大切な存在

2020年10月2日(金) 220 / 0

職場で猫の話ができる仲間がいます。

見た目、猫なんか関係なさそうなおっちゃんです。

ミケちゃんとタローちゃんが職場に住みついていた時、
保健所に連絡されるって情報をこっそり伝えてくれた優しいおっちゃんです。
『もう、ごはんあげないよ…』手招きして苦しそうに言いました。

心が苦しくて葛藤したけど、
それでも痕跡が残らないようにと気をつけながらミケちゃんたちに
ごはんをあげ続け、結局保護する決心をして今に至ります。

おっちゃんは、保護したことを私から報告されてから
自分も猫を飼っていることを話しました。

本当は見ないフリすること、辛かったんだろうなあって思います。

そっと自分のスマホから飼っている猫ちゃんの動画を見せてくれました。

犬のように投げられたおもちゃを加えて何度も持ってくる様子が映っていて、
目を細めて愛おしいその子のことを語っていました。

ミケちゃんたちとの生活は、毎日新しいことばかり。
楽しいこともあるけど、眠れない苦しさやどうしたらいいのか
わからないこともいっぱい。

そんな時は、おっちゃんにも教えてもらったり。

朝早く出勤しているおっちゃんとは、この時間特に誰もいないので
情報交換しています。

珍しく休んでいた翌日のこと…
おっちゃんの方から話してきました。

『あの猫たちは、ずっと飼うの？』
『うん、もちろん』
『よかった。なら、ちゃんと注射してよ』
『うん』
『うちは猫が4匹いるんだけど、1番可愛がっていた子が…』

おっちゃんは頬に涙が流れる仕草をしました。

『どうしたの？』
『白血病だった。痩せていって、仕事から帰ってきたら、もう冷たくなっていた』
『あの動画の子？』
『そう』
『だから、ワクチンしてよ。』

猫は、家族です。
辛い。

いつか別れは来るけれど、辛い。

ミケちゃんとタローちゃん、
うちに来る前に検査もして陰性でした。
ワクチンも打っています。
それでも、何かはあるでしょう。
痛いとか、苦しいとか言えるわけではありません。
一緒に生活するうちに私が気づけるようになれるでしょうか…

大切な家族。
長く一緒に楽しく暮らしたい。

おっちゃんの心が癒されますように…
あの子は大切にされてうれしかったと思う。

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