一昨年の我が息子『さち』と愛娘『ゆき』から始まり、昨年、今年とたくさんの子猫を保護してきました。
そのほとんどが病気をしている子で、一生懸命看病して、食べられない時はシリンジ流動食を飲ませたりして、無事その小さくも大きな命達は元気になってくれました。
私の子供になってくれた子、余所の素敵なお宅に巣立って今も可愛がってもらっている子、たくさんいます。
みんなみんな私の子供達です。
先日紹介した『ばにら&みんと』兄妹もあと10日前後で新しい家族の元へ無事巣立ちます。
そんな中……2日前のことです。
同居している母が子猫を拾ってきました。
白い毛に黒い模様、しかも可愛いボブテイル(短いしっぽ)の男の子。生後一ヶ月半くらいでしょうか。
日課にしている朝一サイクリングの途中で蹲っていたところを保護してきたというのです。
自宅に戻り父に「子猫を拾っちゃった」と告げると、「猫といえば煌だ。あいつに面倒を見てもらえ」と言ったそうで。
母も最初からそのつもりだったそうです。
その日は休日だったので、愛息&愛娘(愛猫)の内三名の『さち』『ゆき』『こう』と保護中の『ばにら』&『みんと』を抱いてだらだらと眠っていた私の部屋に子猫を連れてきた母(ちなみに『おもち』&『こうめ』はリビングのソファの上でスヤスヤ寝てました)
可愛い子猫ちゃんはとても人なつこく、ミィミィ鳴いて母の腕に抱かれていました。
慌てて飛び起きて子猫ちゃんの状態を確認しました。
愛猫の三名と保護猫ちゃん達も新しい子猫ちゃんに興味津々です。
それを「はいはい、ママが見るからちょっと待っててね~」と制して状態確認。
猫風邪で目と鼻をやられていたけれど、元気に私に登り着いてきました。
元気にしてあげよう、必ず治して、また素敵な家族を見つけてあげるからね! と話しかけました。
私以外の家族が子猫を保護したのは初めてでした。
いつも「また猫を保護したのか~」と呆れ顔だった母が、遂に私と同類になったなと思うと笑えてきました。
母の希望で名前を『あられ』にしました。
その日、私がその子を病院に連れていっている間、母はその子猫用に首輪と食べ物を買ってきていました。
病院では想像通り『猫風邪だ』と診断されました。
薬と流動食をもらいました。
また子猫ちゃんの看病開始だーと、腕まくりをする気持ちでした。
さあ、やるぞ! と。
元気にしてあげるんだ! と。
そしてその日の夜、あられの呼吸がおかしくなっていることに気がつきました。
鼻が詰まっているから口で息をしていたのですが、胸の動きがおかしいのです。
もしかしたら肺炎を併発してしまったのかもしれないと思い、その夜は出来るだけ寝床を暖めて、薬を飲ませて食事も飲ませてふかふか寝床に寝かしつけました。
そして翌日すぐに病院に連れていくと、やはり肺炎だと診断されました。
猫の肺炎は怖いのです。
特にこんな幼猫では本当に怖いのです。
注射と点滴を打ってもらい、様子を見てほしいと獣医さんに言われ、連れて帰りました。
「頑張れ、頑張れあられ」と話しかけ続けました。
家に帰るとトイレでおしっことうんちをしました。
とてもいいおしっことうんちでした。
ほっとして、あられを安心させるためにゆっくり撫でてあげながら寝かしつけました。
そして、夜。
あられがミィミィ鳴くのです。
慌てて保育箱から出して抱くと、身体が冷えているように感じられました。
自分の身体にホッカイロを当てて、その服越しにあられを抱きしめました。
「頑張れあられ、いいこ、いいこ」と話しかけ続けました。
そうしてしばらくすると、スヤスヤと寝息をたてたのです。
しばらくこのまま抱いていてあげようと思い、抱きしめていました。
そうして10分ほど経った頃、途端にあられがミィと鳴いて、身体を伸ばしました。
おしっこが出ました。
おしっこをティッシュで拭いてあげながら「あられ、あられ?」と声をかけると、「ミィ」と鳴いて私の腕にしがみつきます。
「あられ、ママだよ。大丈夫、傍にいるよ。頑張って、あられ」と声をかけました。
しかし、あられの呼吸がぴたりと止んで……。
あられは、そのまま息を引き取っていました。
その後はもう、何が何だかわからないまま、馬鹿みたいに泣いてあられを抱きしめました。
助けるって約束したのに。
必ず元気にしてあげるって言ったのに。
幸せにしてあげるって、そう約束したのに。
助けられなかった。
何もしてあげられなかった。
もっと早くに肺炎に気づいていたら、あられは助かった?
