
南国徳島でも雪の降る日がある。
特にみかんが育つような場所でも、だ。
そんなことを言うと驚かれることも多い。
けれどもこれが現実である。
滅多に降らない雪。
それはとても貴重なもので。
だから鉛色の空から、浮力をもって落ちてくる雪は、
意外にも私の気持ちを高揚させてくれる。

見慣れた景色が一変し、
遠近感がほどよく誤魔化されたとき、
世界はこんなにも美しいんだって錯覚させられている自分に気づく。
我ながら単純な脳細胞だ。
さて、そんな雪を喜んでいるのは私くらいのもので、
『犬は喜び』と歌われる我が家の犬族は、
実のところあまり喜んでなどいない。
ヌプルもソラも、ふたりともそそくさと排泄を済ませ、
早く帰ろうとリードを家に戻す。
物足りない私は、そんな彼らに無理を言って、
雪道をとぼとぼと歩くのだ。
猫族よりも遅く起床する我が家の犬族は、
こんな日はなかなかに怠惰に過ごしたいらしい。

昨年より預かっているソラを、我が家で身請けしようか?と相談している。
様々な事情あってのことだが、どう理由をつけたところで、
妻がソラを気に入ってしまった、ということに帰着するよう。
ソラは穏やかな性格なので、猫族にとっても脅威になることもない。
マルリとは、そばで一緒に眠ることさえある。
その相談がどうなるかは、里親さんと、
それからソラ自身が決めることだろう。
ただ、我が家にいれば終生面倒は看れる、だろう。
頑張れば。
今年の目標を「犬を拾わない」としたい。
それを妻は「それは分からない」と言う。
いや、お前が拾ってこなければいいだけの話なんだがな。。。
我が家は猫族4、大型犬2、狸1、ニンゲン2の大所帯である。

誰も明日を約束などできない現実のなか、
かかる義務感に不安がないわけではない。
けれども、
雪は、様々なモノゴトを隠してくれる。
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