正面に配した椅子にレプン姐さんが、すとんと座った。
私を見つめながら、何か言いたげな口元だけど、何も言わない。
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どうしたのかな?と思うと、ころころ言ってる。
不思議な動物だなぁと、それはいつもの私の感想だけど。
小さな額を撫で上げて、そのまんま抱っこして、
部屋の中をぐるぐる回る。
耳の横で、姐さんのころころ音が、子気味良く響く。
外灯も、隣家の明りもほとんど見えない、田舎の一軒家。
月と星以外、何にもないけど、私は世界を支配したような気にさえなれる。
レプン姐さんさえいれば。
ジンセイはきっと「マジカル・ミステリー・ツアー」で、
この先に何が起こるかなんて、誰にも分からない。
けれども、最後はアルバムのように「愛こそすべて」で終わるんだろう。
つまり、The Beatlesは全部正しかったってことを、
レプン姐さんも知ってたってことかもね(笑)
同じ椅子に、姐さんを置いて、もう一度その額を撫でる。
姐さんは、大きな口を開けて欠伸した。
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