彼女の今の飼い主さんは、
私が当時事務所があった隣の家に住んでいるYさんである。
もともとセンパイは、私の事務所とYさん家を行ったり来たりしていたので、
私がその事務所から移動後、そのままYさん家に居つくようになった、という次第だ。
センパイが乳がんの診断を受けたのは、およそ半年前。
彼女の乳首の腫れに気づいたYさんが病院に連れて行ったのだ。
で、その時の医者がYさんに
「もう何も出来ることはないから放っておけ」と告げたと。
Yさんは「そうなのか」と思い、言われるままに見守ってきていたのだが、
センパイの食欲も徐々に落ちてき、元気がない日も増えた。
それに伴い、患部が肥大し、先日とうとう自壊したのだ。
さすがに見かねたYさんが、私に連絡してきたのが事の顛末。

↑最盛期(デブ)よりずいぶん身体が小さくなりました…
まぁ…その医者の言葉にムッとするよね。
初診時の状況がどうだったか、過去を振り返ることはできない。
その時に「遅すぎた」としても、それならそれでQOLをどう保つかを考える。
それが常識的な判断かと思うのだ。
早急に、別のお医者さんに連れて行った。
結果は変わるものではなかったのだけれど、
今からでも緩和ケアは、できる。
猫の乳腺腫瘍乳は、発症すればほぼ癌化している。
防ぐ手段は、齢早期の避妊手術だ。
それで発症のおよそ7割が止められる、という。
けれども、不思議なもんだなとも思う。
避妊手術は「自然」ではない。
それでも、避妊させることで、子宮や乳腺の癌のリスクが低減する。
ということは、
腎臓病と同じく、猫族は生来臓器に欠陥があり、
ある一定の年齢になれば死にやすくできているのではないか?と思い当たってしまう。
まるで時限爆弾を持って産まれてくるよう。
多産な動物は、様々なリスクから身体のつくりが頑丈ではないものが多い。
それが子孫を残すため、遺伝子を繋ぐため、
より多く産むことで、未来を繋ぐ可能性を高めている。
何となくそんな風には理解するんだけれども、目の前のセンパイは、私にとっても
苦しい時期を共に過ごしてくれた仲間であり、
その時トライしていた私の新しい仕事で、実績を出せたのも、
実は彼女のサポートがあったから(マジ)だ。特別な猫である。

↑車の中は静かだったけど、病院につくと叫びだした(笑)
いま80代のYさんにとっても、
「いつもベッドにいてくれるから、家に帰るのが楽しい」
なんて、死亡フラグ発言しちゃうほど、
特別な猫である。
だからもちろん納得なんてしていない。
ケアはこれから益々大変になるだろう。
Yさんたち老夫婦に、それは負担かもしれない。
「何なら私が…」とは、思いつつも言わないのは、
上記のようYさんは、センパイのことが大好きなことを知ってるからだ。だから、最期までしっかり看取ってくれるだろう。
とは言えセンパイは、まだまだふてぶてしい顔をしてるし、
病院ではキャリーを覗きにきた犬にも喧嘩を売っていた(笑)
それはきっとまだ先の話だよ。
だから、ときどきは顔を出すようにするね、センパイ。
最近のコメント