「猫と一緒に暮らしたいな〜」
そう思っていた頃、引っ越し先で子育て中のメス猫がいました。それがうにゃです。
毎日のように残り物を投げてあげると喜んで飛びつきますが、子供達にも分けてあげる姿に感動し、アパートの玄関前でたくさん餌をあげることにしました。
その結果、完全に僕の帰宅待ちをするまでに。
公に餌をやっていると周囲から苦情が来そうだし、かと言って飼い猫にしたくても野良猫がそう易々と捕まるわけがないので、飼い猫には出来ないかな、と思っていました。
自ら近寄り触らせてくれるし抱っこもOK、すごく性格の優しい、野良猫とは思えない気品さも感じられ、僕はこの子が大好きになっていました。
そしてある夜、こんなことがありました
うにゃと子供たちにもゴハンあげたのに、階段の下から一生懸命鳴いて僕を呼ぶんです、何度も何度も。
仕方なく下に降りてみると、子供たちを前に目を細めてたたずんでる。あれは明らかに笑ってる顔でしたね。
おそらく「この子たちをよろしくお願いします」ってところだったのかな、それからしばらく来なくなってしまった。子供たちに餌くれる人間を譲ったんでしょうかね。
ところがまた少ししたら現れる・・・
やはり野良猫の環境、特に食べ物の問題はいかんともし難い時があるのでしょう。
残念なことに子供達は死んじゃったり捕まったりしたのでしょうか、全く来なくなり、この子との時間が増えましたが、そのうちお腹が大きくなってる!! また新しい子供を身ごもったようです。
新世代の子供達もウチにご飯もらいに来てましたが、僕はうにゃを本格的に飼い猫化を計りまして、半ば強引に家の中に入れ、面倒をみていましたが、子供が気になって仕方ないのでしょう、よく「出してくれ」と鳴いていました。トイレを覚えるまでに服や布団を汚されましたが、根気よくトイレを教えたら覚えてくれたようで、人間と暮らすには猫のほうにも学習能力をが必要ですね。頭のいい子なので何とか乗り越えられたと思います。
この頃、もう妊娠しないよう近くの動物病院で避妊させました。
ある春の日、僕より先にこの子を面倒みていたお隣さんに見せに抱っこしながら外へ出した時、脱走してしまいました。それから約半年、姿を見せず。やはり閉じ込められるのはキツかったようです。
半年後の秋も深まった頃に久々に現れ、またまた餌をあげる日々。子育てが終わり、さらに食べ物がなかったのでしょう。
ある時、わざと僕の足元に餌を落とし、まんまと近寄ったところを見事に捕獲成功。初めのうちギャーギャー騒いでいましたが、家の中に入ったとたん以前の安穏な暮らしを思い出したんでしょう、擦り寄ってゴロゴロ言ってコタツに入りご満悦でした。コタツの中でくつろぐ猫を見ると癒されますね。

それからというもの、僕の帰宅時には玄関にすっ飛んできて、大音量のゴロゴロでお迎えしてくれるようになり数年。完全に家族の一員となって癒し続けてくれています。
ただまあ、ツンデレだし夜中に起こしにも来るし、特に変わったところはありません。しかし人間の嫌がることは絶対にしないので、本当に頭のいい子だと思います。
そしてとにかく心優しい性格で癒してくれるのが嬉しいですね。
僕が仕事から帰ってくると、ゴロゴロ言いながら決まってナデナデ要求。こちらも
「うにゃ、いつもありがとうね。病気しないで長生きしてね、もし死んじゃってもまと僕のところに来てね」
と話しかけています。

※2020年1月10日、愛猫うにゃは僕の腕の中で安らかに逝きました。具合悪くなってから急激に衰え、あっという間で、また20歳くらいまでは生きてくれると思っていたのでちょっと早くお別れが来ましたが、10年以上僕のそばに居てくれて癒してくれたので、本当に感謝しております。