小さな事だが、避妊去勢手術の必要性の周知に繋がればいいわねと母は笑った。
出来ることをほんの少しだけ。
私と妹の
「ほんの少しだけ」も歩を新たに。

(小さな頃のきなこちゃん昼寝の画)
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