家主から朝6時に電話をもらい、すぐに訪問した。
家主は心配で心配でしょうがないらしい。
猫達は私の姿を見て逃げてしまったが、少しずつご飯も食べ始めているようだ。
大丈夫と言う私にようやく家主は安心してくれた。
私は子猫達の里親さん探しが本格的に始まった。
ちびちび3匹は順調に離乳食を食べられるようになり、
1.5ヶ月3匹は便検査を受け、ワクチン接種をする。
唯一ゴミ屋敷に同行してくれた個人ボラさんが保護猫に理解ある病院に連れていってくれた。
また、別の個人ボラさんには希望者を紹介いただき、お見合いや譲渡会参加も決まりバタバタしていた。
久しぶりに家主を訪問した。
大好きなママドールを渡し、猫達の様子を聞く。
三毛ママにチュールをあげながら、白長毛のことを切りだそうとした時、
「猫返してもらえないかな。」
と家主が言い出した。
何を言っているんだ!
「おじさん。それはできないよ。」
私はつとめて冷静に、子猫6匹は新しいお家が決まっているとウソをついた。
団体が里親さんを探してくれたのだから従わないと。
なんとか納得してもらわなければならない。
私は子猫達の様子を写真に撮り、百均で額を購入しパネルを作った。
そしてシロくんが亡くなった時に家主と一緒に撮った写真も小さめの額に入れた。
これ飾ってね、おじさんにプレゼント。
とても大きなお家にもらわれて、とても可愛がられているとウソを言う。
そして、シロくんとの写真をみた家主はありがとうと涙しながら、
こんなにきれいな家ならその方がいい。うちより全然いい。
この一件以来、猫を返せとは言わなくなった。
6匹の子猫達は、あっと言う間に里親さんが決まった。
1.5ヶ月3匹はワクチン代を含む有償譲渡、ちびちび3匹は無償譲渡と代表から連絡を受ける。
私は了解ですとだけ返信した。
そして4月28日


初期医療を済ませ4週間お世話したちびちび3匹を、譲渡会で里親さん家族に引き渡した。
譲渡会はもともと個人ボラさん達が有志で始めたものだ。
団体はTNRを中心に活動しているので、譲渡会に顔を出さない。
しかし、今回私が保護した子猫達は団体の仕切り。
契約書のやり取り、有償か無償か、お届けかその場譲渡か、里親さんと全て話がついている。
私はどこの誰が里親さんになってくれたのかはっきりと知らされていない。
知る必要がないということだ。
最後にお世話になった個人ボラさん達にお礼のお菓子を渡した。
ボラさん達本当にありがとう、感謝して譲渡会を後にした。
翌日、
「今後も子猫の預かりをしてくれないか」と、
団体ブログで代表から呼び掛けられたが、丁重にお断りした。
そもそもケイコとミミコは団体から譲渡された子だ。
代表自らこの狭い我が家に届けに来て以来、何度も訪問を受けている。
当初からメールのやり取りもしているし、今回のTNRも全てメールで連絡している。
なのになぜブログなのか?芸能人なのか?
私には理解できない。
預かりさん辞退の理由については話を盛ったが、きっぱりと、尚且つ丁重にお断りした。
そして、無料で借りていたケージをきれいに拭き、返却準備を始めた。
令和1年5月1日。
ケージを引き取りにきたTNR担当者に感謝を込めて1万円を渡す。
さぁこれで何があっても団体を頼ることはできないのだ。
なんせ私は、面倒事を持ち込み、ご迷惑をお掛けしたのにも関わらず、有名人である代表自らが、預かりさんにスカウトして下さったのだ!こんな私を!
本来ならば、恩義を感じ、よろこんで!とありがたくお受けすべきところを、私はきっぱりとメールでお断りしてしまった。
相当お怒りだと想像できた。
当然、寄付を受け取ったとの連絡はない。
恩義は1万円ぽっちでは伝わらないのだ。
10万円ぐらい寄付したら伝わるのかもしれない。
まだTNRは終わっていない。
私は自分のペースでできることをしよう。
まずは家主に本当のことを話してもらわなくては。
年号が令和に変わった記念すべき日を、すっきりした気分で迎えることができた。
続きます。
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