引っ張り出した冬服に縫うように刺さっていた猫の毛。
濃い茶色と薄い茶色のグラデーション、これは2年前に一緒だった茶トラの「ちゃめろん」のもの。
この猫は3年前のちょうど今ごろ兄弟の茶トラと、どんつぁんと3匹で突然現れた7ヶ月ぐらいのノラちゃん。
不憫な親子と思い、家で保護することにしました。

私に懐いてくれて、いつも私が帰って来ると、どこからともなく、ノビノビしながら現れ、「待ってたよ。抱っこして~」と言うように前足だけを私の足にかけ見上げるのです。抱っこすると自分からすっーと顔を寄せてきて、ゴロゴロ喉を鳴らし、目をつぶって安心しきっているかわいい顔。
ストーブの前で長~くなって寝ているちゃめろんに顔をつけ、私もウトウト、こんな時を至福の時と云うんだろうなと思いました。
でも元々ノラちゃん。家にじっとしていられず、外へ出て、ボスのノラ猫に噛まれ、それが原因で元気がなくなり、とうとう身を隠してしまいました。
あちこち探し回り、警察や保健所にも連絡しましたが、戻りませんでした。
志づちゃん、まなちゃん、どんつぁん、さっちゃん、よっちゃん。
今、たくさんの猫がいます。
「ボクもみんなと遊びたいよ。ボクも忘れないで。」
思いがけないところから出てきたちゃめろんの毛がそんなことを云っているような気がしました。
ちゃめろん、ずっと忘れないよ。
だから私のハンドルネームは「ちゃめろん」なんだよ。

今となっては大切な1本の猫の毛、ちゃめろん人形に納めました。

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