今日はザネリの一周忌。
あの日以来、彼の事を思い出さない日はありません。
特に彼の最期の瞬間は脳裏に焼き付いていて、今でも毎晩のように考えてしまいます。
もっと穏やかな最期であればどうだったのだろう、とも思いますが。
それでも、あの時からずいぶん前に進む事が出来ました。
今日は彼の事を思い、心静かに過ごそうと考えていますが、
この1年にけじめをつけるため一つだけ書き留めておきたい事があります。
彼の死から1ヶ月後、病院から手に入れたカルテの事です。
過去の日記に書いた事と重複してしまいますが、整理する意味でもう一度書きます。
ザネリの異変に気づき病院に行ったのが去年の5月28日。
少し前から食欲不振、三日くらい前から夜中の咳、そして前日には小さな呼吸の乱れ。
それらの症状は出ていたものの、あれ、ちょっとおかしいな、と思う程度の軽いものでした。
出されたオヤツは食べましたし、
病院に行く当日の朝は私の後を追い掛けて走って階段を下りてきました。
じゃらしを投げると走って取ってきてヘソテンで転げ回るほど元気でした。
病院に行くのは「念のため」といった感じで私たち夫婦は楽観的でした。
まさかその日の内に彼とのお別れが訪れるとは夢にも思いませんでした。
診断結果は「悪性リンパ種」。
延命はある程度出来るが助からない、と言われました。
これは後から誤診とわかるのですが、僅かですが胸水が溜まっていて
上記の症状があったのは事実なので何らかの病気を発症していたのは間違いありません。
敢えて「誤診」と書いたのは獣医が「悪性リンパ種」とほぼ断定したからです。
検査結果が出るまでは「悪性リンパ種の可能性も有り」という言い方に留めておくべきでした。
実際、検査結果は『悪性リンパ種」ではなかったし、
その言葉で私たち夫婦は冷静さを失ってしまったのですから。
その日に施した治療はレントゲン検査、血液検査、胸水を抜く(40cc位)、
そして三本の注射(獣医の言い分では気管支拡張剤、抗生物質、利尿剤との事)です。
そしてその日の夕方、ザネリは苦しみ抜いて旅立ちました。
検査結果も通常だと結果が出次第すぐに連絡があったのですが、
その時はこちらから連絡を入れるまではなしのつぶてでした。
私がその獣医に最初に不信感を抱いたのは、その後のカルテに関するやり取りの中でです。
彼の死の原因を自分なりに調べたく、私は病院にカルテの写しを求めました。
個人情報保護法の施行により、病院側は患者からカルテの開示請求があれば拒否権はありません。
当然、動物病院側はこれらを知っているはずなのですが、帰って来た答は拒否。
後は弁護士を通せだの、こちらから訴える事も出来るだの非常識な発言ばかり。
長いやり取りがありましたが、結果的に上に書いた法律の話をするとあっさり承諾。
こちらが何も知らないと思って誤魔化そうとしたのは明白です。
カルテを受け取りに行った時も「治療に間違いはなかった」とか
「ネットや口コミに書き込むな、こちらにも考えがある」とか自分の保身の話ばかり。
最後まで悔やみの言葉ひとつありませんでした。
何よりも我慢できなかったのが
「病院に来なくてもその日の内に確実に死んでいた」という一言。
何を根拠にした発言なのか、その一言で切れてしまいました。
側で電話を聞いていたカミさんによると、あの時の私の口調はかなり荒れていたみたいです…。
ちなみにその時点で私は、病院の治療方針に文句ひとつ言ってはいないし
ましてやカルテを元に病院を訴えるなどと一言も言ってはいません。
私はただザネリの死の原因を自分なりに調べたいのでカルテの写しが欲しいと言っただけです。
まあ、ペットに関する訴訟も多いみたいなので神経質になるのもわかる気はしますけどね…。
それにしてもこんな香ばしい人間に大切な家族の命を託していたのかと思うと情けない限りです…。
そしてこのやり取りによって「誤診、医療ミス」といった言葉が私の頭を過ぎる事になります。
余談ですがカミさんの職場の同僚の友人の方もこの病院で猫を亡くされています。
この猫は「悪性リンパ種」であるのは間違いなかったのですが
朝の時点では比較的元気、病院(初診)で治療を施した直後、その日の内に亡くなってしまったそうです。
そしてカルテですが、私にはこれを診ていただいて見解を聞きたかった人物が二人いました。
一人は以前杉並区に住んでいた時、大変お世話になり、
ちーすけの膀胱炎と下痢をほぼ完璧に治療していただいた獣医さん。
こちらは去年の秋、正規の診察料を支払って診ていただきました。
もう一人は開業獣医ではありませんが、動物の医療関係の仕事に従事している私の知人です。
専門外ですが猫の医療知識もある、と本人談。
(本人、猫を3匹飼っています)
彼は北海道に住んでいるので、先日実家に帰った際、札幌でやっと会う事が出来ました。
カルテにレントゲン写真、「悪性リンパ種」の検査表、
ザネリの死の一週間前からの詳細レポートを添えて診てもらいました。
予想はしていましたが、やはりこれだけでは死因の特定は難しいとの事。
以下、二人に聞いた話のまとめ。
胸水が溜まる病気はいくつかあるが、やはり猫本人を診ない事には何とも言えない。
抜いた胸水の量も少しおかしい。重篤な状態なら水の量はもっと多くなるのでは?
胸水が溜まるシステムも詳しく聞きましたが、長くなるので割愛します。
カルテに書かれている処置方法が真実であれば、これといった落ち度は見当たらない。
敢えて言うとすれば、猫の呼吸が乱れている状態で胸水を抜くのは危険を伴うとの事。
ただ、これもその時の状況で医師の判断は異なります。
また、彼の朝の状況から、やはりその当日に亡くなってしまう事は考えにくい。
しかし希に病院での極度の緊張から亡くなってしまう猫もいる事はいるので、その可能性も否定出来ない。
そして一番の疑問はその獣医が、何を持ってその場で「悪性リンパ種」と判断したのかが解らない。
やはり検査の結果が出るまでは可能性の一つとして留めておくべきではないか?との事。
そして若年の猫が悪性リンパ種に罹る場合、圧倒的に猫白血病ウイルスが原因である事が多い。
ザネリは白血病検査は陰性でした。
この事だけでも他の病気を疑う事は出来たはず。
以上、全てではありませんが、お二人の大まかな共通の意見でした。
いくつか可能性のある病名も挙げていただきましたが、どれも推測でしかありません。
そして私がずっと考えていたある疑問を知人の方にだけ聞いてもらったのですが、
(実はこの部分が今回一番聞きたかった事であり、医療ミスを疑う起因でもあったのですが…)
【動物病院が抱える闇】みたいな話になってしまい、その友人が実際に体験した話もあるのですが
ほとんどが憶測の話なのでここに書く事は控えます。
それでも有意義な話を聞くことはできました。
もう少し纏めようと思っていたのですがつい長々と思いつくまま書いてしまいました。
あの時よりは状況を冷静に振り返る事は出来ますが、苦い経験である事に変わりはありません。
何一つ正確な事は解らなかったけど、少しはザネリにとっての供養になったでしょうか…。
いくら考えても彼が帰って来る訳ではありませんので、この事を書くのはこれで最後。
写真は亡くなる三日前のザネリ。
相変わらず仕事の邪魔をしています。
結局、これが最後の写真になってしまいました。
今夜は彼とカミさんと三人で夜更けまで語り合おうと思います。
あ、4ニャンも一緒ですか…(笑)。
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