
5月20日
ようやく家主と連絡が取れた。
ちょっと忙しくて出かけていたという。
どこに行っていたのか?
猫達はご飯をもらっていたのか?
の問いに、いや色々忙しかったからと、はっきり言わない。
でもご飯はあげていたよ。
確かに猫達は元気そうだったが、ターゲットの2匹は姿を見せない。
私は残り2匹を早く手術したかった。
来週月曜日はどう?
その日は忙しい。
じゃ火曜日は?
その日も出かけている。
いつならいいの?
来月なら大丈夫。
そんなに待てないよ。妊娠してるかもしれないよ。
すると家主は、
外に出してないから妊娠はないよ。
お金ないんだよ。年金入るまで待ってくれ。
私が立て替えることも考えたが、家主の意志を感じた。
とにかく今は手術したくないのだ。
私は子猫をイメージしていた。
既に産まれているか、もうすぐ産まれるか。
白か茶か、それとも両方か。
じゃ来月にしようね。
また連絡するから。
帰宅した私は、アマゾンでポータブルケージを購入した。
毛布やバスタオルを用意し、粉ミルクと哺乳瓶、ロイカナベビーのフードを買いに走る。
好物のお菓子を持って家主を訪問し、世間話をしながら変化を探る。
三毛ママは私をチュール屋さんと思っているようだ。
全てはこの三毛ママから始まった。
あなたの子ども達も絶対手術するからね。
最後の子猫にしようね。
準備は万端。
さぁ、いつでもいらっしゃい。
5月28日夜8時過ぎ。
家主からの電話を受けた。
いつもはとっくに就寝している時間だ。
とうとうきた。
白長毛がずっと鳴いているんだよ。
明らかにあわてている。
白長毛は毎晩家主と一緒に寝ている。
寝室は唯一畳が見える部屋だ。
大丈夫。あわてないで。
箱にバスタオルを敷き、その中に白長毛を入れるように指示をする。
あとは家主が静かに見守ってくれれば良い。
お産は命懸けだ。
私はどうか無事に産まれてくれと祈るしかないのだ。
そして。
夜11時過ぎ、白長毛は4匹の男の子を出産した。
バース兄弟が産まれた。
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