前回はすき焼きうどんをご紹介しましたが、
今回はきつねうどんをご紹介いたします。
カレーうどん、すき焼きうどんどちらも使用する醤油は
濃い口でよかったのですが、
きつねうどんは、発祥の地が大阪ということがあって、
薄口醤油を使用します。
きつねうどんの命は薄口仕立ての関西風うどんのつゆです。
このうどんのつゆと甘辛の油揚げのハーモ二―がきつねうどんの魅力です。

きつねうどんは甘く煮た油揚げがうどんに載るメニューです。シンプルですがなかなか奥の深いものです。ほっとする味に仕上たいものです。
きつねうどん発祥は大阪船場の『本舗 松葉家』の創業者の宇佐美要太郎さんが考案したと言われています。いなり寿司の油揚げをうどんに乗せて食べている客が居たことにヒントを得たようです。松葉家では3日もかけて油揚げを炊くということが『きつねうどん口伝』宇佐美辰一氏の著作にあります。

材料 5人前
油揚げ 5枚
うどん 5玉
蒲鉾 半本
【油揚げだし】
砂糖 60g
塩 少々
鰹だし 200cc (Ainomotoほんだしで作る)
淡口醤油 30cc
【かけだし】 2000cc(できあがり) 一人前は300cc 丼の大きさによる。
利尻昆布10gから15g
ほんだし 15g
煮干 50g
味醂 50cc
日本酒 50cc
淡口醤油150cc
砂糖15g
塩 少々
水 2000ccから2500cc
【薬味】
七味
青ネギ
手順
湯抜きの準備
油揚げを好みの大きさに切ります。半分の四角、それを三角に切っても良ですが、今回は半分に切りました。長いまま豪快に1枚のままでも良いとおもいます。今回は贅沢に一人一枚分の二枚です。
油揚げの下処理
湯抜き
簡単に済ませるならざるに油揚げを置いて熱湯をかけて油抜きをするだけでもよいですが、油揚げに味を良くしみこませたい場合は下処理として、たっぷりのお湯の鍋で10分ほどゆがきます。ざるに取り水気を切り冷ましておきます。
味付け
鍋に鰹だし(お湯+粉末鰹だしでも可)をはり、沸騰したら油揚げを入れます。味付けの順番は砂糖を入れて暫くして煮詰まったら淡口醤油を入れます。落し蓋をして煮汁が半分程度なるまで中火で煮ます。仕上に味醂を入れても良いですが油揚げが少し硬くなります。

煮上がり
かけだし
利尻昆布、煮干を水に漬けて2時間置いておきます。火にかけて沸騰直前に昆布、煮干を取り出して、沸騰させてからほんだしを入れます。味醂と砂糖と淡口醤油をだしと合わせます。火にかけて沸騰直前に酒も入れ、味をみて好みで塩加減を調整します。かけだしは香りが命なのでその日に使い切りましょう。今回のだしの分量はお替りしても大丈夫な設定にして有ります。(笑)
できあがり
青菜と長ネギバージョンのきつねうどん
うどんはできるだけ食べる直前に茹でて玉取りして人数分で分ます。熱くゆがいて丼に入れてだしをはり、油揚げを載せます。蒲鉾を切って添え、好みの量の青ネギを入れて完成です。季節により柚子が手には入れは皮の小片を添えても良いと思います。

きつねとたぬき
きつねうどんは油揚げが好きというお稲荷さん信仰から名づけられたものですが、煮た油揚げを載せたうどんを『しのだうどん』と呼ぶ地域も有ります。また『しのだ』は刻んだ揚げとネギの組み合わせの場合も有ります。
ついでに『たぬきうどん』について触れておくと関東では『てんかす』の載ったものですが、このいわれは天ぷらの種(具材)の抜いたもの→衣だけという意味のタネ抜きから来ています。だからタヌキうどんの場合は揚げ玉というより『天かす』の言葉の方が何となくしっくりきます。

また東京のたぬきうどんに相当するメニューは大坂や讃岐では無いことになっています。なぜならうどん屋さんにはほとんどテーブルに無料の天かすが置いてあるからです。わざわざメニューに載せないわけです。
お店によっては『はいからうどん』と呼ぶお店はあるようです。単に『たぬき』と呼ぶと『お揚げの載った蕎麦』という意味もあるらしいので紛らわしい限りです。(笑)
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