ヌプルをクルマに載せてサンポに連れ出した。

ヌプルを、新しい場所に連れて行くと、
あちこちの臭いを嗅ぎ、道を右往左往。
なかなか真っ直ぐ進まない。
時折、同じく犬のサンポをしている方とすれ違うが、
そういう犬はみんな、ちゃんと真っ直ぐ道を歩いてる。
私はいつも苦笑しながら、恥ずかしげに会釈を交わす。
ヌプルは実のところ何歳か分からない。
お医者さんに聞いたり、犬ボラの方に聞いたりして、
総合的なところで8歳となった。いづれにせよいいオトナだ。
4歳くらいで妻の職場の保護犬となり、
彼の世界はそこだけになっていた。
その前は老人が飼っていたらしいが、それまでの生活状況は誰も知らない。
ヌプルのサンポ時の落ち着きのなさに、
まるで図体の大きな子犬みたいだな…なんて思ってたけど、
ひょっとしたら彼は、子犬をやり直してるのかもしれない。
頭の上に手を差し出すと、目をつぶって避ける動作をする。
伝わる緊張感に、私はいつもつらい気持ちになる。

ここは君の終の棲家。
そして、私にとって君は
一番大きな我が家の末っ子。
ゴハンをモリモリ食べ、
朝夕のサンポでやたら歩いてるせいか、
ヌプルはうちに来た当初に比べ、明らかに筋肉がついてきた。
名前も覚え、アイコンタクトがとれるようにもなってきた。
私も君もそう、
最終回を図に乗って、撮り直してるんだ。
楽しさは、まだまだこれから、だね。
最近のコメント