忙しい現代で、自分を見つめ直す時間が大切…といった言説で語られることがあるけれど、
ヒロシさん自身はそんなこと一言も発してなくて、
純粋に『独りが好きだから』というブレない軸を持っている。
ほんの数年ほど前まで、
ひとりぼっちは過剰に恥ずかしいことだとされていた。
昼食時に、一緒に食事をとるトモダチがいないことを気恥ずかしく感じ、
トイレでゴハンを食べる…なんて都市伝説が、まことしやかに語られた。
ヒロシさんの立ち位置は、そんな過剰な『みんなと一緒がイチバン幻想』に、
ほんの少しブレーキをかけてくれている。
とは言え、現代社会の中で、ヒトとヒトの関係性の圏外で、
全く孤立して生きていくことは無理だ。
だから、自分というものとそれ以外のものとの距離感を、
程よく保っていくことが必要なんだろうと思う。
それは、自分のジンセイの舵を自分自身で保ち続ける、ということだと思う。

そんなことを、
愚かなニンゲンのひとりである私は「考えて」しまう。
けれども、生来『独り』である猫族には、ごくごく自然なことなのだろう。
連中は「考えるまでもなく」独りで生きているつもりである(笑)
そこに越えられない深い溝がある。
思考や感情で物事を捉えるニンゲンは、情動で行動する猫族には敵わない。
生命と行動がありのままの猫族といて、
そしてその多様さに触れて、
私はいつも「こんな風に生きられたら」と思う。
ひょっとしたら、老子の語った『無為自然』ってやつ、
猫族は既にそんな境地なのかもしれない。
そして畢竟、
私たちも同じく『独り』であることを
教えてくれているのかもしれない。
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