早朝、クロロに餌やりに行くと、F広場近くの道路の端にクロロが座り込んで前方を見つめていました。
冬場、まだまだ暗い5時前後の時間帯だったと思います。
クロロをF広場に誘導しようとしても、頑として動きません。
いくら車通りが少ないとはいえ、車道で餌やりは危険です。
どう呼んでも動かないので、先ににゃん太郎の餌やりに行きました。
F広場と、にゃん太郎の家は道路を隔ててすぐ近く。
クロロのいた道路は先を10mも行けば、F広場の入口です。
にゃん太郎の餌やりを終えて、もう一度クロロに餌やりしようと、いた場所に向かいました。
クロロはまだ、そこにいました。
でもやはり、動こうとしません。
怪我でもしたのかと心配でしたが、クロロを抱き上げた事は、一度もありません。
何事も無理矢理は危険だとも思っていました。
わたしはF広場の出入口方向にいて、クロロは反対方向、わたしの自宅方向の少し右手を見ています。
そこに自宅方向から、車がやってきました。
後で気づいたのですが、後ろにはわたし、クロロの左手前方から車が近づいてきて、クロロは右前方を気にしていたんだと思います。
クロロは突然動き出し、車の前に飛び出しました、、、
本当にあっという間の出来事で、何がおこったのか理解するのに数秒かかった気がします。
ドッコン、、という鈍い音がしました。
車は速度は落としたかもしれませんが、そのまま走り去ってしまいました。
クロロはF広場の道路を隔てた反対方向に走って行きました。
お寺の敷地内です。
非常識も何も無いとおっしゃる方もいるかもしれません。
でも、まだ暗い早朝。
わたしはお寺の檀家でもありません。
生垣の向こうに消えたクロロを小声で必死に呼びましたが、応答はなく、
わたしはクロロは絶望的だと思ってしまいました。
冷静になろう、冷静に、、、
そう思いつつ、わたしのとった行動は常軌を逸していたと思います。
わたしは知らず、トラトラ、ポー、ふわりんの餌やりに向かっていました。
そこからの帰り道、涙が溢れだしてきて、泣いた事で冷静になれたのかも知れません。
ネットでお寺の名前、電話番号を調べ、少しずつ明るくなる陽射しを浴び、泣きながらお寺に電話しました。
早朝6時にならない頃だと思います。
脇の道路で猫が車に轢かれた事。
敷地内を探させて欲しい事。
ご住職が出てこられ、敷地内の思う所全てを一緒に探してくださいましたが、クロロは見つけられませんでした。
わたしはご住職に電話番号を渡し、見かけたら電話をくれるようお願いしました。
Mさんのお宅にも交通事故の話をして、クロロを見かけたら電話をくれるようお願いしました。
Yさんにも同様にお願いして、日中から夕方まで、クロロを探して歩き、出会う人全てに声をかけてあった事を説明し、見つけたら連絡をくれるようお願いしました。
普段、この辺りの人通りは多くありません。
でもその日は日曜日だったと思います。
日曜日の多くはF広場を使って、子供会だと思われる人々が、この辺では珍しほど集まっている日が多くありました。
その日もそんな感じに人は多く、中には一緒にクロロを探してくれる人もいましたが、夕方まで探し続けても、クロロを見つける事は出来ませんでした。
もし、その時クロロを見つけられていたら、軽い怪我だとしても保護していたと思います。
思う通り行かないのが人生。
その夜、8時を回った頃、Mさんからのお電話でわたしは家を飛び出しました。
次回に続く。


ボス猫だった頃のクロロ
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