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みんなも知ってると思うけど、今、可愛い子にゃんと同居してるにゃ。
あれは窓の外が白くなった頃だったにゃ。
飼い主一家が、何やらゴニョゴニョといろいろ話し合ってたにゃ。その後、隣の部屋でゴソゴソと何かし始めたんにゃ。
「何やってるんにゃ?」と思ってたら、そのうちバタバタと騒がしくなって、猫の鳴き声がしたんにゃ!
この家で猫の鳴き声がしたのは初めての事にゃ。様子を見に行ったら…。
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びっくりしたにゃ!!
ずっと、「可愛いにゃー。友だちになりたいにゃー。」と思ってた可愛い子にゃんだったにゃ!!
嬉しかったにゃー。
でも最初からいきなり「友だちになってにゃー。」なんて言ったら軽い男と思われるかもしれないからにゃ、最初はクールに決めたにゃ。
飼い主は可愛い子にゃんのことを、ナツちゃんって呼んでたにゃ。可愛い子にゃんはナツちゃんていうんだにゃー。
ナツちゃんは俺を見ると「シャーッ!」とするにゃ。でも気にしないにゃ。初めて会う子なら挨拶みたいなもんにゃ。
俺は焦らないにゃ。
まず、ナツちゃんに俺のカッコよさを見せないとにゃ。俺はナツちゃんの前で俊敏に走って運動神経の高さを見せつけたにゃ。そして自慢の美声でナツちゃんに呼び掛けたにゃ。
ナツちゃんはなかなか心を開いてくれなかったけど、少しずつシャーしなくなったにゃ。
そして、初めてのチュウ。
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でもチュウの後、シャーッ!とされたにゃ。
女心は難しいにゃー。
そのうち俺は気付いたにゃ。ナツちゃんからいつもある臭いがすることに。
何の臭いにゃ? なんだか嫌な臭いにゃ。
そうにゃ! これは、怪我をした時の臭いにゃ、痛い痛い時の臭いにゃー!
痛い時の臭いはナツちゃんのお尻からするにゃ。
俺はそーっとナツちゃんのお尻の臭いを嗅いだにゃ。そしたら、ナツちゃん、すごく怒ったにゃ。シャーッとされてパンチもされたにゃ。
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ごめんにゃ、ナツちゃん。でも俺は心配だにゃ。俺はナツちゃんに「大好きだにゃ」と伝えたにゃ。ナツちゃんに向かってぱちぱちとまばたきしたにゃ。
でもナツちゃんは、目を逸らしたにゃ。
悲しかったにゃ。
そしたら飼い主が俺を撫でてくれたにゃ。
撫でながら「ナツちゃんは病気なんだよ。病気だからブッコさんがあんまり近くに来ると辛いんだよ。きっと嫌いな訳じゃないよ」って言ったにゃ。
「病気」って何にゃ? わからないけど、飼い主はなんだか悲しそうだったにゃ。
その頃からかにゃー?
飼い主がナツちゃんをじーっと見つめて、思い詰めたような顔をするようになったにゃ。
しょうがないにゃ。
俺は飼い主ににゃーにゃー話しかけたり、鼻チューしてやったりしたんにゃ。そうしたら飼い主は笑ったにゃ。
俺だって悲しいんだけどにゃ、仕方のない飼い主だにゃ。
でも俺はまだナツちゃんと仲良くなるのを諦めてないにゃ! 相変わらずシャーッとされるけど、いつか思いが届く時が来るにゃ!
飼い主の面倒も見ないといけないのが大変だけどにゃ。これも猫の務めだにゃ。
全く、男はつらいにゃよ~!
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