ガーちゃんのこと…6

2025年1月30日(木) 144 / 0

ブーちゃんは約束通りボクのことを鍛えてくれた。
お前、いい動きしているなぁ。
ブーちゃんにほめられてボクはちょっと得意になった。
いっつも兄弟達とケンカごっこしていたんだよ。ボク、けっこう強かったんだ。
ガー太郎の中にも、兄弟たちが生きているのね。
シッポちゃんに言われてボクはビックリした。
いい兄弟がいてよかったな
ブーちゃんに言われてボクは突然、あの日を思い出した。
ボク、あの子達をおいて来たんだ。ボクたちがウチを出る時、何か言ったのにボクちゃんと聞いてあげなかった…きっと、一緒に連れて行ってって言ったのに…ボクは…
お前は自分が生きるのに必死だった。そうだろう?それに、オレがお前の兄弟のだったら、連れてってなんて言わねぇよ。お前はどうだ?お前がおいていかれる方だったら、なんて言った?
ボクだったら?
そうだ、お前だったらどうした?明日は雨だ。１人でよく考えろ。
ブーちゃんはそう言うとヒラリとベランダの手すりを越えて行ってしまった。
待って!ブーちゃん達を追いかけるようにボクも手すりに跳び乗る。その時、
ガーちゃん、危ない!
お母さんが慌ててボクを抱きとめた。
手すりに登れちゃうんだね。すごいなぁ。でもあ落ちたら大変。
ボクを抱きしめるお母さんの腕から、お母さんの気持ちが伝わる…大好きだよ…ずっと一緒にいようね。お母さんの胸はあったかい。ママと兄弟達と一緒にいた時とおんなじだ。ボクはお母さんの顔をペロリとなめた。

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