おっさんの筆者は若かりし頃に、田舎で野放図な猫の増殖を目の当たりにしてきた。
70年代頃の話なんだが、とにかくかなり適当だったし、獣医さん?ナニソレ?みたいな風潮だった。
あそこんちの床下で猫が産んでたよ〜なんていうのはよくある光景だったのだ。
よその家猫がうちの家猫にランデブーなんて言うのも日常茶飯事だ。
去勢や避妊もしてない猫がサカリに任せてうろつくんだからあったりまえだ。
それ故、油断をするととんでもない増え方をしてしまうことを、身を持って知っているのだ。
結果、年間、とんでもない数の猫が殺処分されていた痛ましい事実がある。
↓↓↓↓
犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(動物愛護管理行政事務提要より作成)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
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上記の推移を見ていただくと解るんだが、平成元年頃が大変な事態だ。
そこから、ボランティアさんの不断の努力の結果、猛然と減らしてきても、現状は結構な数が殺処分される。
なお、昭和の時代の数が犬のすごい数に対し、猫があまりいなかったのには理由があろう。
まだ野良犬がみられたような時代で、家猫の管理というものもないから、自然淘汰が厳しい状態だったと推察される。
基本的に、猫はあまり強くない動物な為、捕食対象にもなるし成長しない内に亡くなる確率が高いわけだ。
こういった動物は、多産でDNAを紡ぐという手法を取る。
数をたくさん産むことで生き残り確率を上げるわけだ。
この特性は、そういったリスクが減ってきた現代でも普通に本能として存在するので、野良犬などが減った反面、猛然と増えていくわけだ。
先日も筆者は、とある犬猫系サイトの管理者宛にお願いカキコミをした。
そこには、家猫のオス+メス2匹が同じ種で同時期に出産して、大家族ニャン♪みたいな話が出てたのだ。
元の動画には、避妊しろとか厳しい言葉がならんでいたんだが、そんなものをかわい〜♪とか紹介されると大変困る。
無責任に飼いまくり、どかどか増やして崩壊する事例がかならず出るからだ。
ちゃんとしたブリーダーさんみたいにしっかり対応されているならともかく、本業の傍らで家猫を繁殖させてしまうのは危険極まりない。
下記の記事を見るとそのリスクが解る。
↓↓↓↓
猫は繁殖力の強い動物です
https://www.city.saitama.jp/008/004/003/newsfromawmcenter/newstogeneralpublic/p040242.html
こちらにある「もっと飼いたい?」というパンフレットがこちらだ。
↓↓↓↓
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2305a/full.pdf
以下抜粋
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上記には、多頭飼育のリスクも詳しく書いてある。
筆者も犬や猫を保護主さんから譲り受け、常時、4〜5頭を目安に飼ってきたんだが、全て去勢や避妊がしてある。
常時この数なのは、病院代やエサ代などの金額を計算して、筆者の経済事情で無理なく飼える数で算出しているからだ。
餌の質などを下げれば数は増やせるんだが、筆者的にそれはあまり好まない。
生き物の最大の幸せは、旨い飯を腹いっぱい食ってよく寝る事だと、これまた身を持って導いた結論であるためだ。
猫一匹で1日あたり数百円はかかる計算なので、☓頭数がコストだ。
そんなにかかんないよ〜とおっしゃる方もおられよう。
では、餌だけではなく、病院代(ワクチン等)やフロントラインなどの薬代、おもちゃ代、おやつ代、トイレなどメンテ関連にかかる経費など、ネコに掛かったものを一定期間で合算し、日付で割ってみるといい。
病気にならなくてもそこそこの経費がかかり、それを日割りして見れば1日あたりが解る。
思ったよりもかかっているはずだ。
したがって、相当工夫しないと多頭飼育は厳しい。
大家族ニャン♪とか言って安易に増やせば、数ヶ月以内には破綻する。
筆者はコロナじゃなくても呑みにもいかないしゴルフみたいな趣味もなく、飲む打つ買うはほぼしない。
ほぼ、というのは、せいぜい自宅で安酒をつまみもなく呑むだけ。
だから可能なこと、とも言える。
ゴルフに一回行って2〜3万くらいかかるなら、猫が2〜3匹は飼える。
そして既にあちこちのボランティアさんが悲鳴を上げている話をクラファンで目にする。
恐れていた事態は既に動いているようだ。
何って、コロナ禍で家にいる時間が増え、猫を飼い始めたのはいいが、というやつだ。
緊急事態宣言が終わって仕事が普通に戻ってくれば、いきなり持て余すことになる。
そして、飼育経験等が浅く、あるいは無責任なタイプで増やしまくってしまうとか、避妊手術代が惜しくてそのままだとか、猫がかわいそうだからと外で遊ばせる輩とか、山程、実在するのだ。
当然、産まれちゃった、とか、飼いきれなくて保健所につれていく、公園で放つ、引越し時に捨てていく、増えすぎて崩壊して逃げるみたいのは爆増する。
飼ってみたもののこんなはずじゃなかった的な、ツメが甘いと言うか想像力が欠如していると言うか、無責任と言うか、謎な価値観の方は少なくない。
厄介なのは、こういうのが個人の資産だったり財産権だったりに抵触するので、介入がしにくいことだ。
したがって、しばらくはエライコッチャになるであろうことが予想される。
ボランティアさんの苦悩が忍ばれる。
筆者も少しキャパ増加をした方がいいか悩むが、そもそも猫の寿命を鑑みると自分の寿命の問題もあるので、頭が痛い。
つまり、無責任にキャパが増やしにくいというわけだ。
困ったもんである。
そんなこんなで筆者の悩ましい夜は更け行く。
悩ましさを表情で現す4thエマ
↓↓↓
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でもこんな寝姿。
↓↓↓↓
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ゴミ箱漁りが好きな悪戯娘に育って、飛び回っている。
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