人間は年をとるにつれて体が凝りやすくなります。マッサージや整体に行くのは気持ちいいものですし、お家で家族にマッサージしてもらうこともあるかと思います。
実は猫も体の凝りを感じています。しかし猫は起きて伸びる際にセルフでマッサージをしていて全身の筋肉をほぐしています。
見ていればわかると思いますが、猫の全身はとても柔らかく、筋肉もとても柔らかいです。そのため人の様に凝りがひどくて体調不良ということはありませんが、やはり年齢を重ねたり、ストレスを感じたりすることによって体が凝ることはあります。
猫にしてあげるマッサージは、どちらかというと凝りをほぐすというより猫とのスキンシップやコミュニケーションとしての活用と言われています。また、マッサージをするということは同時に猫の全身をチェックすることもできます。
腫瘍などのできものや皮膚の状態、猫が嫌がるところ(痛いところ)などが早いうちに分かるため、病気の早期発見にもつながります。
マッサージをするときの注意点
マッサージを行う上で注意したいことがいくつかあります。
まずはマッサージを行うタイミングになります。飼い主に甘えているときや機嫌よくゴロゴロしているとき、リラックスして横になっているときなどがおすすめです。
逆にごはんを食べているときやグルーミングの最中、おもちゃで遊んでいるときなど、他のことをしているときは邪魔をしてしまうので避けましょう。怒らせてしまうと、シャーっと威嚇されて引っかかれてしまうこともあります。マッサージは無理強いする必要はないので、できるタイミングで行ってあげましょう。
他にも、体調が悪そうなときは行わないようにしましょう。また、持病がある猫は注意してください。獣医さんに相談してみるといいですね。
犬のマッサージではアロマを使用することもありますが、猫にはアロマはNGです。
また、当たり前のことですがマッサージをしてあげる前には飼い主さんは爪をしっかり切って、指輪などのアクセサリーは外しておくようにしましょう。1回あたりの施術時間は人間では1時間ほど行うこともありますが、猫には15分目安で行いましょう。猫が途中で逃げてしまったらそのタイミングで終わらせるなど、基本的には猫の反応に合わせていきます。
マッサージの方法
マッサージの力加減は指の腹で皮膚が動く程度の優しい力くらいで問題ありません。マッサージにはいくつか方法があります。
ストローク
撫でるマッサージになります。指の腹または手のひら全体をつかって毛並みに沿ってゆっくり撫でる方法になります。肩のラインからお尻までゆっくり撫でていきます。
マッサージのはじめと終わりにストロークをすることで、始まりと終わりの合図とすることが多いです。
Tタッチ
真ん中の3本の指先をつかって円を描くようにマッサージをおこないます。ゆっくり円をかいて次の円、と連続的にくるくると撫でるように続けて円を描いていきます。ポイントは指先を皮膚から離さず連続的に行うことです。
指圧
人差し指と中指の腹をつかって軽い力で数秒押してあげます。これは猫のツボを刺激する際に行います。
他にも様々な手法がありますが、どれもポイントは力加減です。私たちと猫では体格が大きくことなります。グイグイ力をかけて行うとケガをしたり、痛くて嫌がって怒ってしまったりすることもあります。
まずは撫でるくらいのソフトタッチで行い、慣れてきたらその猫にあった力加減を見つけていくようにするといいでしょう。
マッサージのおすすめポイント
マッサージのはじめは背骨に沿ってストロークでゆっくり撫でてあげます。まずは猫が大好きなポイントである首周りがおすすめです。
あごの下は猫が撫でてもらうのが大好きな場所であご下を指の腹をつかってマッサージしてあげましょう。そのまま首周りも同じようにマッサージをしてあげます。
そのまま手で頭を包み込むようにして、親指を使って目頭から頭頂部までゆっくり撫でましょう。
目の周りは神経が集まっていますので、少し力をいれてマッサージをしてあげてもいいでしょう。
次に耳をマッサージします。親指と人差し指で優しく揉んであげましょう。また、この時に耳の中の状態を見てあげるといいでしょう。この時、耳の中が痒いと耳をこすりつけてくることがあります。外耳炎など、すでに耳の病気がある場合はやらないようにしましょう。
頭部が終わったら背骨に沿ってTタッチでマッサージを行います。
猫が嫌がらなければ前脚やお腹などもマッサージしてあげましょう。全身の血のめぐりがよくなると元気になって攻撃的になる猫もいるので注意しましょう。
マッサージの方法は「こうしなければいけない!」という縛りはありません。今回はご自宅でできる大切なマッサージを紹介しましたが、もちろんマッサージはこれが全てではありませんし、手法やツボなどを本格的に学ぶとなると奥が深いです。
なにより猫のマッサージで大切なのはコミュニケーションです。まずはあご下から、慣れてきたら他の箇所…と少しずつスキンシップを兼ねて範囲を広げてあげられるといいですね。猫が好むマッサージを行ってあげられるようにしましょう。