殺処分を減らす効果について
話題になります。
lemonbalmさんが有益なデータを
載せてくれたので、これを使って
いかにTNRが有効かを説明します。
まず、lemonbalmさんの日記から
殺処分数の推移と譲渡数の推移を
猫だけ抜き出しました。

この中で殺処分数が一番多い
平成元年を最大値として
最大値から殺処分数と譲渡数を引いた
差を出しました。
なぜかというと、何も対策しなければ
この数字が維持されていた可能性が
あるので、この差こそが減った実数とも
言えるわけです。
実数をグラフに加える事で
どれだけ減ったかの比較が明確になります。
その平成元年に、どうぶつ基金は
活動を活発化しました。
殺処分の増加をいち早く把握していた
事になります。
昭和の間、猫の殺処分が少なかったのは
野良猫を放置していただけで
野良猫の数が少なかったわけでない事は
皆さんご存知のとおりです。
平成17年に、どうぶつ基金がTNRの
無料避妊手術を開始しています。
https://www.doubutukikin.or.jp/doubutsu/prof/
民間でTNRが始まったのが、その
数年前。
ちょうどその辺りから減少実数とも言える
緑色が増えています。
平成24年に動物愛護法が強化されました。
譲渡努力が義務化されました。
その3年後から譲渡数が増えています。
さて、青は事実上の持ち込み猫数
(捨て猫と、野良猫を捕獲しての持ち込み)
ピンクが譲渡数
緑は?
何もせずに緑色の部分が増えますか?
何もしていなかったら、緑色の部分は
野良猫が増えた数とイコールになります。
野良猫が年に28万3千頭も
増えていますか?
外猫の寿命を5年とすると
(全国平均より短めに設定します)
5年前の数字から累積した数が
増えていてもおかしくありません。
ある程度は病気などで亡くなりますが
平均寿命ですから、ほとんどの猫が
生き残っている年数という事になります。
累積するのは自然な事です。
私の地域では、野良猫と外飼い猫の
区別が難しく、外で見かける猫の数は
横ばいです。
区別が難しいのでTNR活動は
ボチボチという感じです。
周りの地域では積極的にTNRを
頑張っているから
流れてくる猫がいないのと、
譲渡数が微増。
だから外猫数が横ばいなのだと思います。
緑の部分全てがTNRの成果とは言いません。
しかし、譲渡と両輪ですすめるからこそ
緑色の部分が増えているのは明白です。
環境が厳しくて野良猫が増えない地域では
無理してTNRをする必要はないかも
しれません。
しかし、屋外で猫の保護をしていると
たいていの地域では捨てに来る人が増えます。
結局TNR数を増やすしかない。
そもそも外猫を減らしたくてTNRしている
人が多いので、数が維持されているから
TNRが必要ないというのは
目的が違います。
私は外猫が不幸だとは思いませんが
厳しい環境で暮らす子は
減ってほしいと願います。
盲目的にTNRを爆増させるのは
確かに違うし、是非の議論も重要です。
今回、有益なデータと、改めて考える
機会をくれたlemonbalmさんに感謝します。
追記
昭和の殺処分数の増加具合を見ると
どうぶつ基金が説明している
猫が増える計算を思い出します。
あの図と比例してますよね。。。
更に追記
昭和の時代、殺処分は主に野良犬でした。
猫は放置しても、激増も激減もしなかった。
ところが50年代に入ると殺処分が
増えていきます。
温暖化が言われ始めた時期ですね。
環境が変わって、どうぶつ基金の説明図
どおりになり始めたわけです。
その結果が平成元年。
平成元年に、32万8千頭もの猫を
殺しても、翌年の殺処分は激減しません。
殺処分以上に繁殖したという事になります。
その後も横ばい。
民間(個人)がTNR活動を始めた頃に
やっと減り始めます。
どうぶつ基金の補助が始まると激減。
平成元年の最大値を元にしている事に
異論がある人も居るかと思いますが
最大値から右肩上がりにしないと
実際に即していないも思う人も居るでしょう。
右肩下がりにすべきだと思う人も居ますよね。
私は最大値を固定して算出が、中央値だと
思って そうしました。
「最大値から これだけ減っている」
というのは紛れもない事実です。
殺処分に対する世間の認知の過程なども
平成3年くらいから見てきたので
いつか日記に書けたらいいなと思います。
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