筆者は、相変わらず、深夜に猫メンテする。
先日お話したとおり、夜の運動会を必ず始めるので、その防止兼用だ。
なお、ヒマというわけじゃなく、飯も作るし仕事もするし、別のブログも書く。
男おばさん状態で普段から家事をしまくるのは昔からだ。
これは生い立ち上、親が毒系のスパルタで、家の雑務と飯炊きが仕事だった名残だ。
おかげで、寝ている時以外はずっと何かをしている落ち着きのない性分でもある。
さて、そんな中で猫メンテの話だ。
筆者的には、鉄板の重要な猫メンテと位置づけているものだ。
こういったメンテナンスは猫とのスキンシップでもあるし、飼い主との信頼関係の醸成でもあるから、極めて重要だ。
しかし、この対応は、猫の月齢や種類、生い立ちなどによってかなり異なる。
例えば、先住1号のソフィアは、ショート・ソマリ(アビシニアン)という品種的な暴れん坊体質に加え、ずっと狭いケージのみで育てられたあまり人間と干渉をしなかった不幸な生い立ちを持つ。
その為、来た当初は、顔を拭くとかでもものすごく嫌がるし、爪を切るにしても激しい抵抗を見せていた。
抱っこも嫌いだし、そもそも人間とくっついているのも苦手だ。
実際、囲われていたケージは三段ケージというのは名ばかりで、トイレの上しか立てない、四足の体高ギリギリの高さしかないベッドに幼少時からずっといたような猫だ。
三段ケージがあります!(キリッみたいのが当てにならない好例だ。
どう見ても重さや大きさと合わない子猫レベルの飯量だったのは、元の飼い主さんがメンタル系の持病で手帳持ちだったから致し方ない事だろう。
その為、愛情を注ぐ事、人間との信頼関係を築くことなどを、筆者のところに来た2歳以降になって行うというかなり無謀な作戦だった。
こういったケースでは、伸び切って異常に尖った鈎状態の爪を切るのに拘束するだけで大暴れなので、しばらくは猫拘束のネットにお世話になった。
しかし、これは筆者的には心痛むものだった。
ネットにいれると言うだけで、猫にはかなり負担で、かつ、愛情という話ではないからだ。
さりとて、暴れる・噛むなどの抵抗は普通だから、安全に切るためには仕方ない。
徐々に慣らしていき、ネットも必要なくなってきたら、抱っこしながら切ったりするレベルまで落ち着かせ、という流れだ。
おそらく爪切りなどの猫メンテを絶対に理解しない、受け入れないタイプの性格の猫なら、ずっとネットは必要だろう。
何事にも例外はあるから、理解するのもいれば理解しないのもいるのだ。
また、筆者は猫が暴れて拘束を逃れようとする時、逆に絶対に逃さない。
それが猫に高ストレスであろうとも一時的なものでしかなく、逆に暴れれば逃げられると憶えてしまうからだ。
命が危ぶまれるような事態なら必死で逃げてもらっていいんだが、メンテ等に関してはその範疇じゃない。
案件目的の違いを理解してもらうのには、
メンテを、嫌な行為→身の危険を逃れたい→暴れて逃げる→逃げおおせて安心シメシメという流れには
絶対にしないことが極めて重要だ。
猫的に経験がないために慣れてないだけの事を、身の危険がある行為・恐怖と誤解するだけなので、それをいかにして解くかがキモなのだ。
リスクのある状態でしっかり逃げる行動を取るというのは必要なことだ。
ポイントは起きていることが本当のリスクかリスクじゃないかということを猫に解らせるのに、飼い主との信頼関係をどのように築くか?なのだ。
単純に猫が嫌がるからやらない、というのでは病気の時などのいざという時のケアすら不能になる。
何故かそのような価値観の方が見受けられるのには驚かされる。
もし猫自身が具合が悪い・なにがしかのピンチ状態であるなどの不具合時に猫に頼られる状態なら、ある程度、猫との信頼関係や理解が育っていると考える。
過去、飼っていた犬猫では全てそれだったし、今もそうだ。
そして先住2号はハイパービビリー体質に加え、長毛種というだけで爪は切りにくい。
しかもブリーダーさんが月齢もろくに憶えておらず、違う猫の写真を送ってきて、この子は○月生まれで間違いないです!と言いはる謎っぷり。
その為、最初からかなり苦労してメンテをしまくって教えた。
幸い、猫キックが得意な反面、手の爪を立てたり噛んだりということはしない性格なので、ビビる必要がない行為というのを教えるだけだった。
それでもビビっておしっこを自分で浴びて自爆し撒き散らしたりなど、手間も少なくない。
それ故、頻繁に抱っこをしながらメンテを繰り返し、人間との関わりを教えていくという流れだった。
3匹目ともなると、急に降って湧いた猫だった上に親も野良猫の野良上がり。
なにかの拍子で野良猫っぽい状態になりやすい。
メスなのに妙にオスっぽいやんちゃ性格だ。
