昔の新聞の閲覧サービスは休止中でした。
記憶を頼りに書いていきます。
初代君を譲渡してもらったのが平成3年。
それから少しして、ある新聞記事を
読んで4つビックリしました。
ある獣医が野良猫の避妊・去勢手術を
行っているという記事です。
猫に避妊手術?
しかも、野良猫に!?
内容は、近年の殺処分数の増加を受け
野良猫の数を減らすためとの事。
欧米では、殺処分で野良猫を減らせないと
実証され、TNRによって減少を実現できた。
動物愛護の観点からも、日本もそうすべきだと。
いつの間に、こんな凄い数の殺処分を!?
愛護のために手術!?
驚きばかりの記事だったから
よく覚えています。
ここからは私の無知さのお話
初代君を譲渡してもらったのは
春日部の獣医さん。
私は松戸市に住んでいました。
1.生後半年になったら去勢手術を無料で
するから必ず連絡をください。
2.外に出さないでください。
の2つを約束。
この時、私は去勢手術をするのは
スプレー行為や発情鳴きなどの
【人にとって困る行為の予防】のためだと
思っていました。
外に出さないのは、去勢すると弱くなるので
縄張り争いに負けて負傷するからだと。
話を新聞に戻します。
そんな無知な状態で記事を読んだので
4回驚いたわけです。
しかし、この活動は日本では定着しない
だろうと思いました。
人権や人の命さえ軽視する日本。
動物を畜生と呼んで軽視する日本。
愛護の意識など根付かないと思いました。
ここからは幼少期の話
私が幼稚園か一年生になるくらいの頃
両親は迷い込んできた犬を保護しました。
関係機関に連絡し、写真つきの貼り紙をして
飼い主を探しました。
その時、両親が「保健所に連れて行くと
殺される」と話していたので、
私は、保健所とは犬を殺す所だと覚えました。
小学生になると、子犬や子猫を拾う友達が
ちらほら出てきて、お父さんが保健所に
連れて行ったと話したので、殺されちゃうよと
言ったのですが、「そんなはずない。
飼い主を探してくれるんだ」と言うので
両親に聞いたら、それは稀な事で、たいていは
すぐに殺されると教えてくれました。
世間は殺処分を知らないと知りました。
動物が大好きで、いろんな動物の生態を
知るのが楽しい子供時代を過ごしました。
10代になると、世間の動物に対する
意識の低さに怒りが湧きましたが
いくら説明しても動物愛護について
理解してくれる人はわずかでした。
人は人間中心の目線しか持てないんだと
痛感して私は諦めました。
愛護に関する情報収集もやめてしまいました。
諦めてから6年ほど経ち、結婚して
更に1年後に初代君を譲渡してもらい
TNRの記事を読んだので、日本には
定着しないと思ったわけです。
しかし、それから半年ほどで
全国の獣医たちもTNRを始めたと
また新聞で知りました。
そして実際に殺処分は減少していきます。
ここからは啓発のお話
平成元年頃、どうぶつ基金のポスターを
街で見かけるようになりました。
「犬や猫を捨てないで!殺処分を
減らそう!」
このポスターのおかげか、保健所では
ほとんどの犬猫が殺処分されていると
世間にも認知され始めました。
(そうそう、動物愛護センターだなんて
紛らわしい名前が出たのは
いつ頃だったでしょう?
名前の印象も啓発の邪魔ですよね。)
世間に殺処分が認知され始めても
わかった上で持ち込んでいた人も多いので、
すぐには持ち込みが減りません。
そのうち、テレビでもたまに殺処分について
取り上げられるようになりました。
すると、保健所に持ち込むのは可哀想という
風潮が、出てきました。
今まで平気で持ち込んでいた人に
冷たい視線が刺さるようになり
躊躇う人が、わずかですが出てきます。
しかし、保健所に連れて行けないとなれば
捨て猫が増えます。
捨て猫が増えれば野良猫の繁殖に拍車が
かかります。
苦情が増え、殺処分も減りません。
この時期、行政への捕獲依頼が増えています。
自分で連れて行かずに人に捕まえさせるだけで
やってる事は同じです。
なかなか減らない殺処分数に剛を煮やし
保護団体が増え始めます。
それまでは猫好きさんが個人でやっていた
保護活動を、グループで協力しながら
行う事で成果が上がり始めます。
譲渡だけではなく、TNRの必要性も認識され
世間の啓発も徐々に進んで殺処分が
減少してきました。
30年前の欧米の常識に
やっと近づいてきました。
諦めていた私としては、晴天の霹靂。
日本にこんな日が来るなんて。
こんなサイトも増えました。
https://www.konekono-heya.com/aibyouka/syobun.html

飼い猫と野良猫の区別は困難だから
行政は把握できないと書きましたが
キチンと把握していました。
失礼しました。

捕獲してくれという依頼が
予想以上に多かった。

外国になら、野良猫についての
研究データもありそうですね。

もう少ししたら殺処分を越えますね。
ペットショップで猫を買う人がいる限り
この死亡数は減りません。

このサイトにTVHR活動という
説明があります。
オス猫のパイプカットと
メス猫の子宮摘出(卵巣は取らない)
という不妊方法の方が
野良猫に対しては有効だと説明しています。
もちろん、発情は起こるので
デメリットもあります。
日本では定着しなさそうですが
興味のある方は読んでみてください。
この、最後の部分は誤解を招きそうなので
追記します。
TVHRは、私は動物愛護には反すると思います。
外国では様々な研究がされているというご紹介として載せました。
単に野良猫を減らすには効率的というだけで
猫にとって辛い発情を抑えられないし
せっかく手術するなら生殖器官の病気を
未然に防げるのに、取らなければ防げない。
迷惑がられると捕獲依頼が来ちゃうしで
殺処分数の減少にも寄与しません。
TNRよりも良い方法を模索し続けている
過程だと思いたいです。
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