人間も、具合の悪い時にお風呂に入ると余計具合が悪くなる事がありますよね。入浴は意外に体力を消耗するものです。普段入浴する習慣のある人間ですらそうなのですから、日常的に習慣の無い猫、特に水の嫌いな猫にとって入浴は大きな負担になります。
具合の悪い時やワクチン接種の直後のシャンプーは避けるようにしましょう。また、小さな子猫や老猫もシャンプーは避けた方が無難です。
長毛種の猫にとってブラッシングは日常のケアの必須項目です。子猫の頃から頻繁に行い、ブラッシングを嫌わないように育てましょう。
毛玉が出来てしまったら毛玉取りを行い完全に取り去ります。毛玉を残す事で、皮膚の通気が悪くなり皮膚病の原因になったり、毛玉自体がノミやダニの巣になってしまう事があります。毛玉取りは痛みを伴う事が多い為、猫にとってイヤなお手入れのひとつです。できるだけ痛みが無いように行うのと共に、毛玉ができないよう、毎日のブラッシングをまめに行うようにしましょう。
猫の体が汚れていたら、シャンプーさえすれば綺麗になると思う人は割合多くいるようです。
でもそれは大きな間違い。確かにシャンプーで頑固な皮脂や汚れを落とす事は出来ますが、効果的にシャンプーを行う為にはいくつかの準備とチェックが必要なのです。
人間も、具合の悪い時にお風呂に入ると余計具合が悪くなる事がありますよね。入浴は意外に体力を消耗するものです。普段入浴する習慣のある人間ですらそうなのですから、日常的に習慣の無い猫、特に水の嫌いな猫にとって入浴は大きな負担になります。
具合の悪い時やワクチン接種の直後のシャンプーは避けるようにしましょう。また、小さな子猫や老猫もシャンプーは避けた方が無難です。
シャンプーを行うのは、よく晴れた暖かい日の昼間が良いでしょう。シャンプーは、お湯を使っても猫の体を冷やします。夜人間が寝静まるまでに時間のある昼間の方が、シャンプー後の猫の様子を観察する為にも望ましい事です。
冬場など、寒い時期にシャンプーする場合、できるだけ暖かい日中にシャンプーを行い、シャンプー後は暖房のよく効いた部屋で猫を休ませてあげるようにしましょう。
チェック項目をどちらもパスしたら、シャンプー前の準備を行います。
シャンプーに使用する道具には次のようなものがあります。
爪が伸びている子はまず爪切りをします。猫は4つの足(爪)と口(牙)で攻撃する事のできる動物です。人間が傷つかない為と、万が一猫が暴れた時に引っ掛けて怪我をする事を防ぐ為に、グルーミングの初めに必ず爪を切るようにしましょう。爪切りの方法は後の項目で詳しく解説しています。
シャンプー前のブラッシングは、シャンプーそのものより重要な項目です。これにより、毛のもつれ、抜け毛の除去、毛についた埃を取り、お湯やシャンプー剤を浸み込みやすくします。スリッカーブラシで全身をブラッシングした後、コーミングをしてきちんと毛を梳いておきます。
猫の毛には水が浸み込みにくく、乾きにくいという特性があります。まずはたらいに温湯を張り、足先からゆっくり全身を浸していきます。
温湯の温度は38℃前後。人間の感覚で熱すぎる温湯を使うのはやめましょう。うつ熱状態(熱射病)になる事があります。
市販のシャンプー剤は粘りがあり、猫の被毛に浸み込みにくい物が多いです。温湯で2~3倍に薄めると使い易くなります。薄めた事で洗浄力が落ちる事はありません。
シャンプーを泡立てながら全身をくまなくマッサージします。意外に汚れているのが爪の根元。一本一本爪を出しながら優しく洗います。顔も忘れずに。嫌がる子はガーゼに薄めたシャンプー剤を含ませ、拭くように洗ってあげましょう。
耳に温湯が入っても大丈夫。猫がブルブルッと体を震わせる時に耳の中に入った水分は出てしまいます。
全身をくまなくシャンプーしたら、たらいの中でシャンプーを流します。容器に張った温湯の中で洗い流すと、被毛の根元に染み込んだシャンプーまできれいに溶かし出す事ができます。数回温湯を入れ替え、完全にシャンプーを洗い流しましょう。
シャンプーを完全に洗い流したら、たらいの温湯を新しいものに入れ替え、リンスを溶かします。その中に猫を浸け、全身にリンスが行き渡るようにマッサージします。
リンスが終わったらもう一度しっかりすすぎを行います。すすぎ残しの無いようにしましょう。
すすぎが終わったら、被毛を軽く絞り、バスタオルでしっかり水気を拭き取ります。長毛の子はごしごしこすらないようにしましょう。毛玉になってしまいます。途中でタオルを変えてしっかりタオルドライします。 特に足先とお腹に水気が残りやすいので充分注意しましょう。
しっかりとタオルドライを行った後は、ドライヤーを使用したドライングです。皮膚に水分が残っている状態で放置すると、そこから皮膚炎の原因になる事があります。根元までしっかりと乾かすようにしましょう。
ドライヤーの温風は、想像以上に熱くなる事があります。決して熱くなりすぎないよう、常に手を添えるなどして温度を確認するようにしましょう。ドライヤーは遠目から、毛を立たせるように動かすと効果的です。
短毛種はスリッカーで、長毛種はスリッカーまたはピンブラシで、毛の根元にドライヤーの温風が届くように逆立てながら乾かしていきます。
慣れない猫は二人係で行った方が効率的で安全です。ひとりが猫を抱っこし、もうひとりがブラシとドライヤーを使用して乾かしていきましょう。お腹、足先は特に乾き難いので、手で揉みこむなどして隅々までしっかり乾かします。
最後に耳掃除をして、耳の中に水が入り込んでいないか確認しましょう。耳掃除については後の項で説明しています。
猫にとってシャンプーは、よほど慣れている場合を除き、嫌な事オンパレードのひと時だと思います。ここまで終わった猫達は、きっと身も心もくたくたになっている事でしょう。シャンプーをした日は暖かくしてゆっくりと猫を休ませてあげましょう。