応援してくださった皆様。
ありがとうございました。
むぅは
本日10/24 12:15
旅立ちました。
こむすびたちのいない時間に
私に見守られ。
静かに逝きました~
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(元気だった頃のむぅ)
10/22
キミは私にゴハンをねだり
「ソレじゃないアレじゃない、
そうそうコレだ!」とワガママをいう。
いいんだ、キミが食べてくれるなら。
そのぶん、茶色いのと白いのがどんどんまるくなっていくけど。
この際それはいいとしよう。
キミは何度もトイレへ行くが、出ない。
「ねぇ変なの。お腹が苦しいの」と
私を見上げる。
病院行こうか?
「イヤだよ、オシリいじられるの。
体温計だってボクは大嫌いなんだから」
10/23
洗面所や風呂場にオシッコ。
「ごめんね…出ちゃったんだ」
と申し訳なさそうな顔のキミ。
いいんだよ、
出ないより出たほうが。
拭けばいい、洗えばいいんだから。
何度も何度もトイレで踏ん張るキミの
骨ばったオシリから
ウンチを絞り出す。
出たね、スッキリしたでしょう?
ゴハンを催促するそぶりを見せるが
食べても飲み込むことができず、
歯と唇のあいだに
なめとったゴハンが挟まったまま。
「なんだかおいしくないな」
いいよ、また食べたくなったら食べなよ。
横たわるキミを抱きしめて。
よく頑張ってるね。
もう十分頑張ったよ。
と涙が出て止まらない私。
「ち、ちょっと。やめてよ。ボクの自慢の黒い毛が濡れるじゃないか」と
身をよじって腕から逃げる。
うふふ、ごめんごめん。
それだけ元気なのに、変なこと言って。
でも歩く姿はヨタヨタで。
立っていることもできなくて。
水を飲もうとして、容器に顔が落ちてしまう。
ほらほら、無理しないの。
持ってきてあげるから。
ここで飲みなよ。
「…いや、もうその気分じゃない」
キミはプライド高いのね。
再び横たわるキミの胸に耳をつける。
早い鼓動が聞こえる。
どんなに撫でても、
いつものグルグルは聞こえない。
…どこか痛いの?苦しいの?
私にできることはないの?
「ないね。ただそばにいてほしいんだ。」
最近は
私が洗濯物を干したりしにベランダへ行くと
サッシのところまでやってきて じっと見ていたキミ。
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トイレへ行っただけなのに わざわざ起き上がってきて、リビングのドア前に座って待っていて。
開いたドアにぶつかったこともあったよね。
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今はもう首を少し動かして、
私の動向を追うだけになってしまったね。
夜、寝るとき。
寝室のいつもの場所にキミを寝かせたのに
キミは一緒に寝てくれなかった。
なんでなの?
「なんとなくね、兄貴のちゃあのそばに行きたくなってさ。
いつも一緒に寝てたなぁって」
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そっか。
生まれた時からずっと一緒だもんね、ちゃあくんとは。
10/24
リビングで、虎の皮の敷物のように伸びている むぅ。
思わず 生きてる?って言ってしまう。
「失礼だなぁー。歩こうと思ったら力が抜けてつぶれちゃっただけだよ」
いつもの場所に寝かせなおす。
「あ、ボクまた洗面所でオシッコしちゃった」と、首を洗面所の方へ向ける。
いいよ、拭いておくから。
それより何か食べる?
ちゅーるはどう?
「…うぅん、いらない。もう食べたくないんだ」
いつもならそのまま残しておくが、
今日はもうそのまま餌皿に出して、
ちゃあとてんてんにあげた。
むぅの目ぢからは失われ、
黒目のまま。
ねぇむぅちゃん?
しっぽパタンパタンのお返事も、
もうしてくれない。
こむすびたちに、
登校前にむぅちゃんにお別れの挨拶をして
優しくナデナデするように言う。
「むぅちゃん、ぺったんこになっちゃったね」
こむすびたちの登校班を送り出して戻ると、
むぅは寝たままオシッコをしていた。
「…ごめん、出ちゃったんだ」
いいよ、いいよ。気にしないでいいんだよ。
何を見ているのかわからないような
焦点の定まらない瞳に
私の影が映る。
ねぇ、ママだよ?
見えてる?聞こえてる?
涙が溢れて止まらない。
むぅは涙がなんなのか わからないのかな。
嫌そうな声で
「なぁお」と鳴いた。
泣くな!
と言われたような気がした。
なんでこんな日に限って仕事なんだろう。
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むぅ。
キミは私のところに来て幸せだったかい?
私はキミがそばにいてくれた、
この13年と11ヵ月
いろんなことがあったけど
キミがいてくれて幸せだったよ。
ねぇむぅちゃん。
私の最後の頼みをきいて欲しいんだ。
お願い。
絶対に大急ぎで帰ってくるから。
ひとりで逝かないでくれないだろうか?
もし、むぅが私と暮らしていて幸せだったと思ってくれていたなら
どうか どうか
待っていてください。
…むぅは返事をしてくれなかった。
仕事に行くと、シフトを間違えた同僚が出勤していた。
今日はそのまま交替して欲しいとお願いして。
いつどうなっても大丈夫なように、
買い物だけ済ませて大急ぎで帰宅。
むぅちゃん!
「…ん?やけに早かったねぇ。
待ってろって言うから、どうにかしなきゃと思ってたんだ」
ずっとそっち向きだと辛いよね、
向き変えようね。
「あ、ああ。なんだか手足に力が入らなくてさ。立てないんだよ」
抱き上げる時の身体の細さと軽さと
むぅの脱力加減に
改めて覚悟しなければならないと思い直す。
「んなぁぉぉー、んなぁ…」
なに、どうした?
あ、出たのね。チィ出たって言ったのね。
ねぇ。抱っこさせてよ。
「んなぁおぉー、やだ、やだ。
んなぁおぉー、んなぁおぉー…」
あらぬ方を見て
今まで聞いたことのないような声で鳴く。
あぁついに…。
むぅは待っててくれたんだね。
頑張って、私が帰ってくるのを待っていたんだね。
むぅ、ありがとう。
ありがとうね。
むぅ、大好きだよ。
ずっとずっと大好きだよ。
むぅは足をゆっくりばたつかせて、
口がむにゃむにゃ何か言いたげにしていたけれど。
足をぴーんと突っ張るようにして、
呼吸が『その時』の呼吸になって。
動かなくなった。
むぅ。
…むぅ。
かわいい むぅ。
出会った時のように
いつかまた巡り会えたなら、
私の膝の上に飛び乗ってきてくれませんか?
むぅ。
大好きだよ。
ずっとずっと忘れないよ。
ありがとう。
私のところに来てくれて。
ありがとう。
私、
むぅが居てくれて
本当に幸せだったよ。
長生きさせてあげられなくてごめんね。
13歳11ヶ月…
もうちょっとで誕生日だったのにね。
言われるのは大嫌いな言葉だけれど。
キミ monsieur には心から嘘(ウソ) 偽(イツワリ) ない気持ちで伝えたい。
愛してる。
今までもこれからも。
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