腸閉塞を起こし、それで発覚したのだ。
自覚症状は全くなかった。
ステージはⅢaと転移がみられるもの。
2度の手術と抗がん剤治療により、一命は取り留めた。

がんという病気は、切って終わりでないケースが多い。
むしろその後の治療期間が長い慢性病だ。
私の場合も、5年間は経過観察として定期通院をしている。
大腸がんの場合、再発・転移のおよそ85%が4年以内に発見される。
だから4年経過というのは、
おおむね安パイな位置にたどり着けたことを意味する。

先日のCT検査の後、
それまで3ヵ月に1度だった検査を、
半年に1度に減らしましょうと提案され快諾した。
次の通院は来年3月。
診察室から立ち去る際に
「では、良いお年を」と言うと、
先生はニコッと笑って「そんなkddgpxさんだから大丈夫なんですよ」と言われた。

この4年、同じ病気で知人を3名亡くしている。
生き延びている私との「差」は何かと自問する。
帰宅して、猫族(あるいは狸)を眺めながら、
この子たちも、私が死んだら困るだろうから、長生きすることに決めたんだと嘯く。
お世辞にも器用に生きてきたワケでもなく、
むしろ行き当たりばったりのふざけた生き方だったから、
長生きしたいなんて気持ちは、ついぞ持てなかったはずなのに。

ベッドに転がり、タブレットで映画を見ていると、
そんな私の脇ぐりにポロリがやってきて、一緒に映画を覗いてる。
こんな嬉しさは、生きていてこそだねと、ひとり頷く。
生きていたい。そう思うより、もう少し深いところから感じてる。
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