しかし、非常に明るい性格なのは幸いだった。
物覚えがいいから、きちんと教えるとNG行動はやらなくなる。
筆者的には一番、楽ちんな猫だ。
何しろ、メンテや噛み癖矯正に、結構、厳しい対応をしていると思うんだが、それでも抱っこするとゴロゴロいいながら寝るし、寝ている所に撫でてもニャニャーンと言いながら、ゴロゴロ喜ぶ。
そういった前提で、
猫にきっちりメンテをしていくことは、親猫が子猫の世話を焼くのと同様、飼い主が猫との関わりを深め、信頼関係を醸成しながら、NG行動を教え込んでいくのには、極めて重要だと考えるわけだ。
この措置の難しいのは、猫にとって人間はでかすぎる巨体である恐怖や、力加減が猫対猫レベルで必要なのに人間だとパワーが強すぎること、メンテが猫自身にプラスであることの理解などの種族間を超えた齟齬をどのように埋めるか、だ。
時に、擬人化して考えがちな世界であり、一般には誤解も多い。
猫には猫の世界の猫個別の理屈があり、人間の同じものを押し付けても理解は及ばない。
同様に人間には人間の都合があり、猫の理屈だけでまかり通ることはない。
思い込みや誤解少なく、どのようにすり合わせるのかが、とても難しいように見受ける。
さて、前置きがだいぶ長くなってしまったんだが、筆者の犬猫のメンテに対するこだわりはご理解いただけたと思う。
猫の爪切りは、猫自身の爪とぎとは別にとても大事な作業で、猫の調子を推し量るのにも使える。
子猫のうちなら、猫の動きを把握してうまく対処することが重要だ。
人間同様、猫にも関節技みたいのがあり、うまく抑えると軽い力でも管理可能だ。
しかし、子猫は大人猫より関節が柔らかいので、少し工夫がいる。
加えて、人間同様、猫は首が絞まりやすく、制圧方法が悪いと呼吸に難が生じ、命に関わる事態になって大暴れする。
犬は人間とは異なる気道のラインで締まりにくいからこそ、チェーンリードが成立する。
このように犬猫と考えても大きく違うので注意が必要なのと、些細なことで気道がふさがりやすい=気道などの呼吸ラインが妙に小さく、意外なこと=ちょっと嫌な所に指がかかっていたという程度でもふさがりやすい。
そこで大事なのは、猫の体の特性上、伸ばしたら何も出来ない+呼吸確保はできるという特性。
流体みたいな体質を持つので、体を縮めると伸ばす力が強い。
しかし、伸びちゃったものを縮める力はないのだ。
人間は逆に、引く力は強く縮めるのは得意だが伸ばす力は小さい。
畳んだ腕や足は僅かな力でも伸ばせないが、伸びた状態から縮めているだろう?
生き物の体格の特性を利用し、まず、猫の足や手を縮められないようにしてしまうのだ。
このサイトでは写真が5点しか載せられないので、ちと難儀するんだが
まず、下記のようなものを準備する。
1:猫のボディを柔らかく拘束し、手足が伸ばせる状態を作る為の柔らかいものを準備する。猫万歳みたいな姿勢を作る。
2:同時にアルコール系のウエットティッシュ(止血用にしか用いないこと)と、清拭用のノンアルのウエットティッシュ、ギロチン型の爪切りを用意する。
必要に応じて、顔にかける手ぬぐいや首にかけるテープなども用意しておく=猫性格による。
猫の爪は断面がカマクラ状なので、人間の平たい爪向きの爪切りは使わないこと。
子猫を猫万歳状態で優しく包み、大きな輪ゴムで留めてしまう。
手足は柔らかく伸びている状態で、縮まなければOKだ。
縮む→どかっと蹴り出す事が可能だが、縮まないと何も出来ない。
噛まれたりしないように、顎に軽く手ぬぐいなどをのせたり、テープを頭に通してしまうと、これまた噛んだり出来ない。
噛む行為は顎を開いて対象に噛みつき、口を閉じ、顔をひねるみたいな動きなためだ。
顎が上がってしまうと、噛むことが出来ないのだ。
ただし、この時、絶対に、気道が塞がらないよう、呼吸の確保に気を使うこと。
あとは、ギロチンの爪切りで光に透かしながら肉を切らないように爪を切っていくだけだ。
できるだけ手早くやることと声をかけながら切ること。
かわいいね〜とか、爪が解りにくいね〜とか、だいぶ伸びたね〜みたいに、人間に話しかけるような感じで声のトーンをできるだけ楽しい感じにすること。
人間の声のトーンは、猫がむちゃくちゃ意識している部分なので重要なのだ。
終わったらナデナデしつつ、ちゅ〜るでもあげて褒めてあげる。
これを繰り返して、憶えさせるのだ。
肉球に金属の冷たさがヒャッとなるとビビットに嫌がるので注意。
万が一、肉を切ってしまった場合はギャッとかいうので、冷静にごめんね〜とかやさしくいいながら=慌てて大きな声を出したり、きゃーとか言うと、それで猫が興奮してしまうから、あくまで冷静に平静に!
