先日(11/4)静岡県主催の「ボランティア意見交換会」に出席してきた。毎年10月から11月にかけて県内各地で開催されている。
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県の挨拶から始まり、動物愛護推進員委嘱式を経て「動物愛護管理推進計画及び被災動物対策」について県側から説明があった。個人的に興味があった部分を書いておく。
現状<平成30年度>( )内は平成24年度実績
1.殺処分 犬17頭(638)、猫527頭(4,268)
2.苦情件数 犬835件(1,602)、猫1,650件(1,009)
3.ボランティアグループ 犬337(242)、猫141(98)
4.動物愛護推進員 46人(32)
5.猫の引き取り 1,362頭<うち所有者不明子猫が1,277>(3,155)
6.猫の譲渡 832頭(671)
7.犬の苦情件数 835件(1,329)
8.猫の苦情件数 1,611件(1,164)
・内訳 汚物、臭気、羽毛、害虫 706件
・保護依頼 426件
・放し飼い 316件
・鳴き声 112件
・器物破損 51件
犬の殺処分はボランティアの頑張りによって目に見えて減ったのが分る。
猫も減っているがまだ500頭を超え、5.猫の引き取り件数は半減してるものの幼齢猫が90%を超えているのが特筆される。
やはり大きな問題は猫だ。特に8.猫の苦情件数は平成24年度1,164件だったが、平成30年度では1,611件と増えている。また、猫の殺処分数は527頭であるが、今回言及されていないロードキル(交通事故死)は8倍から10倍と言われ更に大きな問題。(参考:下記表はH29全国調査より)
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猫の苦情件数のうちわけを見ても外猫によるものが大半である。
県は対策として「室内飼育」と「繁殖制限」の2つを上げていた。
さて、意見交換会は活発であったというのが感想。ボランティアや愛護推進員さん、興味がある方が参加されていたが、それぞれの率直な疑問や意見が聞けて有意義であった。
テーマは被災動物であったが、やはり猫についての意見が多かった。
特にTNR(Trap Neuter Return)、<捕まえて、不妊して、元に戻す>だ。
適切なTNRについて愛護推進員さんの説明があった。
私は繁殖制限という意味では評価しているが、苦情件数の増加という観点から室内飼育の方に重点を置いており、その点を発言している。毎年、猫のTNRについては話題が尽きない。しかし大元は外に出す飼い主が産み出した野良猫である。野良がいるからTNRや地域猫の考えが始まった。これは外猫を許容する考え方で捨て猫を誘引する恐れが強い。一般人から見ると不妊の証である<さくら耳>に気づかず、ただの外猫にしか見えない。
野犬・野良犬がほぼいなくなった理由は、狂犬病予防法により捕獲することが行政側に義務付けされてるから。そのために飼い主は繋いだり室内飼育で犬を管理するようになった。
現在の外猫は管理されてるとは言えない。室外に出される猫・TNRされた猫・地域猫は極論すると1日1~2回程度のご飯を貰っているだけと言える・・管理とは遠い状態だ。だからロードキルに遭い、病気・ケンカ、果ては虐待対象などで早死にする。そして苦情対象の元になってる。
のんびりと日向ぼっこしてる猫に癒される人、外猫の写真が好きな人、その裏で猫自身は凄惨な日々を過ごしている。平均寿命が3~5年と言われてるのがその証明。
最後に一言。県の言う通り猫対策は室内飼育と繁殖制限に尽きるとは思うが、敢えて一つだけを選択すると私は室内飼育。それを進めるには狂犬病予防法に猫を含める、または罰則付きの条令を作ることだと考える。
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