私の何かがいけなくて、助かる筈の命を救ってあげられなかった?
ごめんねあられ、ごめんね。
わんわん泣いて、あられを抱きしめ続けました。
可愛い可愛い身体を抱いて、撫で続けました。
異変を感じたのか、子猫の面倒見が良いさっちゃん&ゆき姫が私とあられにすり寄ってきました。
「元気になったら一緒に遊ぼうね~」とばかりにあられにスリスリし続けていたこうちゃんも、首を傾げながら寄ってきました。
子供達の暖かい身体とは裏腹に、あられの身体はどんどん冷たくなっていきます。
それが哀しくて、余計に辛くて、涙が止まりませんでした。
可愛いアニマルの最期を看取ったのは初めてではありません。
ワンコもニャンコも、今まで何名も看取って、見送っています。
助けられなかった子猫も5年ほど前にひとり、いました。
その度に言いようのない感情で頭がどうかなりそうになります。
どうして、どうしてこんなに可愛い子がこんなめに遭うんだと、猫の神様に気持ちをぶつけたくて仕方ありません。
どうして助けてあげられなかったんだと、自分の無力さやふがいなさが情けなくて、悔しくて仕方ありません。
折角母が見つけてくれた命だったのに。
この子が元気になることを、母も心の底から望んでくれていたのに。
明日の朝、このことを母に告げなくてはいけないかと思うと、尚更辛くてたまりません。
「あられちゃん、早く元気になってね~」って笑っていた母の笑顔が涙に変わるのかと思うと、どうしていいのかわかりません。
眠っているように見えるあられの顔が愛おしくて、切なくて、どうして目をあけてくれないんだと思わずにはいられません。
たった2日しか一緒にいられなかったけれど、既にあられは可愛い我が子です。
母と私の子です。
幸せにしてあげたかった。元気にして、素敵な家族を見つけてあげたかった。
子猫は急変しやすく、助けられない子だっているということも重々承知の上です。
それでも悔しくて哀しくてなりません。
可愛いあられ。
人なつこくて、母にも私にもぐるぐる喉を鳴らして甘えていたあられ。
折角生まれてきてくれた命なのに、折角出逢えたのに、どうしてこんな最期を迎えなきゃいけない……!?
あられはこんなことになる為に生まれてきたんじゃないのに。
幸せになる為に生まれてきたのに。
どうして、どうして……!!
あられの出生はわからない。
野良猫ちゃんの子供だったのかもしれないし、もしかしたら最低の人間が遺棄したのかもしれない。
でも、でもさ……こんな風に逝ってしまう為に生まれた命じゃないってことだけは確かだ。
もっと早くに気づいてあげていたら助けられたかもしれない。
どうにもならなかったのかもしれない。
でも、どうしたって後悔が止まない。
涙が止まらない。
――明日の朝一(仕事に行く前に)、昨年天使になった私の弟(黒ラブの愛犬。享年14歳10ヶ月)の隣りに、あられを眠らせてあげようと思います。
さち&ゆき達にもとても優しかったもり兄ちゃんなら、きっとあられのことも可愛がってくれるから。
あられ。
生まれてきてくれてありがとう。
母に出逢ってくれてありがとう。
私に出逢ってくれてありがとう。
可愛い声で私を呼んでくれてありがとう。
すぐに生まれ変わって、また私のところに来るんだよ。
今度は絶対に幸せにしてみせるから。
ねえ、あられ。
どうか、これだけは忘れないで。
母と私は、間違いなく君を愛しているよ。
あられ
おやすみなさい
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