速やかに用意しておいたアルコール系のウエットティッシュでギュッと断面を押さえ、30秒から1分ほど待つ。
ウエットティッシュは切断面に垂直に当てること=並行して挟んでも爪を潰す状態でかえってそれが痛く、抵抗される。
切断面に押し当てるとアルコールで血管が収縮した上で血液が凝固し、血がすぐ止まる。
爪切りでは切断面が○状態なため、血が止まりにくくいつまでも出てしまうから、能動的に止める行為が重要なのだ。
同時に、猫爪はトイレなどでも使うし床も常に触っているのでかなり汚く、血管切断面がむき出しだと要らない感染を呼びやすい。
このため、アルコール系のもので押さえ、速やかに止血する。
ただし、猫はアルコールの分解酵素を持たないため、傷口以外に使ってはいけない。
特に尻の穴や口など粘膜面に用いると酔っ払ってしまうのでNGだ。
時に命の危険があるので絶対だ。
また、爪切りで難易度が高いのは、爪が黒い個体だ。
透けないため、どこから肉なのかわからない。
この場合、もし伸び切っている尖った鋭い爪ならば、先っちょから1ミリ程度で切ること。
子猫なら0.5ミリくらいしかダメだ。
無理に肉ギリギリまで切らず、こまめにカットしながら猫との信頼関係を醸成して欲しい。
また、ある程度、猫が爪切りに慣れてきたら、だんだん拘束は必要なくなる。
手ぬぐいだけにして、足だけ軽く伸ばすとかでいける。
もっと慣れたら、膝上で拘束無しでいける。
猫爪18本の内、16本程度しか頻繁に切らないし、その本数なら数分以内で終わる。
抱っこしながらすぱぱっといけるんで、その状態まで早めに慣れさせる事だ。
いま、うちのチビならほぼ拘束無しで切ることが可能だが、たまに嫌がる。
この時も教え時で、嫌がったら頭をつかんで軽くギュッとしてしまう。
アカンことの合図を教えておくと、猫が理解しやすいのだ。
つまり、普段からNG行動の時にやっておくと、その行為だけでダメなやつやとわかってくれる。
もう1つ、子猫のうちだと、首の後をつまんで制圧というのが鉄板だ。
あまりギャーのギャーのうるさいようなら、首の後の皮をつまんで持ち上げる。
ただ、つまむ場所が悪かったりすると体をひねって、後ろ足で摘んだ手を蹴り外そうとするので注意だ。
つまむのにナイスな場所だと、観念した顔でぶらーんとする。
ただし猫が大きくなると自重が重すぎて、この状態でぶら下げるだけで痛がる。
ぶら下げるのは、せいぜい、2キロくらいまでの体重までにとどめておくべきだろう。
それ以上になったら、首後ろを引っ張って行動制限する程度で、ぶらさげるのは厳しい。
また、横になっている状態なら、片方の手で首後ろをつかんで片方の手で両足をつかみ身長方向に伸ばしてしまう。
この状態で猫は何もできなくなる。
興奮して激しく暴れるようなら、そのまま床に伏せると、少ししたらすぐ落ち着くはずだ。
猫の特性に合わせたメンテナンスで、うまく猫との関係を築きたいものだ。
最初の内はこんな感じにしてしまうと楽。
足を縮められないようにするのがコツで、手はこんな程度でいい。
問題は噛まれないような工夫。
用意するものはコレ。
他、手ぬぐいとかテープだ。
この猫の場合、噛んで振り払ったり異常にギャーギャー騒ぐ癖があるので、最初の内は手ぬぐいを顔に撒いていた。
噛まれない工夫が下記。
妙に騒いで噛むようなら、上半身はこのような感じ。
これは気道も確保でき、噛んだり出来ないのでオススメだが、簡単に振り払えるのが欠点。
前足の爪を切る時、嫌がって噛んだりする場合はかなり有効だ。
このテープで25mm幅で、20〜25mm位が丁度いい。
直径は太くても問題がなく、ぶかぶかすぎるなら頭の後ろになにか入れておけば、顎は自由に動かない=噛めない。
後ろ足はこのような感じで、指を猫の踵に引っ掛けて、足を急に引っ込めたり出来ないようにする。
あとは空いている人差し指と親指で爪をにゅっと出せばいい。
手も同様で、猫肘に指を引っ掛けておくと動きは制圧しやすい。
爪の出し方は甲の方から先をくいっと押せばにゅっと出てくる。
ただし、指先を怪我した猫=足先を踏まれた経験があると、爪が自在に出し入れできない猫がいて、指によってはにゅっとやると妙に痛がったりする。
うちの場合、2匹が我が家に来た段階でソレ。
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