その日は突然やってきた。
主人と散歩中小鳥がメインの小さなペットショップの片隅に里親募集の貼り紙。もちろん社宅だし禁止だから眺める程度に見ていたら、すかさずおばちゃんが仔猫を連れてきた。まだ片手ほどの三毛の仔猫は私にしがみつき鳴いていた。「飼っていい?」と聞くと、主人は社宅なのに意外にも「いいよ」
その仔猫はミスドの箱に入れられやってきた。
何も猫グッズがなく数ヶ月はダンボール箱のトイレ。餌はモリモリ食べた。すぐに仲良くなり常にまとわりついてよく踏まれたのでチョロと命名。おてんばで遊ぶのが得意でよくだるまさんが転んだをした。夜サッシ上部の小窓からお出かけし、まだ薄暗い朝ベランダから「帰ってきたよー」と鳴き続けたこともありヒヤリとした。仕事から帰るとゴミ袋がビリビリになっていて最初はチョロを叱ったが「?」とまんまるな目をしていた。猫に責任はないのだ。出かけるときはゴミ袋をきちんとまとめるようにした。
年一回の海外旅行のときはペットホテルにお願いしていたが、ある年迎えに行くと犬の上のゲージの中で固まっていた。スタッフにも威嚇しほとんど餌も食べなかったらしい。翌年は実家にあずけた。迎えに行くと居間の障子が無惨にも全て開通されていた。子供の頃よく叱られ厳しかった父がこの惨状をどうみていたのか。母によると庭を散歩させたり相当可愛がっていたとのこと。厳格な父を虜にするなんてチョロすごい!

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